親知らずの抜歯は痛い?痛くない?無痛麻酔の方法と術後5つの対策 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年11月16日

事前にしっかりと麻酔をかけますので、親知らずの抜歯自体は痛くないもののはずです。それにも関わらず、親知らずの抜歯を恐れている人は多く、実際に痛い思いをしている人がいることも事実です。
親知らずの抜歯で痛みを感じる可能性があるのは、抜歯前の麻酔か、麻酔が切れた後の数日間でしょう。しかしその痛みも最小限に抑えることが出来ます。
ここでは、痛くない麻酔方法と術後の痛みを少しでも減らすための対策について紹介します。

痛くない麻酔方法

親知らず抜歯の治療当日に痛みを感じるとしたら、麻酔である可能性が高いでしょう。しかし最近の麻酔は、痛みをできるだけ感じないように工夫されたものもありますので、そこまで神経質になる必要はありません。
具体的には次のような工夫がされることによって痛みの少ない麻酔を行うことができます。

表面麻酔

表面麻酔は、麻酔の前に行う麻酔です。注射器で刺したりはせず、歯茎に直接塗布したりテープを貼り付けたりして使用しますので全く痛みはありません。表面を麻痺させることで、本番の麻酔針を刺した時の痛みをなくす効果があります。
表面麻酔の一つにシリジェットという針のない麻酔器もあります。麻酔液を歯茎に高圧噴射することにより、皮膚の表面に麻酔を浸透させます。抜歯の際には、シリジェット単独では効果が弱いため、シリジェットによる表面麻酔にプラスして本番の麻酔が行われます。

細い麻酔針

麻酔針が細いほど、刺した時の痛みが少なくなります。麻酔は痛いもの、というイメージがあるのは、当時使われていた麻酔針が太かったからかもしれません。ここ数年では、細いタイプの麻酔針が多くなっていますので、麻酔の痛みも思っているよりもずっと減っているはずです。

体温に温めた麻酔液

麻酔で痛みを感じるポイントは針を刺した時だけではなく、麻酔薬を注入する時にも痛みを感じます。麻酔薬が冷たいと、注入した時に刺激を感じ痛みが増してしまうことがあります。注入時の痛みを減らすためには、麻酔液を体温と同じ温度に調整する必要があります。無痛治療を掲げる多くの歯科医院では、カートリッジウォーマーという機械を使って、麻酔液を人肌の温度に調整しています。

電動麻酔器

麻酔薬を注入する時に痛みを感じるのは、手動で注射器を押していることも一因にあります。電動の麻酔器を使用することで、一定の圧力でゆっくりと注入することができ、痛みを最小限に抑えることが可能です。

湿潤麻酔と伝達麻酔(局所麻酔)

本番の麻酔には、浸潤麻酔と伝達麻酔の2種類があります。浸潤麻酔とは、麻酔をかけたい周囲の皮下に注入して、その部分だけを麻酔にかける局所麻酔です。虫歯治療など基本的な治療には湿潤麻酔が用いられることが多いでしょう。
伝達麻酔とは、太い神経に直接麻酔を注入して、その神経が司る部分すべてを麻痺させる範囲の広い局所麻酔です。
確実に麻酔をかけたい際に用いられることが多く、親知らずの抜歯にもよく使われる方法です。
特に、親知らずが痛むような場合、歯茎が炎症を起こしている可能性が高く、通常の湿潤麻酔が効きにくいことがあります。さらに骨が厚いと麻酔が到達せず痛みを感じてしまうこともあるため、この場合にも伝達麻酔が用いられます。

精神鎮静法

歯科診療への恐怖心が強く、過呼吸や軽いパニックを起こしてしまうような場合には、局所麻酔と併用して精神鎮静法が行われます。笑気吸入や静脈内への鎮静剤を注射することで、恐怖心を薄れさせたり、不快感を抑えたりする効果があります。治療中はぼんやりしたり、眠ってしまったりするために、抜歯中の記憶もあいまいな状態になります。ゴリゴリやキーンといた不快な音もわからないくらいになります。

全身麻酔

全身麻酔では意識が完全になくなりますので、術中痛みを感じないどころか記憶も一切残りません。しかし全身麻酔の身体への負担は大きく、術後は歯だけでなく身体のあちこちに痛みを感じます。痛みに弱い、手術が怖い、という人は余計怖い思いをする可能性もあります。
4本同時の抜歯や、神経に近い親知らずの抜歯など、全身麻酔が必要だと判断されるケースでない限りは、あえて選ぶものではありません。また全身麻酔には入院が伴うため、設備の整った大学病院などの限られた場所でしか受けることができません。

抜歯後の痛みを和らげる5つの方法

転んで傷ができれば痛むように、抜歯後は歯茎に穴が空いた状態になりますから、当然痛みを感じます。ただし我慢できないほどの痛みというわけではなく、熱を持ってじんじんする重い感じが続きます。しかしその不快な感じも2~3日すれば徐々に和らいでいくはずです。
鎮痛剤も効かず、我慢できないほどの痛みを感じる場合には、何らかの異常が起きている可能性がありますので、早めに歯科医師に診てもらいましょう。術後順調に過ごすためには、次のことが大切です。

うがいを控える

空いた穴には、治りを早くする血の塊(血餅)が詰まっています。いつもと同じようにうがいなどをして血餅を洗い流してしまうと、ドライソケットという治癒不全を起こし、治るどころか徐々に痛みが強くなります。2週間ほど痛みが続き、治りも遅くなってしまいます。
当日は歯磨き禁止となることも多いため、口内が血の味がして気持ち悪いのはわかりますが、少なくとも術後3~4日間は、すっきりするうがいは禁止です。口に含んで吐き出す程度のうがいに留めましょう。

食べ物に気をつける

抜歯後しばらくは傷口をさけて歯磨きをしなくてはなりませんので、食べ物にも気を使ったほうが良いでしょう。歯に詰まりやすい食べ物や、固い食べ物などたくさん歯を使わなければならない食べ物は避けましょう。また、冷たい飲み物や刺激物は痛みを増幅する原因にもなります。
術後すぐは、おかゆ、柔らかく煮たうどん、ヨーグルト、ゼリーなどが良いでしょう。栄養摂取も傷の回復には大切です。3食しっかりと食べて、食後には抜歯した部分を避けて歯の清掃をしましょう。

安静にする

アルコールの摂取、激しい運動、長時間の入浴など、血行を良くして患部を温める行為は避けましょう。同じように、氷嚢をあてるなど患部を急激に冷やす行為もやめましょう。あれこれせず安静にしていることが治癒への一番の近道です。痛みも早く引くでしょう。

処方された薬を飲む

一般的には、親知らずの抜歯後には抗生物質と鎮痛薬の処方があります。鎮痛薬は痛みを抑える歯科医師に指示を受けた通りに服用しましょう。途中で服用をやめてしまうと、治りが遅くなる原因となります。

禁煙する

タバコは、唾液量を減らし口内環境を悪化させてしまうだけでなく、血流の悪化も招くため傷の治りを遅くしてしまいます。痛みを一刻も早くなくしたいのであればしばらくは喫煙を控えましょう。

親知らずの抜歯は口腔外科へ

上手な先生であれば麻酔や抜歯の痛みは少なく済みます。特に歯茎の切開が伴うことの多い親知らずの抜歯は、口腔外科専門の先生に治療を受けることをおすすめします。切開や縫合にも慣れているため、手術もあっという間に終わります。傷口を最小限に抑えることができ、術後の痛みも少なく、治りも早いでしょう。
口腔外科というと大学病院を思い浮かべますが、通常の歯科医院にも口腔外科専門の先生は在籍しています。大学病院の場合には紹介状が必要であったり、手術が先の日程になってしまったりする可能性が高いため、まずは、口腔外科を診療分野としている歯科医院を訪ねてみましょう。