ストレスによる歯痛はなぜ起こる?ほっといてもいいの?治療が必要なのはこんな時 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年11月17日

病は気からといいますが、口内の病気もストレスと大きく関わっています。ストレスや疲れが溜まっているときには、歯が痛くなったりしませんか?口内はその人の体調が顕著に現れやすい部分です。歯科医師は、口内を見ただけである程度の健康状態がわかるといいます。
歯が痛いと余計にストレスが溜まって、どんどん痛みが悪化していくこともあります。ストレスが原因で起こる歯痛とは、一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、ストレスと歯痛の関係や治療の必要性について紹介します。

ストレスによる歯痛はなぜ起こる?

ストレスは身体や心、行動など様々な影響を及ぼします。歯も例外ではなく、ストレスに起因して起こる歯痛も存在します。ストレスによる歯痛のメカニズムは、次のように様々なケースが考えられます。

免疫力の低下

ストレス状態が続くと、自律神経が正常に作用しなくなり、血の巡りが悪くなります。すると血液中の栄養がうまく身体に行き渡らずに免疫力を低下させてしまいます。今まで免疫力によって耐えられてきたあらゆる病気に掛りやすい状態になってしまい、歯痛などの症状として表れます。歯に関する病気の多くは、自然治癒することはありませんので、異常を感じたら早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

唾液量の減少

自律神経は、唾液腺の働きもコントロールしています。ストレスが溜まると唾液の量が減り、虫歯ができやすく、悪化しやすい状態になります。虫歯になるとまず知覚過敏を起こし、症状が進むと虫歯菌が神経に達し何もしなくても痛みを感じるようになります。
また歯茎の腫れもストレスによって起こりやすい症状です。唾液量の減少、免疫力の低下は、歯周病にかかる条件そのものです。 歯茎の腫れは、歯痛というよりは歯の奥の方がムズムズする感じです。
直接的な原因は溜まったプラークや歯石なので、しっかりとしたブラッシングや定期的な歯科医院での歯のクリーニングを受けることによって、改善することができます。

筋肉緊張による関連痛

ストレスによる自律神経の乱れは、血管の収縮と同時に筋肉の緊張を招きます。筋肉が無意識に固められた状態が長時間続くと、やがて自分では元に戻せなくなってしまい、凝りとなります。ストレスによって肩こりや腰痛が起こるのはこのためです。
顔の筋肉も例外ではありません。特に顎を動かす筋肉の凝りの痛みは、飛び火して歯痛として現れることがあります。本来の痛みの原因とは別の箇所に現れる痛みのことを関連痛といい、脳の痛覚の誤認知によって起きると考えられています。好発部位は上下の奥歯です。
関連痛によって生じた歯痛は、通常の歯科治療では治まりません。ペインクリニックや心療内科での薬物療法や、痛みの原因であるトリガーポイントへの局所麻酔、マッサージなどの理学療法によって治療していきます。

噛みしめが強くなる

ストレスによって顔の筋肉が緊張すると、歯の噛みしめ・食いしばりの症状が出やすくなります。無意識の噛みしめは60~70gほどの負担を歯にかけているといいます。
歯が力に耐えられなくなると歯牙破折を起こし、歯茎の腫れや噛んだ時に痛む咬合痛を引き起こします。さらに歯のヒビから内部に細菌が侵入すると歯髄炎を起こし、何もしなくても痛みを感じるようになります。
また歯茎にも過剰な力がかかることで歯周組織が破壊され、咬合性外傷を起こします。咬合性外傷は、咬合痛や歯茎の後退を招き、知覚過敏の原因にもなります。
歯牙破折も咬合性外傷も見た目にはわからないため、歯科医院でレントゲンをとってしっかりと診てもらう必要があります。 さらに、強い噛みしめ・食いしばりは、関連痛や顎関節症の原因にもなります。

心因性歯痛

重度のストレスが引き金となってうつ病を起こしてしまうこともあります。うつ病などの精神疾患は身体の痛みと深い関連があり、うつ病が原因で歯痛を起こすこともあります。歯には問題がないため、歯科医院ではなく精神科での治療が必要となります。

歯原性歯痛と非歯原性歯痛

ストレスが起因して起こる歯痛には、大きくわけて2つのパターンがあります。

歯科医院での治療が必要な歯原性歯痛

一つは、歯そのものに何らかの問題があり、ストレスをきっかけに症状の発現や悪化がみられたパターンです。歯に原因がある歯痛を歯原性歯痛といい、歯科医院で治療を受けない限り改善はできません。虫歯、歯牙破折、咬合性外傷、知覚過敏などが歯原性歯痛にあたります。

歯原性歯痛か非歯原性歯痛かの判断

歯痛の原因が何であるかは、消去法によって特定されます。歯痛が起きたら、まずは歯科医院で原因が特定できる歯原性歯痛が疑われます。検査により、歯や歯周組織に何の異常も見られなかった場合には、次に非歯原性歯痛が疑われます。原因を自分で判断しようとせず、まずは歯科医院を受診しましょう。原因に納得出来ない場合には、セカンドオピニオンの受診も有効です。セカンドオピニオンについては「歯科のセカンドオピニオンに適している3つの例」を参照下さい。

ストレスによって起こる口内のトラブル

歯痛の他にも、ストレスや疲れによる免疫力の低下によって次のようなトラブルが起きます。

口内炎ができる

ストレスによって免疫力が下がり、口内の粘膜が常在菌に感染してしまうと、口内炎ができます。最もよく見られるのはアフタ性口内炎という赤い縁の白いできものです。何もしなくてもじんじんと痛み、触れると強い痛みを感じるため食事や発音に支障を及ぼします。通常は1週間以内に治りますが、何度も繰り返しできることも多く、生活習慣の改善など根本的な解決が必要です。

口臭がきつくなる

緊張すると口が乾くように、ストレス状態にあると唾液量が減るため、口内環境が悪化し口臭が発生しやすくなります。自分では気づかぬまま、他人に不快な思いをさせてしまっている可能性もあります。
口が乾くなと思ったら、うがいをしたり、水を飲んだりしましょう。また歯磨きをすると粘膜が刺激され唾液がでます。コンクールジェルなど刺激の少ない歯磨き粉がおすすめです。

味がわからなくなる

ドライマウスが悪化すると、味覚にも障害が表れます。舌にある味覚を感じる味蕾という器官は、唾液と食べ物が混じった状態でないとうまく機能しません。唾液量が減ると味蕾が機能せず、食べ物の味がわからなくなってしまうのです。
またストレス状態にあると、血液中の亜鉛濃度が低下します。亜鉛は味蕾の代謝に重要な役割を果たしますので、ストレスで不足すると、味蕾の機能が低下してしまいます。
食べ物の味がわからないと、食べ物を美味しく感じることが出来なくなってしまいますので、食欲が減り免疫力も落ちてしまいます。
不足した亜鉛を補うために、牡蠣や煮干し、海藻、レバーなど、亜鉛が多く含まれている食べ物やサプリメントを摂取する方法もありますが、単独ではなく他の栄養素とバランスよく摂取することが大切です。

歯痛が起きたらまずは歯科医院へ

歯痛が起きた場合には、もともと口内に何らかの問題があり、ストレスをきっかけに明らかになったとも考えられますし、逆に、ストレスが先行して新たな問題が発生し、歯痛が起きた可能性もあります。潜在的に問題があったのか、ストレスが原因であるのか、どちらであるかをはっきりさせるのは困難ですが、両者が密接に関係していることは明らかです。
まずは歯科医院で歯痛の原因を特定してもらい、適切な治療を受けましょう。歯に問題がなかった場合には、関連痛などの非歯原性歯痛が疑われますので、他の診療科への紹介をしてもらいましょう。
歯に原因がないのに、痛みを取り除こうと歯や神経を抜いてしてしまうと、余計痛みが悪化してしまいます。適切な判断ができる歯科医師に出会えるとは限りませんので、非歯原性歯痛というものがあることを、知識として知っておくことも大切です。