削らないブリッジ?接着ブリッジとヒューマンブリッジのメリットとデメリット | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年11月24日

ブリッジとは、虫歯や歯周病で失ってしまった歯を、機能的・審美的に回復する方法です。保険適用が可能な補綴治療であり、扱っていない歯科医院はないほど歴史もありメジャーな方法となります。
しかし「できるだけ削らない歯科治療」が重視される昨今では、ブリッジの健康な歯を削らないといけないという点は、大きなデメリットとなっています。
そこで今回は、従来のブリッジの欠点を補う「削らないブリッジ」である、接着ブリッジとヒューマンブリッジについて紹介します。

一般的なブリッジとは

一般的なブリッジは、欠損した歯の前後の歯を土台の歯(支台歯)にして、橋を渡すように連続した人工歯を入れて欠損を補う方法です。例えば4番目の歯が欠損している場合には、その前後の3番と5番を削って、3~5番にかけてひと繋ぎの人工歯を被せていきます。
ブリッジは、支台歯に被せる支台装置、欠損歯を補う人工歯部分のポンティック、そして支台装置とポンティックを繋げる連結部の、3つの部品から構成されています。

適応症

ブリッジは、1~4本までの欠損歯の修復に用いられる治療法です。物理的には支台歯となる歯が1本でも残っていれば治療は可能ですが、支台歯への負担も考えて、普通は欠損歯4本以内かつ前後の歯が残っている場合に用いられます。一番奥の歯(7番など)の欠損を補う場合には、5番と6番を支台歯として固定するのが普通です。
支台歯となる歯は、神経のある生活歯、神経を抜いてしまった失活歯ともにありえます。ただし支台歯に動揺が見られたり、歯ぎしりグセがあったりする場合にはブリッジ治療は適していません。
なお、保険適用のブリッジでは下記のような制限が設けられています。

保険適用のブリッジ適応症

欠損歯の範囲 ・3番(犬歯)含む、連続した2本以内の欠損
・3番(犬歯)含まない、連続した4本以内の欠損
・4番以降は連続した2本以内の欠損
支台歯の状態 ・前後の歯が土台として機能すること(生活歯・失活歯問わない)
・一番奥の歯が欠損している場合は、前2本が問題ないこと

メリット

ブリッジで噛んだ時の力は支台歯となる天然の歯にかかるため、噛み心地は自分の歯で噛んでいる感覚とほとんど変わりません。また支台装置と支台歯の接着面が広いため固定力が強く、安定感があります。
保険適用なので、素材を選ばなければ安価で診療を受けることができ、どこの歯科医院でも広く扱われている方法です。歯がなくなった場合に、第一の選択肢として選ばれることが多いでしょう。

デメリット

構造上、支台歯となる自分の歯を大きく削る必要があります。表面のエナメル質はほぼ削られてしまうため、生活歯の場合には麻酔が必要だったり、歯の生え方によっては神経を取り除く処置が必要となったりすることもあります。
また、素材の経年劣化などで支台歯の接着面に隙間ができると、境界面に二次カリエスができてしまう可能性もあります。エナメル質のない歯の虫歯の進行は早いため、再度支台歯として使えなくなってしまうこともあります。ブリッジは、何らかのトラブルが起きた場合の再治療が難しい補綴方法です。

低侵襲な接着ブリッジとは

接着ブリッジとは、人工歯部分と支台歯をコンポジットレジンによって接着して欠損歯を補う方法です。支台歯となる歯をほとんど、あるいはまったく削らない侵襲性の低い補綴方法です。

適応症

接着ブリッジで補綴を行う場合、原則欠損歯は2歯までに限られます。また支台となる歯は、エナメル質が十分に残った神経がある生活歯であることが望ましいとされています。削る範囲は、エナメル質に留められるのが原則となっています。
歯に動揺が見られる、歯ぎしりが強い、噛み合わせが接着面に干渉する場合には適していません。
なお、欠損が1歯以内であり、支台歯となる歯が生活歯であれば保険適用となります。

保険適用の接着ブリッジ適応症

欠損歯の範囲 ・1本以内の欠損
支台歯の状態 ・生活歯であること
・削る範囲はエナメル質に留めておくこと

メリット

接着ブリッジは、天然の歯をまったく、またはほとんど削らずに治療が可能です。削ったとしても範囲はエナメル質に留められますので、麻酔の必要がありません。また接着面が少なく、歯もエナメル質で覆われていることから、通情のブリッジよりも二次カリエスのリスクが低くなります。
万が一接着ブリッジが外れてしまっても、支台歯のダメージが少ないため、再治療(再度接着)が容易である点もメリットの一つです。
保険適用の治療法であり、欠損が1歯以内であり、支台歯となる歯のうち1歯以上が生活歯であれば安価で治療も可能です。

デメリット

接着ブリッジは固定力に劣るため、外れやすいという問題があります。外れやすいことから、誤って飲み込んでしまう誤嚥のリスクもあります。
耐久性から、力のかかる奥歯や、噛んだ時に接着面に干渉する上の前歯には向いていないため、自ずと適応例も限られてきます。さらに、長年持つような接着技術を持つ歯科医師はごくわずかです。保険診療の一つではありますが、積極的に接着ブリッジ治療を行う歯科医院は少数です。
ただし侵襲性も低く、外れたとしても天然歯に与えるダメージが少ないことから、一時的な補綴処置として用いるのであれば非常に優れた方法であるといえます。例えば、将来的にインプラントにする場合の一時的な補綴処置とする場合には、接着ブリッジは有効な手段となります。

新しい治療法ヒューマンブリッジとは

ヒューマンブリッジとは、歯を削る量を最小限に抑えつつ固定力にも優れた、新しいブリッジ治療です。支台歯に固定する特殊な形のアタッチメントと人工歯部分から成ります。
手順としては、まず支台歯となる歯に小さな窪みを作り、窪みにピッタリとはまるアタッチメントを取り付けていきます。さらにアタッチメントに固定式の人工歯を取り付けていきます。

適応症

ヒューマンブリッジによる補綴では、最大4歯までの欠損に対応しています。支台歯となる歯は、ある程度エナメル質が残っている必要があり、すでにクラウンなどの補綴物が入っている歯には適応していません。
また、支台歯に動揺が見られる場合や、歯茎の後退が著しい場合には適応できません。

ヒューマンブリッジ適応症

欠損歯の範囲 ・前歯部1~4本以内の連続した欠損
・臼歯部1~3本以内の連続した欠損
・一番奥の歯は1本以内の欠損
支台歯の状態 ・エナメル質が十分に残っている生活歯であること
・支台歯として安定していること

メリット

ヒューマンブリッジは、アタッチメントを取り付けるために、支台歯を削って窪みを作る必要がありますが、エナメル質に留まる範囲であり麻酔は必要ありません。最小限の侵襲であることから、MIブリッジとも呼ばれています。全身疾患などで麻酔を使用した治療が困難な人でも可能な方法です。
歯を削る量が少ない割にはアタッチメントによる固定力もあるため、奥歯にも問題なく使用できます。

デメリット

ヒューマンブリッジはまだ新しい方法なので、症例数が少なくはっきりとしたデメリットもわかっていません。予期せぬトラブルが起こる可能性があることを理解した上で、治療を受ける必要があります。
また、ヒューマンブリッジを取り入れている歯科医院は少数なので、引っ越しなどで転院した際には、新たなメンテナンス先を見つけるのに苦労する可能性もあります。さらに保険外診療となりますので、治療費は20万前後と高額になります。

まとめ

削らないブリッジとして、接着ブリッジとヒューマンブリッジの紹介をしました。侵襲性が低いことに対して、固定力の問題や予後の問題など、それぞれにデメリットもありますので、理解した上で治療を受けるようにしましょう。
下記に、一般的なブリッジ、接着ブリッジ、ヒューマンブリッジのメリットとデメリットをまとめました。是非参考にしてみて下さい。

メリットとデメリットのまとめ

メリット デメリット
ブリッジ ・固定力がある
・保険で広く扱われている
・削る量が多い
・再治療が難しい
接着ブリッジ ・削る量が少ない
・再治療が可能
・外れやすい
・適応症が限られる
ヒューマンブリッジ ・削る量が少ない
・固定力がある
・予後が不明
・高価