フリーランス歯科衛生士の人物像や仕事内容とは?転向するメリットの紹介 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年11月28日

フリーランスのエンジニアやデザイナーはよく聞きますが、フリーランスとして働く歯科衛生士がいるのをご存知でしょうか。フリーランスの歯科衛生士は、一つの歯科医院に留まらずに、複数の歯科医院や企業と契約を結び、幅広い分野で活躍しています。
欧米では当たり前?近い将来の働き方を実践する、フリーランスの歯科衛生士について紹介します。

フリーランスの歯科衛生士とは

フリーランスの歯科衛生士になるために特別な資格は必要ありません。歯科衛生士であれば誰でもフリーランスになれるのです。ただし、新人の歯科衛生士がフリーランスとして活動するのは現実的ではなく、一部の限られた歯科衛生士でないと生計を立てるのは難しいでしょう。
では、どのような人がフリーランスの歯科衛生士となるのでしょうか。具体的には下記のような特徴が挙げられます。

様々な業務委託契約を結んでいる

フリーランスの歯科衛生士は個人事業主です。歯科医院の従業員として働くのではなく、業務委託契約を結び、予め決められた業務内容を行い、一定の報酬を受け取ることになります。一箇所に限らず複数の歯科医院と契約を結ぶこともあります。
また歯科医院だけではなく、企業や個人とも契約を結び、歯科衛生士の業務以外の活動を行うこともあります。

付加価値のある歯科衛生士

フリーランスの歯科衛生士として必要とされるには、他の歯科衛生士にはない付加価値が必要です。例えば、臨床のスペシャリスト、教育のスペシャリスト、広報のスペシャリストなど、何らかのスペシャリストとして活躍している実績が求められます。引く手数多となるほど、歯科医院や企業にメリットをもたらすような歯科衛生士としての強みが必要なのです。

人脈のある歯科衛生士

フリーランスとして働くには、優れた技術だけでなく、それを活用してくれる相手を見つけなければ意味がありません。フリーランスの歯科衛生士の求人は少ないため、基本的には縁故を伝って仕事を見つけなければなりません。ある程度の知名度があれば、歯科医院や企業側から声がかかることもあるでしょうが、はじめはどうしてもフリーランス以前に築いた人脈が必要になります。新人の歯科衛生士がすぐにフリーランスとして働くことができないのはこのためです。
そして継続的に仕事を得るには、積極的に自身のプロモーション活動を行い、人脈を広げていかなくてはなりません。自らの広報活動も、フリーランスの歯科衛生士として大切な業務内容の一つとなります。
フリーランスの歯科衛生士として活躍するためには、人脈を築く能力も求められるのです。

欧米型の歯科衛生士

日本では歯科衛生士というと、歯科医師のアシスタントというイメージが強く、時には受付を兼ねたりするために歯科助手と混合されてしまうこともあります。
しかしアメリカやヨーロッパの歯科衛生士は、専門職として独立したポジションを確立しており、歯科衛生士にしかできない独占業務しか行いません。歯科助手にも専門資格がありますので、両者で明確に住み分けがされており、歯科衛生士が歯科助手の仕事を兼ねるようなことはありません。
許されている独占業務の範囲も広く、日本では禁止されている麻酔やレジン充填、レントゲン撮影なども歯科衛生士の業務範囲として認められています。プロ意識も高く、フリーランスとして働いている歯科衛生士も多いのです。
日本でフリーランスとして活躍している歯科衛生士は、過去留学経験がある人も多く、このような欧米型の歯科衛生士の働き方に強く影響を受けているといえます。

フリーランスの歯科衛生士のお仕事

フリーランスとして働く歯科衛生士は、具体的にどのような活動をしているのでしょうか。フリーランスなので決まった働き方はなくこの限りではありませんが、次のような活動を行う歯科衛生士が多いようです。

歯科の臨床

実際の臨床の場で歯科衛生士としてのスキルを発揮します。フリーランスの歯科衛生士は、曜日ごとに複数の歯科医院を回ったり、一つの医院で特定の患者だけを診ていたり、人によって働き方は様々です。
有名な歯科衛生士を目的に通う患者もいるため、歯科医院にとっては増患にも繋がります。

スタッフ教育

フリーランスの歯科衛生士は様々な分野のスペシャリストですから、歯科医院に務めるスタッフの教育係として歯科医院と契約を結ぶこともあります。臨床の場のテクニックから患者とのコミュニケーションスキルまで、プロフェッショナルならではの質の高い指導が求められます。
実力ある歯科衛生士の教育指導は、既存スタッフの戦力強化だけでなく、充実した教育研修制度としてアピールできるため採用強化にも繋がります。

歯科医院全体のコンサルティング

スタッフだけでなく、歯科医師にアドバイスする立場として歯科医院全体のコンサルティングを行う歯科衛生士もいます。歯科医院のブランディング、売上向上のノウハウ提供、インフラ整備、制度構築など、多岐に渡る歯科医院の運営サポートを行います。

講演・執筆活動

学術団体や歯科メーカーが主催する研修会の講師として活動することもあります。自身も歯科衛生士や歯科医師の学会に所属して、論文を発表し学術的な実績を収めたり、歯科業界の関係者との交流を深めたりします。
また、著書の執筆やWEBライター、メディアの監修など、歯科業界以外の分野でも幅広く活動しています。

プロモーション活動

歯科系のメーカーから依頼を受けて、商品の開発やプロモーションに関わることもあります。企業PRだけでなく、自身の広報活動にもなります。

なぜフリーランスになるのか

なぜあえてフリーランスという形を取るのでしょうか。フリーランスの歯科衛生士のメリットについて下記にまとめました。

実力があれば収入が増える

歯科衛生士は多くの歯科医院で必要とされているのにも関わらず、平均年収は350~400万円と、国家資格を持つ医療従事者としては低い数字です。
歯科衛生士は単独で歯科医院を開くことはできないため、どうしても歯科医師に雇用されるスタイルがスタンダードとなります。開業した歯科医師は成功した分だけ収入も増えますが、雇用されている歯科衛生士は実力があってもそれに見合う収入が得られるとは限りません。
ただでさえ人材不足している歯科衛生士ですから、能力のある人であれば引く手数多のはずです。一つの歯科医院に留まるメリットはなく、フリーランスとして活動の幅を広げることで、給与額以上の収入を得られる可能性があります。 一方で、収入が安定しないというデメリットもあります。

裁量のある働き方が出来る

歯科医院とは対等な関係であり、基本的に指示命令を受けることはなく、契約外の業務を行うことはありません。歯科衛生士という職種の性質上、歯科医師の指示の下で業務を行うことはありますが、臨床やスタッフ教育など、自分が提示した業務内容だけを自分で提示した時間だけ行うことができます。
ただし歯科医院に雇用されているわけではないので、雇用保険はありませんし、確定申告も個人で行う必要があります。

専門性を高めることが出来る

仕事の裁量とも関係していますが、フリーランスであれば、雑務はせずに歯科衛生士の業務だけに集中できます。時間の使い方も自由なので、出たい研修や勉強会にも参加できます。自由に働くには前提として高い技術が必要ですが、より高みを目指すのに適した環境であるといえます。

新しいことに挑戦できる

様々な歯科医院や企業との関わりを通して、勤務歯科衛生士では得られない経験を積むことができます。歯科衛生士としての視野が広がり、これまでの常識に囚われない新しいことにも挑戦できます。

まとめ

これからは予防歯科の時代です。歯科衛生士の需要や地位も高まり、活躍の機会も増えていくことでしょう。同時に自立志向の歯科衛生士も増えて、フリーランスとして働くことも当たり前の選択肢となるかもしれません。
最近では男性の歯科衛生士も徐々に増えているようです。働き方の多様化は、歯科衛生士の人材不足の解消にも繋がるかもしれません。