メタルフリー治療を保険適用内で実現する方法!ブリッジと部分入れ歯は無理? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年12月2日

保険内で白い歯にする選択肢が増えてきています。特に前歯であれば、どのようなケースでも保険内で白い歯にできるのではないでしょうか。
さらにもう一歩踏み込んだところに、金属を一切使用しないメタルフリー治療、またはノンメタル治療などと呼ばれるものがあります。金属アレルギーの人にとっては必須となるメタルフリー治療ですが、実は金属アレルギーでない人にとっても多くのメリットがあります。
前からは白く見えても、実は裏打ちに金属が使われているなど、保険適用内の素材には多くの金属が使われています。完全にメタルフリーが実現する保険治療はどれくらい存在するのでしょうか。調べてみました。

メタルフリー治療のメリット

メタルフリー治療とは、金属の含まれた素材を一切使わない補綴治療のことをいいます。保険診療で使われるインレーやクラウン、ブリッジなどの補綴物には、金属が使われていることが多く、審美性の問題だけでなく、人体に悪い影響を起こす恐れがあります。
メタルフリー治療にすることで、次のようなメリットがあります。

見た目が綺麗

銀歯など金属の素材を使うと、笑った時にギラッと光り目立ちます。ひと目で治療済みの歯だとわかり、その数が多くなるほど清潔感が失われ、下品な印象を持たれてしまうこともあります。
一方でメタルフリー治療では、金属の銀色が一切ないため、自然な白い歯にすることができます。治療した歯だと気づかれにくいため、いつまでも健康で若々しい印象を与えることができます。

金属アレルギーを起こさない

金属アレルギーの人が金属の入った素材を使うと、口内炎や扁平苔癬などの口腔疾患だけでなく、手荒れや全身のかゆみ、倦怠感、めまいなどの全身症状が現れることがあります。人によって症状の現れ方が様々なので、金属アレルギーによるものだと気が付かないことが多く、長期間に渡って苦しめられてしまうケースもあります。
メタルフリーであれば、はじめから何らかの不具合を起こす心配がありません。

歯茎が変色しない

口内で金属を削ったりすると、飛び散った細かい粒子が歯周組織に溶け込み歯茎を黒く変色させてしまうことがあります。またクラウン治療で歯根に差し込む部分に金属が使われていると、経年で金属が錆びてしまい、歯茎に金属イオンが溶け出して黒く変色してしまうことがあります。金属によって歯茎が変色してしまうことをメタルタトゥーといい、除去が難しく外科的な手術が必要になることもあります。
また歯茎の後退があると、根の金属部分が露出して、歯と歯茎の際に黒い線(ブラックマージン)が入ってしまうことがあります。
メタルフリーの補綴物であれば、メタルタトゥーやブラックマージンのリスクがありません。歯周病などにならない限り、いつまでもきれいな歯茎の色を保つことができます。

ガルバニー電流のリスクがない

ガルバニー電流とは、口内に金属が入っていることで起こる微弱な電流のことであり、味覚や痛覚などの神経に障害を起こすことがあります。また金属の劣化を早めることもあり、金属の溶け出しや二次カリエスのリスクが高まります。
特に金と銀など異なる性質の金属が一緒に入っていると起こりやすくなります。仮に同じ保険の金属を使用したとしても、一つ一つの組成が微妙に異なるために、ガルバニー電流が発生してしまうこともあります。
メタルフリーの素材を使えばガルバニー電流が起きることもなく、食べ物の味覚が変わってしまう、体調が悪くなるということも防ぐことができます。


保険のメタルフリーインレー

インレーとは、虫歯などで削った歯にする詰め物のことをいいます。神経に達しない小さな虫歯の修復に適しています。予め型を取って、その形に成形して歯に詰めていきます。保険でメタルフリーのインレーにするには、次の選択肢があります。

保険のメタルフリーインレー

インレー ・CRインレー
・レジン充填

コンポジットレジン(CR)インレー

保険でメタルフリーのインレーを入れたい場合には、コンポジットレジンという素材が使われます。コンポジットレジンとは歯科用のプラスチック素材のことであり、保険素材として広く使用されています。
ただしレジンは強度に劣りますので、奥歯や広い範囲の修復には向いていません。物理的には奥歯にも使えますが、短期間で割れてしまうリスクがあります。

レジン充填

小さな虫歯の修復は、コンポジットレジンインレーよりもレジン充填の方が一般的です。削った穴に直接接着性のレジンを流し込んで詰める方法であり、型取りが必要ないためその日のうちに治療を終えることができます。レジン充填は削る範囲を最小限に抑えることができるので、多くの歯科医師が好んで使っています。
コンポジットレジンインレーと同様に強度には劣りますが、どれくらい持つかはレジンを扱う歯科医師の腕や本人の噛み合わせの強さによって大きく左右されます。


保険のメタルフリークラウン

クラウンとは、大きく削った歯を修復するための被せ物のことをいいます。クラウンは土台部分のコアと歯冠部分のクラウンから構成されており、それぞれ複数の素材があります。さらにコアも、ポストという支柱が入ったものと、入っていないものに分かれます。
保険内でコア部分もクラウン部分も完全にメタルフリーにできるのは、1~5番までの歯に限られており、6番以降もメタルフリーにするには、金属アレルギーの診断書が必要になります。

保険のメタルフリークラウン

クラウン ・硬質レジン冠(6番以降は金属アレルギーのみ)
・CAD/CAM冠(6番以降は金属アレルギーのみ)

・レジンコア
・ファイバーコア

硬質レジン冠

硬質レジン冠は、すべてレジンで作ったクラウンです。1~5番までの歯であれば保険適用することができます。レジンなので強度に課題があり、6番以降の大臼歯に使用できるのは、金属アレルギーの人のみです。

CAD/CAM冠

CAD/CAM冠とは、歯科用CAD/CAM装置を使用して作成したクラウンです。ハイブリッドセラミックレジンという、レジンにセラミックを混ぜた素材を使用しています。硬質レジン冠と同様に、保険適用できるのは1~5番までの歯です。6番以降は金属アレルギーの人に限られます。

レジンコア(ポストなし)

以下は土台部分の素材です。残存歯質が3面以上の場合には、中に金属製のポストを入れることなく、レジンのみを使用したコアを用いることができます。

ファイバーコア(ポストあり)

ファイバーコアとは、グラスファイバーというガラス繊維のポスト(支柱)が入ったレジンコアのことです。レジンコアと区別するためにファイバーコアと呼ばれます。金属製の硬いポストとは違い柔軟性があるため、強度は保ちつつも歯根破折のリスクが少ない優れた素材です。2016年より新しく保険適用となりました。


保険のメタルフリーブリッジ

ブリッジとは、抜歯となってしまった歯を補う補綴方法です。残存歯が多い場合に用いられる方法であり、欠損歯の両隣の歯を削り、連結した人工歯を橋渡しするように装着することからその名が来ています。
保険内のブリッジは強度の問題もあり、金属が使用されている素材しかありません。メタルフリーのブリッジを使用するには、保険外のオールセラミック・オールジルコニアブリッジや、先進医療である「金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療」が選択肢となります。

保険のメタルフリーブリッジ

ブリッジ 保険外のみ

保険のメタルフリー義歯(入れ歯)

欠損歯が多い場合には、入れ歯による補綴が一般的です。入れ歯は、部分入れ歯と総入れ歯の2つに分けることができますが、保険内でメタルフリーが可能なのは総入れ歯のみとなります。
保険の総入れ歯は、床部分と人工歯部分ともにレジンが使用されていますので、使い心地は別としてメタルフリーです。
しかし部分入れ歯には、金属のクラスプ(固定器具)がついていますので、メタルフリーの部分入れ歯を希望するのであれば、保険外のノンクラスプデンチャーを利用するしかありません。

保険のメタルフリー義歯

総入れ歯 レジン床
部分入れ歯 保険外のみ

まとめ

保険でメタルフリー治療が出来るものは下記の通りです。ほとんどの保険診療でメタルフリー治療が可能ですが、大臼歯部分のクラウン、ブリッジ治療、部分入れ歯治療では、保険外でなければメタルフリーは不可能であることがわかります。
金属を使うことのリスクを理解した上で、保険診療に望む必要があります。費用に余裕があるのであれば、保険外の選択肢を選んだほうが、リスクが少なくて済みます。

保険適用のメタルフリー治療一覧

インレー ・CRインレー
・レジン充填
クラウン ・硬質レジン冠(6番以降は金属アレルギーのみ)
・CAD/CAM冠(6番以降は金属アレルギーのみ)

・レジンコア
・ファイバーコア
ブリッジ 保険外のみ
総入れ歯 レジン床
部分入れ歯 保険外のみ