その口内炎の原因は銀歯かも?歯科金属アレルギーの諸症状と改善方法 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年12月7日

長く続く口内炎、もしかして金属アレルギーによるものかもしれません。口内に銀色の詰め物や銀歯は入っていませんか? アレルギーが原因で起こる口内炎をアレルギー性口内炎といい、原因となるアレルゲンを取り除かない限り改善することはありません。さらに歯科の素材による金属アレルギーは、口内炎だけでなく全身に症状が現れることがあります。
この記事では、アレルギー性口内炎を始めとした金属アレルギーの諸症状と治療法について紹介します。

歯科金属アレルギーとは

歯科の金属アレルギーは、次のような特徴があります。

遅延性アレルギー

歯科の金属アレルギーは遅延性アレルギーに分類され、反応が現れるのが遅いのが特徴です。銀歯を入れてすぐに反応が出るのではなく、1~3日後に発症することもあれば、数年後に突然あらわれることもあります。子供の頃に入れた銀の詰め物が原因であったということもめずらしくありません。

接触性と全身性

歯科金属アレルギーは、大きく分けて局所性(接触性)のものと全身性のものがあります。
局所性の金属アレルギーは、金属に直接触れる部分に現れます。口内では金属に直接触れる粘膜に炎症を起こしたりします。粘膜炎含め、口内に起こるアレルギーによる炎症を総称して、アレルギー性口内炎といいます。
全身性のアレルギーとは、アレルゲンが生体に吸収されて全身を巡ることで、直接触れていない部分にもアレルギー反応が現れるものをいいます。歯科金属によるアレルギーの多くは全身性のものであり、経年劣化で唾液に溶け出た金属が全身へと巡ってしまうことで起きます。代表的な全身性のアレルギーとして、掌蹠膿疱症や扁平苔癬が挙げられます。

歯科金属アレルギーによる症状

前述の通り、歯科金属アレルギーは口内の炎症だけではなく全身に炎症を起こします。具体的な歯科金属アレルギーの症状として、次のようなものが挙げられます。

接触性粘膜炎

金属に触れている部分に起こる、粘膜の炎症です。頬の粘膜や舌、唇がただれてしまい、かゆみやヒリヒリとした痛みを感じます。原因物質を除去することで改善します。

色素沈着

メタルタトゥーと呼ばれる金属による歯茎の色素沈着も、接触性アレルギー反応の一つです。金属を充填する際に飛び散った細かい粒子が抜歯の傷などに入り込んだり、金属が劣化して歯肉内に溶け出したりすることで起こります。
入り込んだ金属を完全に除去するためには、歯肉の切除が必要です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症とは、掌や足の裏に複数の水疱や嚢胞が現れる、全身性の金属アレルギー皮膚炎です。
初期症状としてかゆみが出て、しばらくすると皮膚が角質化してボロボロと剥がれていきます。良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
金属アレルギーの他にも、喫煙や栄養不足、重度の虫歯や歯周病によっても起こることがあります。無菌性なので他人から感染することはありません。
悪化すると、胸骨や脊椎に骨関節炎を起こし激しい痛みを感じるようになります。金属などの原因除去や薬物療法によって症状を抑えていきます。

扁平苔癬

扁平苔癬は、口内の粘膜にレース状の白い病変ができたり、手足の関節部などにかゆみが伴う紫色の出来物ができたりする症状です。
金属アレルギーやウイルスによる感染症、ストレスなどが原因として考えられていますが、はっきりとしたことはわかっていません。治療は、原因を取り除くことと対処療法として外用薬の塗布が挙げられます。

舌痛症

舌に原因不明の痛みを引き起こす症状を、舌痛症といいます。舌には目立った異常はみられませんが、ピリピリとした灼熱感のある痛みを生じるのが特徴です。付随して味覚障害を起こすこともあります。
神経障害の一つとして考えられており、薬物療法や認知行動療法によって痛みを抑えるための治療が行われます。
ただし金属アレルギーが原因で起こる舌痛症は、正確には二次性の舌痛症となりますので、原因となる金属を取り除くことで改善が見込めます。

脱毛症

金属アレルギーによって円形脱毛症を起こした例もあります。脱毛症はストレスとの関係も深く、直ちに歯科金属アレルギーとの関連性が疑われることはありませんが、可能性がないとは言い切れません。ある日突然髪が抜け落ちてしまった際には、口内に金属の補綴物が入っていないか、一度確認してみましょう。

その他原因不明の皮膚炎

全身の蕁麻疹、皮膚掻痒症、貨幣状湿疹、全身の皮膚炎なども、金属アレルギーの症状として現れる可能性があります。原因不明の皮膚炎がある場合には、金属アレルギーを疑ってよいかもしれません。

歯科金属アレルギーの改善方法

金属アレルギーの治療には、原因となっている金属が何なのかを調べて、完全に除去することが必要です。また、アレルギー体質そのものを完治することは難しいため、治療後もアレルゲンを避けて生活していかなければなりません。
歯科金属によるアレルギーの改善方法について紹介します。

金属アレルギー検査

金属にも複数の種類があります。まずは皮膚科で受診できる金属アレルギー検査によって、原因となっている金属の種類を調べる必要があります。
口内のあらゆる金属を取り除くのも一つの方法ですが、再治療を行う歯には大きな負担がかかりますし、経済的な負担もあります。問題となっていない金属までも取り除く必要はないため、原因の金属を絞り込むことで必要最小限の治療に抑えることが出来るのです。
また金属アレルギーの診断書をもらっておくことで、保険診療内で可能な歯科治療の範囲が広がります。

メタルフリー治療

金属アレルギーは、原因となる金属を取り除くことが必須です。金属を使っていないメタルフリーの素材に交換し、その後の経過を見ていきます。レジン、セラミック、ジルコニアが、代表的なメタルフリーの素材です。
メタルフリーの補綴物について詳しくは、「メタルフリー治療を保険適用内で実現する方法!ブリッジと部分入れ歯は無理?」をご参照下さい。
金属アレルギーの診断書を持っている場合には、クラウン治療の際に奥歯にもメタルフリーの素材を使用することが出来るようになります。

薬物療法

根本的な解決とはなりませんが、辛い金属アレルギーの症状を抑えるための対処療法として薬物療法があります。皮膚への外用薬の塗布が中心となり、症状が悪化した場合には、内服薬が用いられることもあります。

まとめ

金属に触れている部分に現れる局所金属アレルギーは、原因の特定も比較的容易です。しかし全身症状として現れるアレルギーは、口内の金属によるものだとは気づかずに、長年悩まされてしまうこともあります。強度もあり、多くが保険適用されているため安価で使用出来る金属は、長年使われてきた実績もある優れた素材であるといえます。しかし人体に及ぼす影響は少なからずあり、体質によっては口内に爆弾を抱えてしまうことにもなりかねません。
はじめから金属を一切使わないメタルフリー治療を行うことで金属アレルギーのリスクをなくすことができます。また、メタルフリーの素材はいずれも白いため、審美的なメリットもあります。
口内炎や原因不明の皮膚炎にお悩みの際には、一度金属アレルギーの診断を受けてみることをおすすめします。