ガムに歯磨き効果はない?5つの本当の効果と噛みすぎによる弊害 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2018年2月22日

食後の歯磨きができないときにはガムを食べると良いと言いますが、ガムだけ食べていれば良いわけではありません。ガムには口臭や虫歯を予防する効果もありますが、限界もあります。たくさん噛めばいいというものでもなく、むしろ過剰な摂取は歯痛や頭痛の原因になることもあります。
今回は、ガムで得られる効果と、得られない効果についてまとめました。またガムの噛み過ぎで起こるデメリットについても紹介します。

ガムの5つの効果

まずガムを噛むことで得られる効果として、次の5つが挙げられます。

口臭予防

一般的な口臭の原因は、唾液量の減少によって起こる口内の細菌の活性化です。細菌が口臭の原因となる毒素を発生させます。朝方に口臭がきつくなるのは口内が乾燥しているためであり、誰にでも起こりうる生理的口臭に分類されます。
ガムを噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の量が増えます。唾液には自浄作用があり、ガスを発する細菌の活動を弱めることができます。ガムを噛んで唾液が出ている間は、口臭を予防することができます。ただし効果は一時的なものとなります。

虫歯予防

唾液は口臭の予防だけでなく、虫歯で溶けかけた(脱灰)歯を修復(再石灰化)する働きもあります。ガムを噛んでたくさん唾液を分泌すれば、虫歯になりにくい口内環境に整えることができます。
またガムに使われることの多いキシリトールは、虫歯の原因にならない非齲蝕原性の甘味料です。キシリトールは虫歯菌に歯を溶かす酸を発生させない性質があります。虫歯予防に有効な成分はキシリトールの他にもあり、リカルデントやPOs-Caも再石灰化の促進や歯質を強化する効果があります。
特に歯科専用ガムはこれらの成分が市販製品よりも多く含まれているため効果が高くおすすめです。

脳の活性化

継続した咀嚼行為は、脳内の血流量を増加させて、脳を活性化させる働きがあります。ガムは継続して噛むのに適した食べ物です。ガムを噛むと、注意力・集中力の向上や、記憶力を促進する効果が期待できます。同時に、精神を落ち着かせる効果のあるセロトニンが分泌されますので、緊張状態の身体をリラックスさせることもできます。
スポーツ選手がガムを噛んでいるのは、集中力を高めつつ体の緊張も解せるという非常に理にかなった行為なのです。
脳の活性化という意味では、認知症の予防にも繋がります。当然ですが、咀嚼をするためにはよく噛める歯がなくてはなりません。歯を残すことは心身の健康維持に大切なことであることがわかります。

筋肉の発達促進

ガムを噛むと顔のたくさんの筋肉が使われます。口の周りの表情筋が鍛えられて、二重あごを防いだり顔つきにハリがでたりと見た目にも影響を及ぼします。また筋肉の未発達から起こる口呼吸の改善にも有効です。ガムを口内で転がしたり上顎に押し付けたりすれば、舌の筋肉のトレーニングにもなります。

肥満防止

食事の際によく噛んで食べると、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防止できることは有名な話です。さらに最近の研究では、食事の後にガムを食べると、エネルギーの消費量が長時間持続する効果があることが報告されています。安静にしていても代謝量が増えるということであり、食後のガムはダイエットにも効果的なのです。

ガムが歯磨き代わりにならない2つの理由

ガムには虫歯を予防する効果がありますが、完全ではありません。歯磨きの代わりにはならないため、ガムを噛んでいるだけではいつか虫歯を作ってしまいます。その理由として下記の2つが挙げられます。

プラークを落とす効果はない

ガムには、口内のプラークを落とす効果はありません。プラークはバイオフィルムという膜状の細菌集合体であり、ブラシで擦るなど機械的なかきとりを行わないと除去することができません。ちなみに排水口のやっかいなヌメヌメもバイオフィルムの一種です。ガムでは掃除ができないことを容易に想像できますよね。排水溝をタワシでゴシゴシ擦る必要があるように、歯についたプラーク(バイオフィルム)も歯ブラシでブラッシングしないと除去することはできません。

砂糖入りは虫歯になる

砂糖(スクロース)が入っているガムはお菓子と同じです。唾液の量は増えるために、一時的な口臭予防にはなりますが、砂糖が含まれていては虫歯菌の餌となります。夜寝る前などに食べてしまうと、他の食べ物と同じように虫歯の原因となります。ガムの効果を発揮するためには、シュガーレスのガムがおすすめです。

ガムの食べ過ぎで起こる4つのデメリット

ガムを一日中休むことなく噛み続けてしまう人もいるのではないでしょうか。たくさんのメリットがある一方で、ガムの噛み過ぎは悪い症状も引き起こします。ガムの食べ過ぎで起こりうる弊害について紹介します。

お腹を壊す

多くのガムにはキシリトールなどの糖アルコール(甘い成分)が含まれています。糖アルコール類は虫歯になりにくいというメリットもありますが、消化吸収されにくいというデメリットもあり、摂取しすぎると下痢を起こしてしまいます。
食べ過ぎによる下痢の注意喚起はガムのパッケージにも書かれていることです。用法用量を守って食べましょう。

歯がすり減る、欠ける

ガムを噛む時間が長すぎると歯の表面がすり減ってきてしまい、知覚過敏を起こしたり噛合せがズレてしまったりする恐れがあります。長時間噛み続ける習慣があると、それだけ筋肉や噛む力も鍛えられているため、無意識の内に歯にかかる力も大きくなっていきます。
さらに特定の歯に強い力が加わり続けることで、折れたり欠けてしまったりすることもあります。歯根部分にヒビが入ってしまうと修復は難しく、抜歯になってしまうことも少なくはありません。歯の破折は神経の処置をした歯ほど起こりやすいトラブルです。

噛むと違和感や痛みが出る

ガムの噛み過ぎは、歯だけでなく歯のクッションの役割をする歯根膜にまで影響を与えます。歯根膜へ日常的に強い力がかかると炎症を起こして(歯根膜炎)、歯が浮くような感じがしたり、ひどいときには噛んだときに痛みが発生したりすることもあります。
できるだけその歯を使わないようにすれば自然と炎症も治まりますが、長期間治まらないようであれば細菌感染も考えられます。根管治療により神経を抜く治療が行われます。

顎に負担がかかる

ガムを噛むことで広い範囲の筋肉を鍛えられる反面、酷使による負担も広い範囲に及んでしまいます。過剰な咀嚼は、顎に負担をかけて顎関節症を引き起こします。顎の筋肉は首や肩、頭とも連動しているため、肩こりや頭痛の原因にもなります。

食べ方に注意しましょう

何事もやり過ぎは毒です。それぞれのガムごとに設けられている一日の目安摂取量を守りましょう。またガムを同じ歯でばかり噛んでいても、その歯や歯周組織、顎関節が痛んでしまう原因となります。左右の歯でバランス良く噛むことを心がけましょう。