花粉症で歯が痛くなるのは副鼻腔炎(蓄膿症)かもしれません! | 歯医者の選び方
2018年3月2日

その歯痛、花粉症が原因で起きているかもしれません。花粉症が悪化すると、副鼻腔炎、通称蓄膿症を起こすことがあります。そしてその副鼻腔炎こそが、歯痛の原因となっている可能性があるのです。副鼻腔炎になってしまうと治療に数ヶ月かかるだけでなく、症状が重いと外科的な手術が必要となるケースもあります。また歯にも抜歯レベルの問題が起こっている可能性もあります。
歯と鼻は密接に関係しています。今回は花粉症と副鼻腔炎の関係、そして副鼻腔炎と歯痛の関係についてまとめました。副鼻腔炎の治療法についても触れています。

こんな症状に注意!

目が痒い、くしゃみが出るといった花粉症の症状の他に、歯痛をはじめとした下記のような症状がある場合には、副鼻腔炎の恐れがあります。該当するものが多いほど、疑いは大きくなります。

副鼻腔炎チェックリスト
□ 上の奥歯が痛い
□ 噛んだときに痛みや違和感がある
□ どの歯が痛いのか特定できない
□ 走ると鼻の奥に響く
□ 顔が張っている感じがする
□ 鼻水が黄色くてネバネバしている
□ 痰がよく絡む
□ 頭痛がある
□ 無自覚の口臭がある
□ 鼻が詰まっていて味がわからない

花粉症と歯痛の関係

花粉症によって慢性的に鼻詰まりを起こすと、副鼻腔炎に発展してしまうことがあります。この副鼻腔炎が歯痛を引き起こす原因となるのです。
花粉症と副鼻腔炎の関係について、そしてなぜ副鼻腔炎が歯痛を引き起こすのかを順を追って説明いたします。

花粉症と副鼻腔炎

花粉症はアレルギー性鼻炎の一つです。花粉などの抗原が鼻の粘膜の神経を刺激して、くしゃみや鼻水などを引き起こします。アレルギー性鼻炎による鼻水は、透明でサラサラしていて、鼻から自然にタラタラと垂れてくるのが特徴です。鼻から鼻水が出ることを、専門用語で前鼻漏(ぜんびろう)といいます。
副鼻腔炎は、風邪の細菌やウイルス感染によって、鼻の奥にある副鼻腔に炎症を起こす病気です。慢性化したものを蓄膿症ともいいます。ほとんどは風邪がきっかけですが、アレルギー性鼻炎の慢性化によって起こることもあります。
アレルギー性鼻炎によって繰り返し炎症を起こすと、やがて粘膜が膨張して膿の排出口を塞いでしまいます。すると副鼻腔内に膿や粘液が溜まりやすくなり、副鼻腔炎となるのです。特に花粉が多くなる時期では、花粉症と副鼻腔炎が併発することも珍しくありません。
副鼻腔炎で出る鼻水は、黄色くドロドロしています。またこのタイプは鼻づまりがひどく、喉の奥へと鼻水が流れてしまう後鼻漏(こうびろう)であることが特徴です。

花粉症(アレルギー性鼻炎) 副鼻腔炎
原因 ・花粉、ダニ、ハウスダストなどの抗原に対する過剰な免疫反応 ・細菌やウイルスによる感染
・慢性アレルギー性鼻炎
症状 ・透明でサラサラの鼻水
・鼻水が鼻から垂れる(前鼻漏)
・目のかゆみ
・くしゃみ
・黄色いドロドロの鼻水
・鼻水が喉に流れる(後鼻漏)
・歯痛や頭痛
・顔の圧迫感

花粉症なのに鼻水が黄色い場合には、合併症として副鼻腔炎を起こしている可能性があります。疑いがある場合には、細菌検査によって副鼻腔炎かどうかの診断が行われます。

副鼻腔炎で歯が痛くなる理由

副鼻腔炎による歯痛の原因は、副鼻腔と歯の位置関係にあります。
副鼻腔は、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞の4つの左右対称の空洞から構成されています。このうち一番下に位置する上顎洞は、下壁が上顎の歯根部と接しており、上顎の骨が薄い人に関しては、歯根が上顎洞を突き抜けて生えていることもあります。歯根に近い上顎洞で炎症を起こすと、溜まった膿が上顎の歯根を圧迫することがあり、これが歯痛につながります。
花粉症で上顎の歯、特に奥歯が痛くなった場合には、上顎洞炎を起こしている可能性があるのです。

歯根の炎症が原因のことも

上顎洞の炎症が歯痛を起こすのとは逆に、歯根の炎症が上顎洞炎を引き起こすこともあります。虫歯や歯周病の放置、根管治療の不備などで起こる歯根の炎症は、放置するとどんどん周囲の組織へ広がり、やがて上顎洞へと広がってしまいます。また、抜歯やインプラント治療で直接上顎洞を傷つけてしまい、炎症を起こしてしまうケースもあります。
このように歯が原因で起こる上顎洞の炎症を、歯性上顎洞炎といいます。通常、副鼻腔炎の治療は耳鼻科で行いますが、歯性上顎洞炎の場合は歯に問題があるため、歯科での治療も必要です。

歯痛が伴う副鼻腔炎の治療

歯痛が伴う副鼻腔炎において、歯が原因の歯性上顎洞炎なのか、歯には問題がない鼻性の上顎洞炎なのかは、自分では判断できません。では、花粉症で歯が痛くなった場合には、耳鼻科と歯科、どちらで治療を受ければ良いのでしょうか。
結論からいうと、どちらでも問題はありません。副鼻腔炎は歯科と耳鼻科に共通する病気なので、どちらでも診断が可能です。どちらにせよ、歯性上顎洞炎であれば歯科と耳鼻科、両方の通院が必要です。
強いていえば、歯科と耳鼻科が併設されているようなクリニックや大学病院であれば、診断や治療をスムーズに行うことができます。

鼻性の上顎洞炎

耳鼻科で治療していきます。副鼻腔炎の基本的な治療は、薬の内服、吸引器での薬剤投与、上顎洞内の洗浄です。一度の通院で治すことは難しく、治療には2~3ヶ月ほどかかります。
上記の治療で症状が改善しない場合には、狭まった膿の排出口を外科的に広げるため、内視鏡を用いた手術を行っていきます。
鼻性であれば、上顎洞炎の治療を行うことで歯痛も治まるはずです。

歯性上顎洞炎

歯科と耳鼻科での治療が必要です。上顎洞の炎症が強い場合には、まず耳鼻科での消炎が必要です。炎症が落ち着いたら、根管治療や歯根端切除術で歯根部の感染源を除去する治療が行われます。
上顎洞だけでなく他の副鼻腔にも炎症が広がってしまっているなど、口腔内の感染源の除去で改善しない場合には、耳鼻科での外科的な手術が必要となってきます。
基本的には感染源のみを取り除いて、歯を残すことを目指しますが、場合によっては抜歯を選択されることもあります。保存か抜歯かどちらが選択されるかは、歯と骨の状態、そして施術する歯科医師の専門分野も影響します。
例えば、歯内療法専門の先生であれば歯の保存を第一に考えますから、根管治療でできるだけ保存を試みようとするかもしれません。また口腔外科専門の先生であれば、抜歯によって確実に症状改善を試みるかもしれません。得意不得意は治療の選択に間違いなく影響します。
もちろん歯を残せるに越したことはありませんが、歯の保存によっていたずらに治療期間を伸ばし治療費を膨れ上がらせただけで、結局は抜歯となることもありますから、どちらの治療が良いのかは一概には判断できません。何より自分の希望に沿った治療法を行ってくれる歯科医院を見つけるのが良いでしょう。

まとめ

一見無関係に思える花粉症と歯痛ですが、実は密接に関係していることがわかりました。花粉症にせよ歯痛にせよ、悪化させると、外科手術や抜歯といった辛い治療が必要になってしまいます。無理をせず、違和感を生じたら早めに医療機関で診てもらうことをおすすめします。