「スポーツ歯科」で運動能力を上げる?アスリート必見! | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2018年3月6日

今回はスポーツに関する話題をお届けします。冬季では史上最多のメダルを獲得した平昌オリンピック。選手の歯を意識してみてみると、どの選手も歯並びがきれいであることがわかります。男子フィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生選手も、とてもきれいな(そしてかわいい)歯並びをしています。女子の坂本選手や宮原選手も過去に歯列矯正をしており、以前と比べると垢抜けた印象になっていますね。
実は、選手にとっての歯並びは、見た目だけじゃなく運動能力にも大きく関わってきます。今回はスポーツを科学する、「スポーツ歯科」という分野について紹介します。

歯がスポーツに及ぼす5つの影響

パフォーマンス向上のために歯列矯正を行うスポーツ選手は多く、特に海外のスポーツチームでは良い噛み合わせが入団の条件になっていることもあります。
歯がスポーツに与える影響について、次の5つが挙げられます。

バランス感覚

怪我をしやすい選手は、身体の使い方に悪い癖があるといいます。その悪い癖の原因の一つが、歯並びや噛み合わせの問題です。
歯の噛み合わせのバランスは、身体全体のバランスに関わります。身体のバランスを崩したまま激しい動きをすると、身体に余計な力が入り、転倒や怪我につながります。歯並びを整えることで、ズレから生じる筋肉の緊張もなくなり、本来のパフォーマンスを発揮することができます。
スポーツ選手に限らず、肩こりや頭痛に悩まされている場合には、歯列矯正が解消の鍵になるケースも珍しくありません。

瞬発力や固定力

噛みしめは歯に負担をかける行為ですが、一方で瞬間的な力の発揮に有意に作用することがわかっています。ある場所の筋肉収縮が離れた別の場所の筋力を促進する現象を「遠隔促進効果」といい、噛みしめが全身の筋肉を増幅させることも、遠隔促進効果によるものであると考えられています。
また正しい位置の噛みしめは、頭部の固定や体勢の維持にも役立ちます。アーチェリーや新体操など、照準を合わせたり、バランスを維持したりする競技では、歯の噛みしめ力が競技力の向上に繋がります。
逆にいうと、噛みしめは身体に力が入っている状態でもあるため、スピードスケードなどの素早い動きが伴う競技では足を引っ張ってしまう恐れがあります。競技によって、歯への力の入れ方も替えていく必要があるのです。

集中力

噛むという行為は、血流を促して脳を活性化させる働きがあります。集中力が高まり、正しい判断ができるようになります。 また歯科疾患は痛みが大きいため、万が一、競技中に急性の症状が出てしまえば競技の結果に支障を及ぼすこともあるでしょう。普段から歯の管理をしっかり行うことで、より集中して取り組めるようになります。

体調の管理

食事は身体づくりの要です。よく噛んで食べると、栄養が身体に吸収されやすくなり、満腹感も得られやすくなるため、効率的な食事ができます。肥満の防止にもなりますし、胃腸への負担も減らすことができます。

見た目の印象

整った歯並びと美しい歯は、万国共通で人に良い印象を与えます。選手自身も見た目に自信がついて、精神面に良い影響を与えます。また好感度が上がってファンが増えれば励みにもなりますし、スポンサーも付きます。スポンサーが付けば、広告塔として自身や競技のことを多くの人に広めることができるきっかけとなります。
直接的なスキルの向上ではありませんが、選手が有名になってたくさんの人に注目してもらうことは、今後の競技発展に繋がる大切なことです。

スポーツ歯科ではどんな治療が受けられるのか

スポーツ歯科分野を扱う医療機関は少なく、その多くは大学病院です。一般の歯科医院では、ほとんどお目にかかれないレアな分野といえるでしょう。 スポーツ歯科に関する資格には、日本体育協会と日本歯科医師会が認定しているスポーツデンティスト資格や、各都道府県歯科医師会が独自に認定しているスポーツデンティスト資格、日本スポーツ歯科医学会の認定医制度などがあります。これらの団体のページにある、一覧ページからスポーツ歯科に関する資格を持つ歯科医院を探すことができます。
では、スポーツ歯科では具体的にどのような診療が受けられるのでしょうか。簡単にまとめました。

マウスガードやフェイスガードの提供と普及

スポーツには怪我が付き物です。時にはスポーツ事故によって歯を失ってしまったり、命に関わる怪我を負ってしまったりすることもあります。
スポーツ歯科では、ボクシングなどでよく見られるマウスガードの提供を行い、選手の口内の外傷や脳震盪のリスクを減らします。その他にも、アメリカンフットボールやアイスホッケーといった接触の多い競技や、歯の噛みしめが強い競技でも活用されています。顔面の外傷を防ぐフェイスガードもあります。
マウスガード着用についての規定は競技によって様々であり、危険性がありながら義務化されていない競技もまだまだ存在します。競技の安全性を高めるためのマウスガードの普及啓発も、スポーツ歯科分野の使命の一つです。

現場でのケアや治療

地域の競技団体に所属して、選手の口腔管理を行います。オリンピックなどの大きな大会では、メディカルスタッフの一員としてチームに歯科医師や歯科衛生士が加わります。選手の口内のチェックや競技力向上のためのカウンセリング、必要に応じて治療を行います。
また、プロの選手だけでなく、地域のスポーツ愛好家や学生に対しても歯や噛み合わせのメインテナンスを行います。歯科医師として、健康維持のための生涯スポーツ活動の啓蒙にも携わっています。

研究・教育

他の専門科と同様に、スポーツと歯に関する学術的な研究やスポーツ歯科に携わる歯科医師の育成も行います。歯科学的なアプローチから、スポーツを科学的に分析して、競技力の向上を目指します。

まとめ

歯や顎の位置調整やメインテナンスは、全身の健康を守るためだけでなく、一流アスリートになるための第一歩でもあります。
近年は食生活の変化から、顎の小さい若年層が増えています。顎が小さいと歯が生えるスペースが足りずに、不正咬合を起こしてしまいます。東京オリンピックを目指す若い世代も例外ではなく、十分な歯科的サポートのためにも、今後スポーツ歯科は益々需要が高まってくるでしょう。
日本列島のスポーツ熱は高まっており、2020年の東京オリンピックにはピークを迎えるでしょう。開催国は出場枠も多く、時差や食生活の面でも有利ですから、メダル獲得数も増える傾向にあります。今から開催が楽しみですね。