ホワイトニング歯磨き粉の種類とその効果とは?プロが行うホワイトニングとの違い | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2018年4月27日

普段の歯磨きでホワイトニングができるという、ホワイトニング用の歯磨き粉はたくさん売られています。しかし一言にホワイトニングといっても複数のアプローチがあり、例えば、歯の表面の汚れを落として元の色に戻す方法、歯をツルツルにして白さを長持ちさせる方法、歯を漂白して元の歯よりも白くする方法などがあります。
市販のホワイトニング歯磨き粉も成分の違いによって様々に効果が変わります。もちろんプロのホワイトニングもそうです。 今回は、市販のホワイトニング歯磨き粉やプロが使うホワイトニング剤の種類、そしてその効果の違いについてまとめました。

市販のホワイトニング剤の種類

市販で手に入れることができるホワイトニング剤の種類を紹介します。歯磨きで使用するホワイトニング歯磨き粉やホワイトニングサロンで使用されるセルフホワイトニング剤があります。

研磨剤入のホワイトニング歯磨き粉

歯ブラシにつけて使用する、研磨剤入りの歯磨き粉です。研磨剤で磨くことで、歯の表面にこびりついた汚れを洗浄することに特化しています。タバコのヤニ汚れやコーヒーによる着色汚れに効果があります。市販のホワイトニング用歯磨き粉はほとんどこのタイプです。普通の歯磨き粉にも研磨剤は入っていますが、ホワイトニング歯磨き粉はより研磨力が強いことが特徴です。研磨力は研磨の粒が粗いほど大きくなります。
研磨成分として炭酸カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、無水ケイ酸(シリカ)、水酸化アルミニウム、ピロリン酸カルシウムなどが挙げられます。

ホワイトニング歯磨き粉には、商品ごとに適した使用頻度があります。毎日使用しても問題ないものもありますが、多くのホワイトニング歯磨き粉は研磨力が強いため、週に1~2回など使用頻度が制限されています。
使用頻度を守らずに歯を研磨しすぎると、表面に凹凸ができて汚れが付きやすくなり、着色しやすくなってしまいます。さらに表面のエナメル質が薄くなることで、内側の象牙質の色みが露見してしまうため、余計に歯が黄ばんだように見えてしまいます。研磨剤入の歯磨き剤の使いすぎはホワイトニングに逆効果です。基本的には通常の歯磨き剤と併用するのが正しい使い方です。

ホワイトニング歯磨き粉は、歯の表面の汚れには効果がありますが、歯の摩耗による黄ばみや歯そのものの変色には効果がありません。例えばタバコをよく吸う人やコーヒーや紅茶を日常的に飲む人は、ホワイトニング効果を感じやすいかもしれませんが、元の色よりも白くなることはありません

POINT:研磨剤入り歯磨き粉
歯の表面の汚れを落として元の色に戻すタイプのホワイトニング

研磨剤なしのホワイトニング歯磨き粉

歯ブラシにつけて使用する、研磨剤が入っていない歯磨き粉です。ステインに吸着して落とす、浮かせて落とす、歯の再石灰化を促して歯の傷を修復して汚れをつきにくくする、歯石やステインの沈着を防ぐ、などと謳われています。洗浄成分として、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、薬用ハイドロキシアパタイトなどが挙げられます。

ダメージの酷い歯の修復に特化しているタイプのホワイトニング歯磨き粉であり、歯をツルツルにする効果があります。刺激に弱い知覚過敏の人や、歯科医院でのホワイトニング中の人向きの歯磨き粉です。研磨成分が入っていないために歯を傷つけませんが、もともとステイン汚れが酷い歯には不向きといえます。
適度に研磨剤入りの歯磨き粉を使用したり、歯科医院でのクリーニングを受けたりする必要があります。

POINT:研磨剤なしの歯磨き粉
歯をツルツルにして白さを長持ちさせるタイプのホワイトニング

セルフホワイトニング剤

エステサロンなどで行われるセルフホワイトニングで使用されるホワイトニング剤です。医薬品でもないので、市販で手に入れることができます。歯の表面に直接塗布して、LEDライトを照射して使用します。
歯の汚れを落としやすくする効果はありますが、漂白効果はないため、元の歯の色よりも白くすることはできません。
セルフホワイトニングには、酸化チタン、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどが使用されています。

POINT:セルフホワイトニング剤
歯の表面の汚れを落として元の色に戻すタイプのホワイトニング

プロが使うホワイトニング剤の種類

人体に影響を及ぼす「医療機器」に分類される、プロが使用するホワイトニング剤です。歯科医院で行われる歯のクリーニングやホワイトニングで使用される薬剤を紹介します。

歯面研磨剤

人体への影響は少ない「一般医療機器」に分類される歯科医院専用の歯面研磨ペーストです。専用機器による歯面清掃、歯面研磨、PMTCなどで使用され、パウダー状やペースト状のものがあります。

歯面清掃用パウダーは、研磨成分を含んだ細かい粒子状の清掃剤です。エアフローという機械で水と一緒に噴射することで、ブラシでは取れない歯面の頑固な着色汚れを吹き飛ばすことができます。重炭酸ナトリウム(重曹)やグリシンなどが成分として含まれています。エアフローで大きな汚れを洗浄した後は、必ずペースト状の歯面研磨剤で表面をきれいに整えていきます。

歯面研磨用ペーストは、コントラアングルハンドピースという機器を使用した歯面の機械的清掃(研磨)に使用されます。カップ状、ブラシ状、コーン状など形状の異なるアタッチメントを付け替えることで、歯面だけでなく歯間の清掃も可能になります。また研磨成分の粒子の大きさによって研磨力が変わり、粒の粗い汚れを落とす用、粒の細かいツルツルにする仕上げ用など、製品ごとに明確に用途が定められています。無水ケイ酸、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが研磨成分として含まれています。

歯面清掃用パウダーや歯面研磨用ペーストを使用した歯面研磨は、あくまで歯の清掃なので元の歯の色よりも白くなることはありません。また歯石を除去することはできず、通常スケーリングによって歯石を除去した後に、歯面研磨が行われます。

POINT:歯面研磨剤
歯の表面の汚れを落として元の色に戻す&歯をツルツルにして白さを長持ちさせるタイプのホワイトニング

ホームホワイトニング剤

歯科医院で処方される、ホームホワイトニング用のホワイトニング剤です。マウスピースを使って、毎日一定の時間以上、歯に塗布して使用します。人体への影響が大きい「高度管理医療機器」に分類されており、医師の指導の下、扱わなければなりません。
歯を漂白する過酸化尿素を主成分としています。表面の漂白に加えて、光の屈折を利用して歯の表面構造を変える(マスキング効果)ことで、元の歯の色よりも白くすることができます

ホームホワイトニングは、初診で必ず歯のクリーニング(歯石除去と歯面研磨)を行います。汚れを取ることが目的ではないため、自宅でも歯磨きを行ってから装着する必要があります。
また歯科医院で行うオフィスホワイトニングとは異なり、一度の塗布で効果は現れません。個人差はありますが、2週間程継続して行うことで一定の効果が得られます。歯科医院で薬剤を買い足していけば、半永久的に続けることができます。

POINT:ホームホワイトニング剤
歯を漂白して元の歯よりも白くするタイプのホワイトニング

オフィスホワイトニング剤

歯科医院で行われるオフィスホワイトニング用のホワイトニング剤です。「高度管理医療機器」に分類されます。
歯の表面に塗布して、薬剤の効能を高めるためにレーザーを照射していきます。歯を白くする仕組みはホームホワイトニングと同様ですが、オフィスホワイトニングで使用している薬剤は、より漂白効果の強い過酸化水素を成分としているため、一度の塗布でもホワイトニングの効果が現れます。その分人体への刺激が強いため、施術中にしみてしまうこともあります。過酸化水素にポリリン酸ナトリウムを混ぜて成分を弱めたホワイトニング剤もあります。
ホームホワイトニングと同様、事前に歯のクリーニングで表面の汚れを落としてから行います。

POINT:ホームホワイトニング剤
歯を漂白して元の歯よりも白くするタイプのホワイトニング

【着色の原因別】ホワイトング歯磨き粉の効果

各ホワイトニング剤にどれだけ歯を白くする効果があるのか、歯の着色の原因別にまとめました。

プラーク汚れによる黄ばみ

食事のたびに生成されるプラークは、機械的な刺激を与えることで落とすことができます。歯磨き粉なしのブラッシングでも除去することができます。

歯石汚れによる黄ばみ

プラークが石灰化してできる歯石は、キュレットや超音波スケーラーという器具を使って剥がして除去していきます。歯面研磨とは別の工程であり、通常は歯面研磨の前に行われます。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)という歯周病治療の一環でもあります。

コーヒーやタバコなどによる着色

コーヒーなど色の強い飲食物による着色や、タバコのニコチン・タール汚れは、市販のホワイトニング歯磨き粉でも一定の効果は現れます。ただし歯の裏側などブラシの届きにくい部分は、汚れが残ってしまうことがあります。歯科医院の歯面研磨によってきれいに落とすことができます。

歯の摩耗による黄ばみ

エナメル質の摩耗や細かい傷による変色は、表面をツルツルにするための研磨で悪化を防ぎ、漂白によるマスキング効果によってより白くすることができます。

虫歯による変色

初期の虫歯は白く変色します。これをホワイトスポットといい、歯の表面研磨やホワイトニングによって目立たなくすることができます。またはフッ素塗布やプラークコントロールで自然に治ることもあります。
虫歯が進行すると、歯は茶色く変色します。歯面研磨やホワイトニングといった審美性を回復する治療ではなく、削って詰める虫歯治療が必要になります。

補綴物(詰め物・被せ物)の変色

詰め物や被せ物など、人工素材の劣化に伴う変色です。汚れであれば、研磨である程度落とすことはできますが、経年による腐食など素材の変質は、研磨でも漂白でも改善することはできません。新しく作り直す必要があります。

神経が死んでいる歯(失活歯)の黒ずみ

神経が死んでしまった歯は、栄養が行き渡らないために徐々に黒ずんできてしまいます。内部から起こる変色なので、表面の研磨や漂白をしてもあまり効果が現れません。
失活歯には、歯の内側から漂白するインターナルブリーチが効果的です。神経を取り除いた歯の根管内に、過硼酸ナトリウムと過酸化水素を成分としたホワイトニング剤を詰めて、内部から白くしていきます。ただし、インターナルブリーチは歯根破折や歯周組織の吸収のリスクがあるため、現在ではあまり行われません。

薬剤による変色

歯の形成期にテトラサイクリン系抗生物質の服薬があると、徐々に歯が黒ずんでいってしまうことがあります。歯の象牙質の変色なので、表面の研磨は全く意味がありませんが、漂白によるマスキング効果である程度は白くすることができます。

研磨剤入り歯磨き粉 研磨剤無し歯磨き粉 セルフホワイトニング剤 歯面研磨剤 ホームホワイトニング剤 オフィスホワイトニング剤
プラーク 〇※ 〇※
歯石 × × × × 〇※ 〇※
ステイン 〇※ 〇※
摩耗 × ×
虫歯
(白)
× × ×
虫歯
(茶)
× × × × × ×
補綴物 × × × × × ×
失活歯 × × × ×
薬剤 × × × ×
※ホワイトニング前に行う歯のクリーニング(歯石除去と歯面研磨)効果によるもの