インプラントに禁忌の歯磨き粉や歯ブラシとは?長持ちさせたい人必見 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2018年6月6日

インプラントを長持ちさせるためには、歯科医院でのメインテナンスだけではなく自宅でのセルフケアも欠かせません。自宅でできるセルフケアとして、歯磨き、デンタルフロス、洗口液の使用などがありますが、インプラント用に新たに揃えた人もいるかと思います。
実は、インプラントユーザーが絶対に使ってはいけない歯磨き粉があるのをご存知ですか?今回は、インプラントを入れている人が知っておくべき、インプラントを長持ちさせる歯磨き粉や歯ブラシを紹介します。インプラントユーザーの大敵、インプラント周囲炎を防ぐためにも、自分に最適の歯磨き粉や歯ブラシを知りましょう!

インプラントに禁忌の歯磨き成分とは?

インプラントは、骨にチタンを埋め込んで土台とし、その上から人工歯を被せて欠損歯を補う治療方法です。インプラントは人工歯なので虫歯になることはありませんが、歯肉に炎症を起こすインプラント周囲炎という歯周トラブルを起こします。インプラント周囲炎になると、インプラントの周囲の骨が吸収されてしまい、土台から抜け落ちてしまう原因となります。
そんなインプラント周囲炎を防ぐためには歯磨きが重要になってくるのですが、歯磨きに使用する歯磨き粉にも様々あります。インプラントであるがゆえの、選ぶ際に気をつけた方がよい成分は下記の通りです。

研磨剤入り

インプラントは一生モノといいますが、歯ブラシの機械的刺激だけでも毎日少しずつ傷付いていってしまいます。研磨剤入り歯磨き粉の使用は、インプラントの劣化をさらに早めることになります。表面が削られるとプラーク汚れが付きやすくなるため、インプラント周囲炎のリスクも大きくなります。
インプラントを長持ちさせるためにも、インプラント部分を避けて使用するか、研磨剤が入っていない歯磨き粉を選んで使用した方がよいでしょう。

顆粒入り

マイクロビーズなどのスクラブ剤入りの歯磨き粉は、インプラントと歯肉の間に粒が入り込み、歯肉に炎症を起こす原因となります。歯肉の中で自然に溶けてなくなることはありませんので、歯科医院で取り除いてもらう必要があります。場合によっては麻酔が伴う治療になることもあります。インプラントに限らずインレーやクラウン、ブリッジなどの補綴物全般に禁忌です。
また天然の歯への使用もおすすめできません。粒が歯肉の間に入り込んでしまい、歯周病を起こしてしまう可能性があるからです。

海洋汚染を起こすマイクロビーズ
マイクロビーズは歯磨き粉だけでなく洗顔料など多くの商品に使われていますが、近年「見えないゴミ」として世界的な環境問題に発展しています。マイクロビーズは微細なプラスチックです。家庭から出たマイクロビーズは下水処理では完全に取り除くことができず、海へと流れ出てしまうのです。それを海洋生物が取り込んでしまい、人間含めた生態系に悪影響を及ぼします。日本国内でも、大手メーカーが代替え素材に置き換えるなど、脱マイクロビーズ対策が進んでいます。

高濃度のフッ素

歯科医院でのフッ素塗布に使用されるような、高濃度(9,000ppm)の酸性フッ化物は、インプラントに使われているチタンを腐らせてしまう恐れがあります。フッ素塗布は虫歯予防に有効ですが、インプラント患者に禁忌とされているのはこのためです。
チタンは生体親和性に優れた物質ですが、酸性フッ化物によって腐食すると免疫反応が起こり、歯肉の炎症を誘発することがわかっています。また腐食するとインプラントの表面がザラザラとしますので、細菌が付着しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
ただし歯磨き粉に使用されるのは、1,500ppm以下のフッ素濃度であり、口内では唾液と中和されてさらに濃度が低くなります。フッ素入り歯磨き粉がチタンを腐らせるということは考えにくい、というのが多くの学会の見解となっています。
むしろフッ素には虫歯を予防する抗菌効果があるため、天然の歯が多く残っているのであれば積極的に使ったほうがよいでしょう。
どうしてもインプラントへの影響が気になるようであれば、先に天然歯を磨いてからインプラントの歯を磨くことで、フッ素を薄めることができます。

インプラント向きでない歯ブラシとは?

歯ブラシの場合、歯磨き成分のように明らかに禁忌といえるような特徴はありません。歯科医師の考え方によって様々です。歯ブラシに関する研究は歯科メーカーが関わっていることが多く、特定の商品に焦点を当てたものばかりです。
そこで、禁忌ではありませんが一般的に良くないとされている歯ブラシの種類を紹介します。

極細毛(テーパード)

ブラシの先端が細くなっているタイプ(テーパードタイプ)の歯ブラシは、インプラントの根の部分や歯茎を傷つける恐れがあります。テーパードタイプの歯ブラシは歯周ポケットの中を磨くのに適している、という意見もありますが、歯周ポケットの中の汚れは、歯科医院で使われる専門の器具でしか落とせないと考えてください。
先端が丸くなっているラウンドカットタイプの歯ブラシで優しく磨きましょう。

硬め

硬いブラシは、天然の歯やインプラント、歯茎を傷つけてしまいます。刺激が強いため、磨く時間も短時間になりがちです。その人の力加減にもよりますが、普通~柔らかめで丁寧に磨くのがよいでしょう。

おすすめの歯磨き粉や歯ブラシとは?

インプラントを入れている人に向いている歯磨き粉は、研磨剤や顆粒成分が含まれていないものです。天然歯が残っているようであれば、フッ素入りのものを選ぶと虫歯予防になります。逆に一本も残っていないのであればフッ素が入っていなくてもよいでしょう。
歯ブラシについては、ズバリ、インプラント治療を受けた歯科医院の先生がおすすめする歯ブラシです。歯茎の状態や歯並びも人それぞれですし、磨き方の癖もあるはずです。さらに歯科医院によって使用しているインプラントの種類も異なりますので、適した歯ブラシも様々でしょう。

歯科メーカーからインプラント用の歯ブラシが発売されていますが、あくまで商品戦略の一つに過ぎません。値段も少しお高めに設定されていることが多いため、定期的に買い換えることを考えるとコストパフォーマンスがよいとはいえません。
使ってみて明らかに全然違う!ということであればよいかもしれませんが、基本的にはどの歯ブラシを使うかはさほど重要ではありません。どの歯ブラシを使うかよりも、どのように歯磨きをするかの方が大切です。歯磨きの仕方は、インプラントのメインテナンスの一環として、必ず歯科衛生士から指導を受けるはずです。
インプラント治療は、インプラントを入れてはい終わり、ではありません。定期的なメインテナンスやセルフケアの指導までが一連の治療だと考えてください。家庭でどの歯磨き粉や歯ブラシを使ったらよいかわからなければ、歯科医師や歯科衛生士に聞いてみるのが一番です。