ブラックトライアングルを改善する5つの治療法。矯正を後悔したくない! | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2018年6月13日

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間にできる黒い三角形の隙間のことをいいます。歯周病治療や矯正治療をきっかけにできてしまうこともあり、多くの人を悩ませる問題です。
「こんなことなら治療しなきゃよかった」とならないように、今回はブラックトライアングルを改善する5つの治療方法について紹介します。

ブラックトライアングルとは

ブラックトライアングルとは、歯と歯の間の三角形の歯肉部分(歯間乳頭)が退縮することでできる隙間のことをいいます。歯と歯の間にできる隙間が三角形の黒い影に見えることから、ブラックトライアングルと呼ばれるのです。
ブラックトライアングルは、次の3つの問題を引き起こします。

見た目が悪くなる

ブラックトライアングルの一番の問題は、歯の汚れや虫歯に見間違われてしまうという審美的な障害です。大きく口を開けたときや笑ったときに目立つため、大きなストレスとなってしまいます。

食べ物が挟まりやすくなる

歯と歯の間の隙間に食べかすが挟まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

発音に支障がでる

歯の隙間が大きいと、発音したときに空気が漏れて会話に支障を及ぼすこともあります。

ブラックトライアングルの原因

ブラックトライアングルは、下記のような様々な原因によって歯間乳頭が失われることで形成されます。

歯周病

ブラックトライアングルが起こるもっともポピュラーな原因は、歯周病です。歯周病治療によって腫れていた歯肉が引き締まると、歯根部が露出しブラックトライアングルが形成されます。重度歯周病治療で行われる歯周外科手術も、歯間乳頭を失う原因になります。

咬合性外傷

咬合性外傷とは、正常な範囲を超えた咬合力によって、歯を支える歯槽骨が吸収されてしまうことをいいます。歯槽骨がなくなると歯肉も退縮してブラックトライアングルが形成されます。
咬合性外傷の原因は、噛み締め・食いしばりなどのブラキシズムや噛み合わせのズレです。

歯間ブラシの刺激

歯肉退縮は、歯ブラシの刺激でも起こります。毎日、大きすぎる歯間ブラシなどで無理に歯間部分をこすってしまうと、歯間乳頭を傷つけてブラックトライアングルを作ってしまいます。

歯列矯正

歯列矯正をすると、ブラックトライアングルができてしまうことがあります。特に歯列が凸凹している叢生という不正咬合を矯正したときにできやすく、歯を動かした先に歯茎(骨)がないことが原因で起きてしまいます。
若いときには顎骨の拡大を行いながら矯正ができましたが、年をとると歯の動きに歯茎の修復が追いつかなくなってしまうためにスカスカになってしまうのです。ブラックトライアングルは大人の矯正で起こりやすいトラブルといえます。もちろん生まれつきの歯茎の厚さも影響してきます。

補綴物の不適合

クラウンやブリッジ、インプラントなどの補綴物の形状の問題でもブラックトライアングルは形成されます。より自然な歯列に近づけるためには、歯肉の形状まで意識した補綴物を入れる必要があります。

歯の欠損

歯間の虫歯や外傷などで歯が欠けてしまうことも、ブラックトライアングルの原因の一つです。

ブラックトライアングルの5つの治療法

ブラックトライアングルを治療するには、原因の除去と、審美的な回復が必要になります。原因の除去については、歯周病の治療や噛み合わせの調整などが挙げられますが、ここでは審美的な回復方法をメインに紹介します。
ブラックトライアングルは、理論上、コンタクトポイントという歯と歯の接触部と歯槽骨頂までの距離を5mm以下にすることで改善できることがわかっています。具体的には次のような方法があります。なおブラックトライアングルは審美的な治療のため、すべて自費診療となります。

歯肉の自然治癒(クリーピング)を期待する

患者の年齢が若く、ブラッシングでの改善が可能な軽度歯周病の場合には、歯肉の自然回復(クリーピングといいます)が期待できます。

ダイレクトボンディング法

歯間に直接レジンを盛って隙間を埋めていく、ダイレクトボンディング法があります。一番手軽にブラックトライアングルをなくすことができる方法です。
ただしレジンの盛り方によっては歯間の清掃性が悪くなってしまう可能性もあるので、治療の選択には慎重な判断が必要です。歯周病患者との相性は悪いでしょう。歯科医師の技術次第で成否が別れる方法ともいえます。

補綴物の調整

クラウンなどの補綴物の形状を工夫して、コンタクトポイントが5mm以下になるように調整し、ブラックトライアングルをなくす方法(ハーフポンティック)があります。またはラミネートベニアという薄いチップを歯に貼り付けて、隙間をなくしてしまうこともできます。ただしいずれも歯を削る必要がある治療法です。
欠損歯の場合には、ブリッジのダミー歯部分の底を卵型にして歯間乳頭を擬似的に作る、オベイトポンティックという方法もあります。

外科処置(歯肉再生術)

口内の別の組織を移植して、歯間乳頭を修復する外科手術もあります。歯肉の切開が必要な侵襲性の高い手術であることと、ブラックトライアングルを作ってしまった原因を解消しないと再度繰り返してしまう恐れがあることに注意が必要です。

IPR矯正(ディスキング、ストリッピング)

歯の側面のエナメル質を薄く削ってスペースを作り、歯を動かして隙間をピッタリ埋める矯正を、IPR矯正、またはディスキングやストリッピングといいます。抜歯は不要な程度で歯を動かすスペースが足りなかったり、ブラックトライアングルをなくしたりする際に用いられる方法です。もともと歯の小さい人はできない治療法です。
薄くとはいえエナメル質を削るため、知覚過敏を起こすリスクがあります。ホワイトニングなど歯への刺激が強い治療をするときには、ひどくしみてしまうかもしれません。

まとめ

ブラックトライアングルはあくまで審美上の問題であり、直ちに健康に影響を及ぼすようなものではありません。むしろ歯周病治療が功を奏したから、または矯正で歯が正しい位置になったからできたものであり、なるべくしてなったともいうことができます。ブラックトライアングルの治療のためにレジンを盛ったり歯を削ったりすることで、別の問題が発生する可能性もあります。
しかしブラックトライアングルを気にするあまり、精神的に病んでしまう人も中にはいます。治療を受けることで得られるメリットが大きい人は治療するべきです。
まずは歯科医師とよく相談してみて、自身のメリットとデメリットを天秤にかけた上で治療を進めてくださいね。