一部認められている?歯科における混合診療とは | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年2月7日

TPP協定で話題となった混合診療の解禁ですが、医療の業界では医療費の高騰、国民皆保険の崩壊など様々な問題が叫ばれています。歯科業界においても例外ではなく混合診療の解禁による影響を受けるとされています。そもそも混合診療とは何なのか、なぜ禁止されていて、解禁となった場合どのようなことが起きるのでしょうか。

混合診療

混合診療とは

混合診療とは、ある疾患の一連の治療において保険内診療と保険外診療が組み合わさった診療のことを言います。日本では一部の場合を除き、この混合診療が禁止されているのです。
例えば一回の治療の中で抜歯からのインプラント治療を行う場合、抜歯自体は保険治療内の診療科目ですが、インプラントは保険外診療のため、抜歯含めた一連の治療費はすべて自由診療扱い(10割負担)になってしまいます。
つまりある疾患の治療において、すべてを保険適用内の診療とするためには一貫して保険診療の治療内容でなくてはならず、自費診療を交えた場合は遡ってすべての費用を自己負担としなければならないのです。

歯科では混合診療が認められている?

原則として医療業界では混合診療は認められていませんが、例外として一定の条件において認められる保険外併用療養制度があります。特に治療法が多岐にわたる歯科業界では、下記の場合のみ例外的に保険内診療と保険外診療の併用が認められています。

保険外併用療養費

保険内の修復・補綴治療において、前歯や総義歯の土台部分には保険外の金属材質が使えます。保険内の材質と保険外の材料との差額を自己負担とすることで、併用が認められます。予約診療、時間外診療、小児へのフッ素塗布・シーラントなども認められています。
また、先進医療として認められている医療技術(エムドゲインなど)についても、特定の医療施設であれば保険診療との併用が認められます。

歯科通知文

虫歯治療後の充填や歯の欠損を補綴する場合、患者の希望があれば保険外の材質を選択することができます。例えば虫歯除去までを保険診療とし、以降の充填などの歯の修復についてはセラミックなどの保険外の材質を選択することができます。

混合診療が解禁されたら何が起こるか(メリット)

自費診療を受けた場合でも、保険適用分の診療は3割負担で抑えられるため、自己負担費用が抑えられます。より多くの治療法を受けられる可能性が広がります。

混合診療が解禁されたら何が起こるか(デメリット)

混合診療が解禁されることにより、今後保険診療になりうる薬や治療法がいつになっても保険の対象とならない可能性があります。本来、保険外の高額な薬や治療法は、多くの人に使ってもらうために時間をかけて安全性や有効性の確認が行われ、保険適用が認められます。しかし混合診療が解禁されることで広く使われる可能性が高まり、保険適用へ移行させる努力が失われてしまう可能性があるのです。
結果的に自己負担分が増え、貧富の差による医療格差が生まれます。これでは国民皆保険の存在意義が問われてしまいます。また自由診療が広く浸透することによって、安全性の保証が十分になされていないような診療が蔓延する恐れがあります。

まとめ

歯科診療では、歯の修復など一部の場合において混合診療が認められていますが、保険外の高度な治療を受けるためにはやはり金銭的な負担が大きくなります。混合診療の全面解禁は治療の選択肢が広まる一方、将来的に保険診療として受診できるかもしれない医療の保険範囲の拡充を妨げる要因となるのです。