インプラントが抜け落ちてしまう「インプラント周囲炎」とは? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年2月16日

近年インプラントによる治療が増えてきました。同時にインプラントにまつわるトラブルとして増えているのが、インプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎とは、インプラント周囲に炎症が起き歯肉や骨が溶けてしまう病気です。最終的にはインプラントが抜け落ちてしまい、インプラントを入れられなくなってしまいます。

せっかく高価な費用と労力をかけて入れたインプラント。インプラント周囲炎はなぜ起きてしまうのでしょうか、そして予防する手立てはあるのでしょうか。

危険

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎を引き起こすのは歯周病菌です。口内の常在菌である歯周病菌が何らかの原因で繁殖し、歯肉に炎症を起こし、インプラント支える骨を溶かしていってしまいます。インプラントがグラついたり、抜けてしまったりします。
インプラントは人工物であり神経が通っていないため、痛みなどの症状が出にくく炎症を起こしていることに中々気づけないことに特徴があります。さらに通常の歯周病よりも進行が早いので、気づいたときには手遅れなんてこともあります。

インプラント周囲炎の3つの原因

インプラント周囲炎の多くは、もともと抜歯となった原因が関係しています。つまり何らかの問題があって抜歯した場合、インプラントを入れても再び同じことが起きてしまう可能性があるのです。

歯周病患者によるインプラント

もともと歯周病によって歯を失った人が、歯周病の治療が不十分なままインプラント治療に入ってしまうと起きてしまいます。通常歯周病患者に対するインプラントは、治癒状態や安定期に入ってからでないと治療を開始することはありません。インプラントの施術が増えている一方で、適切な診断が行われないままの、むやみやたらな治療が増えているのも事実です。

歯ぎしり(ブラキシズム)

もともと歯ぎしりの癖がある場合、インプラントを入れても同じように歯ぎしりをしてしまいます。歯ぎしりによってインプラントに力がかかり、骨の吸収が進んでしまいます。

インプラントのメインテナンス不足

インプラント治療後は定期的な通院が必要です。インプラントや義歯には虫歯ができないからといって、ブラッシングや定期的な通院を怠ると、歯茎にプラークが溜まり、やがて歯周ポケットがインプラント部分にまで広がってしまいます。インプラントは天然歯と違い歯槽骨(歯の土台となる骨)むき出しの状態で埋まっているため、周囲組織は細菌が感染しやすくなっています。そのため、プラークがインプラント部分に付着してしまうと急速に歯周病菌が繁殖してしまうのです。

インプラント周囲炎の治療について

インプラント周囲炎の治療は、進行の段階によって変わってきます。自然治癒することはありませんので歯科医院での治療が必要です。

インプラント周囲粘膜炎

歯茎の腫れや出血など歯周病初期と同じ症状が見られます。歯周ポケットの清掃を行なったり、抗生剤を塗布したり服用したりします。

インプラント周囲炎

歯周ポケットから膿の排出が見られます。この段階になると、治療には外科手術が伴ってしまいます。歯肉を切り開きインプラントの表面の清掃を行ったり、感染した歯周ポケットの切除を行います。骨の再生手術が必要であれば行います。

重度のインプラント周囲炎

骨の吸収が激しくなると、インプラントを撤去しなければいけません。自然と抜け落ちることもあります。インプラント撤去後は、骨の再生手術を行い、再びインプラントを入れることも可能です。しかし根本的な原因を治さないとまた同じことが起きてしまいます。

インプラント周囲炎の3つの予防法

インプラント周囲炎は将来的に周囲の健康な歯にも悪影響を及ぼします。インプラントを入れた後は長期的な予防診療が必要です。

口内環境を清潔に保つ

歯科医師から指導を受けるなどして適切なブラッシングを行い、プラークをしっかり除去しましょう。

定期的なメインテナンス

インプラントは、術後の定期的なメインテナンスが必須となります。歯科医院での歯の清掃は、普段のブラッシングでは取れないプラークや歯石を落とすことができます。またインプラントの脱落や故障など、術後の保証期間を設けている歯科医院も多くあります。

喫煙を控える

喫煙は歯周病を悪化させる原因となります。喫煙によってプラークがつきやすい、唾液が減りプラークが増えやすい、血管収縮が起き炎症が起きにくい(気づかない)状態になり、インプラント周囲炎も進行してしまいます。

まとめ

インプラント治療は誰でも行えるわけではなく、治療の前には、歯周病やブラキシズムなどの口内の問題を解決する必要があります。不適合者へのむやみな治療は、施術箇所の歯周組織だけでなく、周囲の健康な歯にまで悪い影響を及ぼします。
また、インプラントによって天然の歯と遜色ない見た目と機能を手に入れることができますが、長年保つためには術後のメインテナンスが欠かせません。メインテナンスができない人はインプラント治療を行うべきではないでしょう。
後悔しないためにも、術前の口内環境づくりから術後のフォローまで、トータルで行ってくれるような歯科医院で診療を受けましょう。