歯科医師と歯学博士の違い|学術のドクター | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年4月6日

「歯学博士」という肩書をもつ歯科医師を見かけたことはありますか?博士号は学術的に名誉のある称号ですが、歯科医師が持っていることにどのような意味があるのでしょうか。また、逆に持っていない歯科医師とは何か違う点があるのでしょうか。
歯学博士号を持っている歯科医師と、持っていない歯科医師との違いについてまとめました。

歯学博士

歯学博士は学位の一つ

博士は、大学によって認められる学位の一つです。学位とは、一定の教育課程を履修し試験に合格したり、学術的に価値のある研究論文を発表したりすることで与えられる称号です。
学位には4年制大学で与えられる「学士」、大学院前期2年で得られる「修士」、さらに院後期3年で与えられる「博士」などがあります。歯学の場合は6年制大学で「学士」、4年制の大学院で「博士」取得という流れになります。
博士号はドクターとも呼ばれますが、医師免許とは別のものです。歯学博士号を取得したからといって必ず歯科医師になるわけではなく、大学に残って教員になる人もいれば、企業の研究施設に就職する人もいます。
なお1991年の学校教育法改正以降は、博士(歯学)という学位名に変更していますが、歯学博士とほぼ同じです。

歯学博士号を取得するには

歯科の博士号には甲乙の2種類が存在します。一つ目は大学の歯学部を卒業後、大学院の歯学部歯学研究科に在籍し、すべての課程を修了することで取得する方法です。二つ目は大学院には在籍せずに、学術的価値のある論文を提出することで取得する方法です。
過程を修了して取得した博士号を「甲:課程博士(コースドクター)」、論文によって認められた博士を「乙:論文博士(ペーパードクター)」といいます。
博士課程修了によって博士号を取る人は、20代後半まで学生であるリスクを取ってでも、研究を続けたいと考える根っからの研究者的な気質があるといえます。一方論文博士は、歯科医師になり働きながら学術的な功績を収めたいという社会人型の研究者といえます。

歯科医師は職種の一つ

歯科医師は、国家試験により歯科医師免許を取得した人のことを言います。 歯科医師の国家試験受験のためには、大学歯学部を修了することで得られる「学士」の取得が必要となりますので、歯科医師は全員「学士」の学位は持っていることになります。しかし大学院での博士号については国家試験とは関係ありませんので、博士号を取得せずにすぐ歯科医師になる人もいれば、そのまま大学に残って博士号を取得したあと歯科医師になる人もいます。

歯学博士という肩書の意味

博士課程では、予防歯科、口腔外科、歯科矯正学、歯科補綴学、歯学麻酔科などの専門に分かれて研究を行うことになります。そのため、特に課程博士を取得している歯科医師は、専門分野について少なくとも4年間は学んでいることになりますので学術的な知識に長けているといえます。
また論文博士についても論文の功績がありますので、学術的な実績があることの証明になります。その論文についても、歯科医師としての長年の臨床経験の集大成ともいえるレベルでないと認められませんので、臨床と学術のどちらの実績もあるということになります。

博士号を持っていない歯科医師との違いは?

一般的に、博士号を持つ歯科医師は専門性に特化していて学術的な実績があるといえます。また歯科医師全体の1割程度しかいない希少価値のある称号であるともいえます。
博士号を取得していない歯科医師だからといって知識が劣っているわけではありません。課程博士と比べれば4年早く臨床の場に出ているわけですから、その分実践経験があります。論文は書けても経営に向いていない、実践経験が浅い、患者とコミュニケーションが取れない、なんてことがあれば歯科医師として有能であるとはいえません。
論文博士についても、連名により棚ぼた的に取得した人もいるかもしれません。
学術的な知識と腕の良さはまた別の問題と考えてよさそうです。博士号を取得している歯科医師は、専門的に研究している分野があり、学術的な知識がある歯科医師という認識で間違いはありませんが、博士号を持っているからといって持っていない歯科医師よりも腕が良いわけでもないし、逆もまたしかりです。