歯を削るvs削らないはあなた次第 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年5月3日

「できるだけ削らない治療」というコンセプトの歯科医院が増えており、それに魅力を感じている方も多いのではないでしょうか。一度削った歯は二度と再生しませんので、歯を削るかの判断はその歯の一生を左右するものとなります。
削らない方が良いに越したことはありませんが、時には削ったほうがよいと判断されるケースもあります。その判断材料となるのは、歯の症状だけでなく、歯の持ち主であるあなたの意識も大きく関わってくるのです。

削る

削らない方が良いと判断されるのは?

下記の条件が揃っているほど、虫歯を削らない方が良いと判断されることが多くなります。

初期虫歯

表面のエナメル質にできた初期の虫歯であれば、削らずに経過観察と判断する歯科医師が大半です。エナメル質では歯の溶け出した組織を再形成する再石灰化が行われるため、患部を清潔に保つことができれば虫歯の進行を抑えることができます。
エナメル質は天然の要塞のようなものなので、虫歯と一緒に削ってしまうと歯の防御力が下がってしまいます。一度削って被せた歯は中に虫歯を作りやすく、エナメル質に守られていない深い場所での虫歯は進行も早くなります。初期虫歯を削るとかえって虫歯を重症化させてしまうのです。

定期的に通っている患者である

経過観察=放置ではありません。定期的に虫歯の様子を確認できる状況であればあるほど、経過観察と判断される可能性は高くなります。削らないという判断には歯科医師の責任が伴います。虫歯をそのままにすることで悪化させてしまう恐れがあるからです。次回もまた通ってくれるという保証があるからこそできる判断なのです。顔なじみの患者とかかりつけの歯科医院という関係であれば、削らない治療が実現となります。

セルフケアがしっかりできている患者である

歯磨きなどのセルフケアがしっかりとできている患者であれば、経過観察でも問題ないと判断されます。初期虫歯の進行を抑えるには、患者自身の努力が必要不可欠だからです。

削った方が良いと判断されるのは?

逆に削った方が良いと判断さるのは、下記の場合です。大抵の場合条件が共通しています。

C2以降の虫歯

エナメル質よりも深い象牙質や神経に達している虫歯は、自然治癒も望めないために削った方が良いと判断されます。しみる、痛むなどの症状も出てきているため、虫歯を除去して修復剤で埋める必要があります。

初診患者である

今後通院してくれる保証がないような初診患者の場合には、一度の処置で終わらせたほうが良いと判断されることがあります。経過観察と次回の来院はセットです。しかしそれが叶わずに半年間放置した結果、経過観察とした虫歯が深く進行してしまう可能性もあります。「なぜ小さな虫歯の時に治療してくれなかったんだ」という患者の不信感も生まれかねません。

完結型治療を望む患者である

一つの歯科医院に定期的に通う習慣がなく、悪くなった時にだけ来院したいタイプの患者の場合には、一度で処置を終えた方が都合の良いケースもあります。患者のニーズによって判断されることもあります。

セルフケアが出来ていない患者

セルフケアができていない、指導によっても改善が難しい患者の場合には、虫歯を悪化させる恐れがあるため削る判断をすることが多くなります。

歯科医師と患者の関係性

削らない治療は、歯科医師と患者の信頼関係によって成り立つものです。「この先生の言うことだから大丈夫」という患者の信頼と、「この患者さんであればケアを怠らないから大丈夫」という歯科医師の信頼が不可欠です。
そして良い歯科医院に巡り合うことができたとしても、患者であるあなたの努力なしには良い診療を受けることができません。より理想的な歯科医療は、歯科医院と患者の双方の努力によって実現するのです。