すきっ歯の原因と治療法 自力で治すのは可能? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年7月24日

みなさんは、すきっ歯にどのようなイメージをお持ちですか?
日本では、すきっ歯をコンプレックスとしている人は多くいるかと思います。前歯のすきっ歯は、接客業では好ましくないとされますし、写真を撮る時にもおもいきり笑えないなど日常生活に支障をきたすこともあります。
しかし所変わってフランスの場合、すきっ歯はその隙間から幸運を招くとされており、むしろチャームポイントとなっています。
また日本では八重歯がかわいいと言われており、八重歯の芸能人も多く、付け八重歯専用チップなどが販売されていたりもしますが、欧米だとドラキュラや悪魔が連想されることから嫌悪されています。すきっ歯にしろ八重歯にしろ、文化の違いによって抱かれるイメージは全く異なってくるのです。
とはいえ、日本に住んでいる以上はどうしても気になってしまう、すきっ歯の原因や治療法、見た目の改善だけじゃない治したほうが良い理由について調べてみました。

すきっ歯

すきっ歯とは

いわゆるすきっ歯は、専門的には空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれています。歯と歯の間に隙間がある歯並びのことです。特に前歯の中心に隙間がある歯並びを、歯科では正中離開(せいちゅうりかい)とも言います。

すきっ歯の3つの原因

すきっ歯はなぜ生じてしまうのでしょうか。理由として、生まれつき、習慣によるもの、口内疾患が原因のものの3つが挙げられます。下記で詳細に説明します。

生まれつき

生えてきた歯が小さい、生えてきた歯の本数が足りていない、顎と歯の大きさのバランスがとれていない、遺伝、などの理由で、先天的にすきっ歯となってしまうケースがあります。

習慣によるもの

悪い習慣によって、後天的にすきっ歯を生み出してしまうこともあります。具体的には次の3つの習慣が挙げられます。

①頬杖
一番多いのは、頻繁に頬杖をつく癖がある場合です。偏った圧力により骨格が歪むと、奥歯の噛み合わせがズレてすきっ歯になってしまう可能性があります。特に子供は顎の発達に影響するため、顕著に現れてしまいます。
また足を組むのと同じように、頬杖によって姿勢にも悪影響を与える恐れがあります。

②寝る向き
うつ伏せや横向きで寝る人は、顎に偏った圧力がかかるため骨格や歯並びが歪みすきっ歯になってしまいます。心当たりがあれば、布団やベッド、枕などの寝具を整えるなど、仰向けで寝る癖をつけるための対策をした方がよいかもしれません。

③舌で前歯を押す癖
舌で前歯を押す癖がある人はすきっ歯になる可能性があります。無意識のうちに継続的な圧力をかけてしまい、前歯が少しずつ開いてしまうのです。
子供の頃の指しゃぶりを止める時期が遅いと、舌を押す癖がついてしまいます。

虫歯や歯周病

虫歯で歯が溶かされて隙間が出来たり、歯周病で歯茎の後退が進んで隙間が出来たりします。また、虫歯や歯周病で奥歯を失い、歯が動いてしまうことでもすきっ歯となってしまいます。

すきっ歯を治した方がいい3つの理由

多くの歯科医師が治療を勧めるすきっ歯は、見た目だけではなく口腔機能全体に悪い影響を及ぼします。

虫歯や歯周病になりやすい

すきっ歯は歯と歯の間に食べかすが挟まりやすく、口内の清掃性が低くなるため、普通の歯よりも虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

発音がしにくい

すきっ歯だと歯の隙間から空気が抜けてしまうために、サ行など発音がしにくい言葉が出てきてしまいます。

噛み合わせが悪くなる

すきっ歯といえば前歯ですが、歯の本数が少ない場合には、歯列全体がすきっ歯になってしまうことがあります。特に奥歯のすきっ歯は、上下の歯がうまく噛み合わずに、食べ物が食べられないということも起きてしまいます。顎への負担も大きく顎関節症になってしまう可能性もあります。

すきっ歯を治す5つの治療方法

すきっ歯の治療にも、短期間で治したい、審美性を高めたい、歯に負担をかけたくないなど、患者さんの希望によっていくつか方法があります。症状によって、できるできないがありますのでご注意ください。

ダイレクトボンディング

即日治療が可能なのがダイレクトボンディングです。治療期間が短いため、近年人気の治療法となっています。
歯科用のプラスチック素材のレジンや、レジンとセラミックを混ぜた素材であるハイブリッドセラミックで、歯の隙間に直接白い詰め物をしていきます。形を整えるために歯を削ることもありますが、削る量は僅かなので、歯へのダメージが少なくて済むのが特徴です。すり減った部分や局所的な変色を改善するのにも用いられる方法です。
また、金属を使用しない治療なので金属アレルギーの方も安心して治療を受けることができます。
デメリットは耐久性の低さと汚れのつきやすさです。特にレジンは歯よりも柔らかく、欠けたり折れたりするリスクがあります。経年劣化しやすく、繰り返し治療を行う必要があります。
一方、保険外素材ということもあって、審美性耐久性ともにハイブリッドセラミックの方が優れていますが、プラスチック素材が含まれているため、やはり天然歯と比べると、摩耗しやすかったり変色しやすかったりします。

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、歯の隙間の長さによっては2回ほどの通院で治療が完了します。歯の表面を僅かに削り、薄いセラミックの人工歯を被せて歯の隙間を目立たなくする治療方法です。貼り付ける人工歯の種類によって、歯の形や大きさを自由に整えることもできます。
ラミネートベニアではセラミックを使用しているため、レジンが含まれたダイレクトボンディングよりも変色しにくく、耐久性が高い点がメリットです。また麻酔が必要ないほど、痛みもなく治療ができます。
ただし天然の歯を削らなければならないため、できるだけ削りたくない低侵襲の診療を希望している場合には、向いていない治療法であるといえます。

オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンは、歯にセラミッククラウンを被せる治療方法です。歯と歯の隙間が大きい場合、ダイレクトボンディングやラミネートベニアでは対応出来ないため、オールセラミッククラウンでの治療が有効です。また虫歯などで歯が大きく欠けている場合でも、オールセラミッククラウンであれば適応可能です。
治療に要する期間は数週間から数ヶ月と、ダイレクトボンディング、ラミネートベニアよりも長期になりますが、矯正に比べると短期間での治療が可能です。仮歯の着用もするので、治療中の審美性も気になりません。
ただし全体の噛み合わせの調整が必要な場合には、矯正治療も併用して行われることがあります。また、セラミックと周囲の歯の色を合わせるためにホワイトニングも同時に行われることが多い治療法です。
デメリットは、クラウンを装着するために大きく歯を削る必要があるということです。クラウンの不適合によって、二次カリエスのリスクもあります。

ワイヤー矯正

歯に矯正装置を装着し、ワイヤーで歯の位置を少しずつ移動させることで隙間をなくしていく治療方法です。すきっ歯の隙間が大きい場合でも対応出来ます。また歯列全体の噛み合わせのバランスを考えて治療ができるため、審美性だけでなく口腔機能の回復も望めます。
ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、オールセラミッククラウンと比較すると治療期間は長く、治療中に矯正器具を付けなければいけない点でデメリットです。口腔内の清掃性が低くなるため、虫歯のリスクが高まります。
期間としては、早ければ2~3ヶ月程度ですが、すきっ歯や周囲の歯の状態によっては1年以上要することもあります。また、歯並びによっては抜歯が伴うケースもあります。
補助として、マウスピース矯正を併用することもあります。

マウスピース矯正

すきっ歯を削らずに治療したいものの、ワイヤー矯正は装置が目立つから嫌だという人におすすめの方法がマウスピース矯正です。
取り外し可能な透明の目立たないマウスピースですきっ歯の治療を行います。食事や歯磨きの際には取り外すことができます。治療の進行具合によって都度、最適なマウスピースに交換しながら歯を動かして隙間を埋めていく治療方法です。ワイヤー矯正と同様に歯を削らないので歯に優しい治療方法と言えます。時間はかかりますが、歯を少しずつ移動させる治療なので痛みはあまり感じません。
マウスピースの種類によりますが、1日に20時間以上装着しなければなりません。任意での着用のため、サボっただけ治療期間が伸びてしまいます。やはり、ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、オールセラミックより時間がかかってしまうのがデメリットです。

すきっ歯を自力で治す?

インターネットで「すきっ歯 自力で治す」と検索すると、驚くことに下記のような投稿がありました。

・自分の指でくっつけていたら治った。
・輪ゴムを歯に引っ掛けて1日何時間も縛って、それを継続していたら歯の隙間が閉じていった。

古代ギリシャから続く矯正歯科治療の歴史でも取り上げていますが、古代ローマの医師は「歯は指で圧力を加えれば移動させられるので指で正しいポジションに押すように」と言っていたそうです。そして数十世紀経った現代でも、自力ですきっ歯の隙間を埋めようと試みるツワモノがいるようです。
しかし素人が自力で治そうとすると歯が折れてしまったり、別の箇所に歪みが生じたりして、噛み合わせのバランスが崩れてしまう場合もあります。無理やり動かすことで強い痛みが出て、歯の神経を抜かなければならなくなる可能性もあります。
プロの矯正専門医と呼ばれる人たちは、歯科大学に6年間通い国家資格である歯科医師免許を取得した後、10年以上に渡る修行を経て矯正の知識と技術を体得していきます。 当たり前ですが素人が自力で治せるほど歯の矯正は簡単ではありません。専門の知識と技術を持った矯正歯科医に診療してもらうのが一番です。

まとめ

国によっては悪い印象を与えたり、逆に好印象を抱かれたりする歯並びは、その人の個性であり文化の違いを表す象徴でもあります。
ただし見た目の印象関係なく、すきっ歯が歯に与える影響を考えれば、正常な状態に治すに越したことはありません。すきっ歯をコンプレックスに感じているのなら尚更です。仕事中もカメラを向けられたときも自然と笑顔が増え、心身ともに健康的に変わることができます。
前述の通り、すきっ歯治療にはいくつか方法もあるため、希望通りのスケジュールで終えることができます。近々に迫った就職活動の面接や結婚式など、治療のスピードを重視する場合にはダイレクトボンディング、ラミネートベニア、オールセラミッククラウンの選択が正解です。
すきっ歯の治療時間に余裕があって、削ることなく全体の歯列を調整したい場合にはワイヤー矯正やマウスピース矯正を選ぶことができます。決して自力ですきっ歯を治そうなんて思わずに、プロの矯正専門医に診療してもらいましょう。