前歯がギザギザしているのはなぜ?削ったほうが良いの? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年9月12日

普通、前歯の先端はまっすぐか、凹凸なくなだらかな弧を描いていますが、中には先端がギザギザとしている人もいます。歯が生えたての子どもによく見られる症状ですが、まれに大人になってからでも歯のギザギザが残ってしまうことがあるのです。 見た目も気になるし、何らかの病気ではないかと心配している人もいるのではないでしょうか。
この記事では、歯がギザギザしてしまう原因と、ギザギザが引き起こす悪影響やその治療法について紹介します。

ギザギザになる3つの原因

歯がギザギザしている理由として、次の3つのパターンが考えられます。

生えたての永久歯

生えたばかりの永久歯の上下の前歯(1~2番)は、誰でもギザギザしています。子どもの歯がギザギザなのは極普通のことなのです。
歯は3つの発育葉という組織が合わさって構成されており、生えたての歯にはその名残として3つのギザギザとした山ができます。この山のことを切縁結節、マメロンなどといいます。
この切縁結節は、上下の歯が噛み合うことで徐々に平らにすり減っていきます。個人差はありますが、通常であれば10代のうちに自然になくなるものです。
もしもあなたが成人なのにも関わらずギザギザが残っているような場合には、下記の2つの理由が考えられます。

噛み合わせに問題がある

噛み合わせに問題がある場合、大人になっても切縁結節がすり減らないことがあります。上下の前歯に隙間が開いてしまう開咬(オープンバイト)、受け口になってしまう反対咬合、いわゆる出っ歯の上顎前突などといった噛み合わせは、上下の歯がうまく噛み合わないためにギザギザが残ってしまうのです。
大人の切縁結節は上下の歯がうまく噛み合ってないことの証拠であるといえます。

前歯を使わない癖がある

噛み合わせには問題がなくても、幼少時から前歯を使わない癖がついてしまうことで、切縁結節が残ってしまうことがあります。前歯は食べ物を噛みちぎる役割のある歯です。まず奥歯で食べ物に噛み付いてしまう癖があるようであれば、前歯の使用が習慣づいていないのかもしれません。

ギザギザは悪さをする?

ギザギザとした切縁結節は、残っている理由にもよりますが、具体的には次のような悪影響を及ぼすと考えることができます。

審美的な問題

切縁結節による前歯のギザギザは、人によっては見た目のコンプレックスになることもあります。特に上の前歯は笑った時に露出しやすいので、口を開けて笑うことに抵抗ができてしまい、精神的なストレスの原因となってしまいます。
一方でギザギザとした歯は子どもの歯の特徴でもあるため、可愛らしいというイメージもあります。チャームポイントにもなりえますので、必ずしも見た目に悪影響を及ぼすわけではありません。実際に美男見女といわれる芸能人にも切縁結節が残っている人もいます。

噛み合わせの問題

前述したように、切縁結節が残っているのは、上下の歯の噛み合わせに問題があるからかもしれません。噛み合わせの悪さは、見た目のアンバランスさを生むだけではなく、歯へ大きな負担をかけている可能性もあります。偏った負担は歯周組織へダメージを与えて歯の動揺を招いたり、歯の摩耗や破折を引き起こしたりします。
症状が悪化すると顔や体のバランスまで崩れて、顎関節症や頭痛肩こりにも繋がります。

口内を傷つける

食事や会話の際に、ギザギザの歯が当たることによって唇や舌を傷つけてしまう恐れがあります。いつも同じところに傷ができてしまうのは良くないことで、口内炎の原因となるだけでなく、最悪の場合には口腔癌を引き起こしてしまう可能性もあります。

ギザギザの治療方法

ギザギザの治療は、審美的な問題だけであれば保険適用とはなりません。噛み合わせに問題がある場合や、口内を傷つけるといった問題がある場合に限り、疾患として扱われ保険適用となります。
どのような治療法が適しているのかは自分では判断せず、歯科医師に診断してもらいましょう。

ギザギザを削る

先端部分を削って丸めていく方法です。即日できる最も手軽な方法ですが、歯列全体のバランスや歯の寿命にも関わってくるため、安易には行われません。歯科医師の判断により、削ることで歯に悪い影響が出ないと判断された場合にのみ選択される方法です。決して自分でヤスリなどを使って削ったりはしないで下さい。

ラミネートベニアをつける

ラミネートベニアという薄いセラミックのチップを、歯の表面に貼り付ける方法です。思い通りの色と形になりますが、歯の表面を少し削らなくてはならないというデメリットもあります。審美的には優れていますが、予後にトラブルの多い方法です。
なおラミネートベニアは保険外の施術方法です。

ダイレクトボンディング

ギザギザの部分に直接レジンを盛って滑らかに成形していく方法です。即日の治療が可能です。ダイレクトボンディングは天然の歯をほとんど削ることなく治療ができますが、歯科医師の技術によって出来栄えが大きく変わります。
保険適用の場合には、レジンが用いられます。(コンポジットレジン充填)レジンは経年劣化しやすい素材なので、定期的なメインテナンスが必要です。
保険外の診療では、レジンにセラミックを混ぜたハイブリットセラミックスが用いられます。ハイブリットセラミックスはレジンよりも透明感があり、劣化もしにくい素材です。

歯科矯正

審美的な問題だけでなく、噛み合わせの改善が必要であると判断された場合には、正しい噛み合わせになるよう歯科矯正によって治療していくことになります。
歯科矯正は時間とコストがかかりますが、トラブルが起きるリスクを根本から減らすことのできる方法です。基本的には保険適用外となりますが、顎関節症や顎変形症などと病名を診断された場合には、認定施設で治療を受けることにより保険適用となります。

歯の形が変?切縁結節だけじゃない!

切縁結節の他にも、歯の形が普通とは違う事例を紹介します。

中心結節

先天的な歯の発生異常により、多くは臼歯の咬合面に小さな突起ができる症状をいいます。内部には歯髄が通っているため、何らかの衝撃で折れてしまうと歯髄に細菌が入り込んでしまうことがあります。中心結節が折れてしまった場合、痛みを感じるようであれば根管治療が必要となります。
治療は、突起を少しずつ削って第二象牙質の形成を待つか、突起の周りをレジンで埋めて補強していく方法が取られます。

酸蝕歯

酸蝕歯とは、酸によって歯が溶けて変形してしまう症状です。酸っぱいものを好んで食べたり、過食症などにより頻繁に嘔吐をしたりする人に見られます。
酸蝕歯になると、歯の厚さが薄くなったり、虫歯のように穴が開いたりしてしまいます。エナメル質が溶けてしまうと、やがて歯の先端が透けて見えだし、中の象牙質が露出して歯が黄色く変色したように見えます。歯が溶けてしまうことで重度の知覚過敏を起こしたり、詰め物に隙間が出来て取れてしまったりすることもあります。
一度溶けてしまった歯は自然治癒することがないため、ダイレクトボンディング法で埋めたり、インレーやクラウンなどの補綴物を使って修復したりしていきます。

まとめ

歯のギザギザは病気ではありません。噛み合わせなどに異常が無いのであればそのままでも問題はないでしょう。むしろ何の問題も抱えていない健康な歯に手を加えるということで、かえって歯の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
審美的な目的だけで治療を受ける際には、歯科医師にしっかりとデメリットを説明してもらい、納得した上で行いましょう。