サメの歯は無限に生え変わる!様々な動物の歯 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年9月28日

歯は、鳥類を除くほとんどの脊椎動物が持ち、動物の生態に合わせて様々な形状や生え方をしています。
例えば人間の歯は異形歯性といい、切歯や臼歯など複数の形の歯を持ちますが、すべて同じ形をしている同形歯性の動物も存在します。
また、多くの哺乳類は一生のうちに一度だけ生え変わる二生歯性という性質を持っていますが、リスやハムスターのように一度も生え変わらない一生歯性や、サメのように何度も生え変わる多生歯性の動物もいます。
動物の歯は多様な生え方をしており、歯を調べることでその動物の生態を知ることができます。今回は、人間以外の動物の歯の生え方や特徴について紹介します。

一生歯性とは

一生歯性の歯を持つ動物は、一度も歯が生え変わらずに、一生を同じ歯で過ごします。決まった長さまで伸びたら形成が終わる有根歯タイプと、一生歯が伸び続ける無根歯タイプに分かれます。

有根歯タイプ

一生歯性の有根歯はイルカなどのハクジラ類の特徴です。一度折れてしまったら二度と生えてきませんが、そもそもイルカなどのハクジラ類は獲物を丸呑みにするため、歯をあまり使いません。歯は噛みちぎったり咀嚼したりするためのものではなく、獲物を咥えたりするためのものであるため、生え変わる必要もないためにこの形になったものと考えられます。

無根歯(常生歯)タイプ

一生歯性で無根歯のネズミやウサギは、一生伸び続ける門歯を持っています。木の実や木の皮などの固い食べ物による歯の摩耗に対応するために、歯が伸び続けるという進化をしてきたと考えられています。
無根歯で不正咬合を起こしてしまうと、歯が適切に摩耗しないため伸び過ぎてしまいます。歯が噛み合わないと食べ物が食べられなくなり、死んでしまいます。ペットとして飼われているハムスターやウサギは、食べやすく加工されたペットフードにより適切に歯が摩耗せず、不正咬合を起こしてしまうことが多くなります。人間のように歯列矯正をすることは難しく、定期的に歯をニッパーなどで切ってあげる必要があります。
一部の歯が無根歯の動物もおり、ゾウ、カバ、イノシシの牙がこれにあたります。

一生歯性
有根歯(成長が止まる)・・・イルカ、マッコウクジラ、シャチなどのハクジラ類など
無根歯(一生伸びる)・・・ネズミ、リス、カピバラ、ビーバーなどのげっ歯類、ウザギ類などの門歯
一部ゾウ、カバ、イノシシなどの牙

二生歯性

一生のうちに一度だけ歯が生え変わるグループです。人間をはじめとする哺乳類の多くが、乳歯と永久歯の二世代の歯を持つ二生歯性に分類されます。
二生歯性は一度しか生え変わらず、また永久歯が抜けてしまえば二度と再生はできません。その代わり、長年強い力に耐えることができるよう、歯の根が顎に埋まっている釘植という方法で結合しています。歯と骨の間には咬合の衝撃を吸収する歯根膜があり、これがクッションのような役割を果たします。
さらに二生歯性の多くは、切歯や犬歯、臼歯など、役割ごとに形が異なる歯を持つ異形歯性という特徴を併せ持ちます。咀嚼、噛みちぎる、固定、物を持ち運ぶ、攻撃など、動物に合わせた様々な機能を持ちます。

切歯

切歯はいわゆる前歯です。食べ物を口内に入れたり、噛み切ったりする役割があります。人間の場合、発音に関わる歯でもあります。かつては上下左右で3対ずつの計12本ありましたが、進化の過程で現在では2対ずつの8本にまで減っています。

犬歯

切歯の遠心側に隣接する歯で、肉食の動物の場合、この犬歯が大きく発達しています。獲物に噛み付いて捕らえる際に使う歯です。
他の歯よりも長く丈夫であり、最後まで生えていることが多い歯です。

臼歯

臼歯はいわゆる奥歯です。固いものを噛み砕いたり、食べ物をすり潰したりするのに適しています。小臼歯と大臼歯に分けることができます。草食動物はすり潰すように食べるために臼歯が発達している傾向にあります。 初期の哺乳類(真獣類)の小臼歯は上下左右4対ずつの計16本ありましたが、徐々に本数が減り、猿人類や人間の場合、2対ずつにまで減っています。大臼歯についても4対ずつあったものが、現在では親知らず含めて3対ずつに減っています。最近では親知らずが全く生えてこずに、2対ずつの人もいます。親知らずの進化については「親知らずが生えてこない人は進化した人類?」を御覧ください。

二生歯性
ヒト、サル、イヌ、ネコ、ライオン、牛、馬などの哺乳類全般

多生歯性

多生歯性は、一生のうちに何度も歯が生え変わるグループです。多生歯性の動物の多くが同型歯性でもあり、すべて同じ形(円錐形)の歯をしています。
サメや、ワニなどの爬虫類、そして太古の昔に生きた恐竜などが多生歯性に属します。この多生歯性が進化したものが、二生歯性や一生歯性であると考えられています。
多性歯性の歯に根はなく、顎骨に直接結合しているため、獲物に噛み付いた際などにすぐに折れてしまいます。また一定期間経過すると自然に折れてしまいますが、すぐに新たな歯が生えてきます。例外として、ワニは多生歯性ですが、人間と同じように顎に埋まっている釘植歯を持っています。

多生歯性
サメなどの魚類、トカゲ、ワニ、恐竜などの爬虫類

変わった歯の生え方をする動物

変わった歯の生え方をする動物として、ゾウとサメがよく登場します。ゾウは生涯で6回臼歯が生え変わります。人間のように垂直に生え変わる(垂直交換)のではなく、後方から古い歯を押し出すようにして新しい歯に生え変わります。(水平交換)
また、多生歯性であるサメの口の中には、何列もの予備の歯が生えており、前列の歯が抜けたり折れたりすると、後列の歯が前に移動することで新しい歯に入れ替わります。(車軸交換)

まとめ

歯は物を食べるため、つまり生きるために不可欠なものです。自然界において歯を失うということは、死に直結する問題です。歯が生え変わる回数が限られている動物には、特にいえることですね。
サメのように無限に生える歯とは違い、人間の歯は一生に一度しか生え変わりません。その代わり非常に大きな負荷にも耐えられ、咀嚼、異物感知、発音など様々な機能を持っています。歯科医療の技術により人工の歯を入れることができますが、やはり天然の歯の機能には敵いません。
進化の過程で、歯の生え変わる回数は減り、また生えてくる本数も減っていくと考えられています。遠い将来には、歯が退化してまったく生えてこなくなる時代が来るかもしれません。とはいえ、今ある歯は現代の私たちにとって一生ものです。メンテナンスを怠らずに大事にしましょう。