乳歯や永久歯が生えてこない!原因と治療法 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年9月29日

赤ちゃんの乳歯や子どもの永久歯が生えてこないと不安になりますよね。生え始める時期についてある程度の目安は存在しますが、個人差も大きいため、辛抱強く待っていればいつの間にかヒョコっと顔をだしているものです。
しかし目安の時期を大きく過ぎても生えてこない場合には、何らかの問題が発生しているかもしれません。特に永久歯の場合には先天的に生えてこないことも多く、将来的に歯並びに悪影響を及ぼす可能性もあります。
乳歯や永久歯が生えてこない原因と、その治療法について紹介します。

乳歯が生え始める時期

乳歯は、5種類の歯が上下左右1対ずつの、計20本生えてきます。大体の目安として、生後6~7ヶ月目には最初の歯が生え始めてきます。2歳ごろにはほとんどの歯が顔を出し、3歳になるころにはすべての歯が生えそろいます。
乳歯で一番初めに生えてくるのは、下の乳中切歯(前歯)であることが多いです。そして、もっとも最後に生えてくるのが、上の歯の第二乳臼歯(奥歯)です。
ただし歯の生える順番や時期には個人差がありますので、これよりも早くても遅くても問題はありません。

乳歯の生える時期

乳中切歯
A
乳側切歯
B
乳犬歯
C
第一乳臼歯
D
第二乳臼歯
E
上顎 7ヶ月 9ヶ月 1歳半 1歳2ヶ月 2歳
下顎 6ヶ月 7ヶ月 1歳4ヶ月 1歳 1歳半

乳歯が生えてこない3つの原因と治療法

乳歯の萌出に関する異常は、永久歯に比べるとまれな症状です。しかし後続の永久歯の萌出に影響を与えたり、舌突出癖などの口腔習癖にも繋がったりすることもあるため、注意が必要です。
1歳を過ぎても乳歯が生えてこない、または特定の歯だけ生えてこない、そんな場合に考えられる理由として、次のようなことが挙げられます。

乳歯の先天性欠如

乳歯の本数が生まれつき足りない先天性欠如かもしれません。遺伝や妊娠中の薬物の副作用、栄養不足、全身疾患など何らかの理由で、歯のもとである歯胚が作られずに生まれてきてしまうことがあります。1本だけ足りない場合もあれば、全身疾患によりすべての歯が生えてこない場合もあります。
先天性欠如が伴う全身疾患として、ダウン症や外胚葉形成不全症があります。ダウン症の場合、二重で目がつり上がっている、鼻が低いといった顔貌的な特徴や、手相にますかけ線が現れる、後頭部が平ら、耳の上部が内側に折れ曲がっているなどの身体的な特徴も表れます。外胚葉形成不全症の場合には、髪の毛が生えてこない、爪がない、汗をかかないなどの症状が伴うことがあります。
なお乳歯の欠如があった場合、後続の永久歯も50%の確率で生えてきません。

治療法
歯列に問題がなければ、特別な処置は必要ありません。永久歯の歯列に影響が出そうな場合には、義歯を入れてスペースを確保することもあります。ただし基本的には永久歯の生える様子を見るために、経過観察になることが多いでしょう。
永久歯の先天性欠如については、後続の項で説明しています。

乳歯が埋まっている

乳歯が曲がって生えてきていたり、萌出を阻害する原因があったりすることで、歯肉の中に埋まって出てこないことがあります。顎の発達不全で生えてくるスペースがない、歯肉の肥厚、生える方向に嚢胞や腫瘍がある、顎骨に病変があるなど様々な理由が考えられます。

治療法
可能な場合には萌出誘導を行います。後続の永久歯や隣接歯に悪影響を与える可能性がある場合には、埋伏している乳歯を摘出します。歯肉の肥厚や嚢胞・腫瘍も合わせて治療します。

癒合歯

癒合歯といって、2つの歯が1つにくっついてしまっている状態で生えてくる場合、萌出遅延が起こります。また後続の永久歯の萌出も遅れることが多くなります。好発部位は下顎の前歯であり、特に乳中切歯と乳側切歯、乳側切歯と乳犬歯の癒合がよく見られます。

治療法
乳歯の癒合歯はそのままにしても特に問題ありませんが、溝に汚れが付きやすく虫歯になりやすいので注意が必要です。後続の永久歯の萌出に影響をあたえるようであれば、抜歯処置が必要になります。

永久歯に生え変わる時期

永久歯は、乳歯の下で少しずつ大きくなっていきます。やがて永久歯が外へ出ようと乳歯の根を溶かし始め、乳歯の動揺が起き、順番に永久歯へと生え変わっていきます。上下の対の脱落タイミングに差はありますが、左右の対については通常同時期に起きます。
永久歯は、8本の歯が上下左右に1対ずつ、最大32本が生えてきます。大体小学校に上がるころに生え変わりが始まり、中学生になるころには親知らず以外の28本の歯が生えそろっていることが多いようです。ただし乳歯の生え変わりが遅いと、その分永久歯に生え変わる時期も遅くなります。
親知らずについては成人前後になってから生え始めます。人によっては全く生えてこなかったり、斜めに生えて歯茎の中に埋まったままだったりという人もいます。

永久歯が生え始める時期

中切歯
1
側切歯
2
犬歯
3
第一臼歯
4
第二臼歯
5
第一大臼歯
6
第二大臼歯
7
第三大臼歯
8
上顎 7-8歳 8-9歳 11-12歳 10-11歳 10-12歳 6-7歳 12-13歳 17-21歳
下顎 6-7歳 7-8歳 9-10歳 10-12歳 11-12歳 6-7歳 11-13歳 17-21歳

永久歯が生えてこない3つの原因と治療法

永久歯の萌出遅延は乳歯よりも起こりやすく、様々な理由が考えられます。多くの場合で乳歯との交換タイミングが影響します。

乳歯の早期脱落

虫歯や外傷を受けるなどして、乳歯が早く抜けすぎてしまうと、歯肉が肥厚になったり、穴が空いたスペースを埋めようと両隣の歯が寄ってきて、永久歯が生えてくるスペースがなくなってしまったりすることがあります。すると永久歯が支えて生えてこない、曲がって生えてこない、ということが起きてしまいます。また、長い間歯がない状態になると、上下の噛み合わせの歯が必要以上に伸びすぎてしまう可能性もあります。
まれな症状ですが、低ホスファターゼ症という疾患に起因する早期脱落もあります。骨代謝に異常があるため、乳歯がまとめて抜けてしまうことがあります。

対策・治療法
乳歯が早期に脱落してしまった場合、義歯を入れてスペースを確保することで、永久歯の正常な萌出を促します。成長に合わせて何度も義歯を作り変える必要があります。歯肉が肥厚になっている場合には、切開する必要があります。
低ホスファターゼ症は、薬物療法で治療していきます。

永久歯の先天性欠如

乳歯と同様、永久歯にも先天性欠如が見られることがあります。好発部位は、下顎の第二臼歯です。近年の調査では10人に1人の割合で欠如が見つかっており、決して珍しい症状ではありません。乳歯の欠如と同様の原因もありますが、食生活の変化による顎の退化も大きな原因になっていると考えられます。
左右片方の乳歯だけが中々抜けないような場合には、後続の永久歯の先天性欠如が疑われます。レントゲンに永久歯の歯胚が映るかどうかで診断が可能です。
また、乳歯に先天的欠如がみられた場合、後続する永久歯も生えてこないことが多くなります。

治療法
噛み合わせや歯列に異常がなければ、特別な処置は必要ありません。他の永久歯が生えそろう時期に、矯正治療をして歯並びを調整することもあります。
また乳歯が残っている場合には、そのまま残して経過観察とすることもあります。ただし乳歯の寿命は短いため、将来的には義歯やインプラントなどの補綴治療が必要となります。
乳歯もなく、著しい欠如がある場合には、成長に合わせて義歯での補綴治療を行います。インプラントは顎の成長が終わってからでないと行なえません。

永久歯が埋まっている

乳歯と同様に、永久歯が歯肉に埋まって生えてこないことがあります。顎の発達不全で生えてくるスペースがない、乳歯の虫歯、外傷による乳歯と骨の癒着、顎骨の病変など様々な原因が考えられます。放置すると、隣接歯にダメージを与えたり、歯肉の中に炎症を起こして骨を吸収してしまったりする可能性があります。

治療法
顎が小さい場合には、床矯正をして顎の成長を促していきます。乳歯が萌出の邪魔をしている場合には、乳歯を抜歯してしまったり一部カットしたりして、永久歯が生えてくるスペースを作っていきます。
途中で萌出が止まっている場合には、歯肉を切り開いて矯正で牽引して正常な位置に戻すことがあります。
親知らずが埋まって生えてこない場合には、何も悪さをしてなければ経過観察となりますが、炎症を起こしている場合には歯肉を切開して摘出する必要があります。

まとめ

上記に記載している生え始めの時期はあくまで目安の時期です。人と違うと心配する方はたくさんいますが、乳歯の場合、実際には個人差の範囲であることがほとんどであり、そこまで深刻に捉える必要はありません。気になる場合には歯科医院で診てもらうと良いでしょう。何の異常が見つからなくても不安を解消することができます。
ただし永久歯の生え変わりの時期は、トラブルが起こる可能性が高くなります。乳歯の状態が永久歯に大きく影響するため、どうせ抜けるからといって歯磨きを怠ると、一生分の歯の健康を失ってしまうかもしれません。
歯の生えはじめの時期には、親子で協力して口内のメンテナンスを行いましょう。
また、乳歯や永久歯の先天性欠如は、胎児期の栄養摂取や薬の服用が大きく影響することがわかっています。生まれてくる子どもの健康のためにも、バランスの良い食生活と、薬の服用には細心の注意を払うようにしましょう。