ひどい虫歯は治る?保険で歯を残す治療法を紹介します【保険診療編】 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月3日

歯医者嫌いだとついつい虫歯を放置してしまって、気づいたら口の中がボロボロ・・・ということもあるのではないでしょうか。いい加減治したいと思っていても、あまりにひどいと歯科医師に見せるのも抵抗が出て、余計に歯医者から遠のきがちです。
でも大丈夫。ひどい虫歯は治せます。保険内の治療であれば、とんでもない費用を請求されることもありませんし、最低限の機能回復までは望めます。とはいえ保険内の治療の場合、できる処置が限られてきますので選択肢がかなり狭められます。
虫歯の程度によって、歯を残す治療か、抜歯してしまうかが変わってくるため、ケース別に分けて、保険の治療でできるひどい虫歯の治療を紹介します。

ひどい虫歯を放置すると起こること

虫歯を放置すると、見た目にも影響が出るだけでなく、口臭の原因になったり、身体の健康にも影響を及ぼしたりします。

食べ物が食べられない

虫歯がひどくなると、噛んだだけで痛みを感じるようになり、まともに食べ物を食べられなくなります。虫歯の歯を避けるために偏った噛み癖も付き、健康な歯にまで余計な負担をかけてダメにしてしまいます。どんどん使える歯がなくなり、食事自体が苦痛になってしまいます。

胃の調子が悪くなる

虫歯により食べ物をうまく噛めないので、噛まずにそのまま丸呑みをするようになります。消化にかかる時間が増えるため胃にも大きな負担をかけてしまいます。
また、固いものは食べられないので、柔らかいものばかり食べるようになり、栄養バランスが偏って免疫力が落ち、ますます身体が弱ってしまいます。

顎が痩せてくる

虫歯によって歯が抜けてしまった状態を放置すると、抜けた部分の歯茎がどんどん吸収されて痩せていきます。虫歯が広範囲にまで広がっているような場合には、顎全体が痩せてきて口元にもハリが無くなり、老化が進んだような見た目になってしまいます。

口臭がでる

虫歯は細菌の感染症です。歯の血管や神経が詰まっている歯髄にまで虫歯が達すると、細胞が死んでしまい腐敗臭がしてきます。さらに進行すると歯の根の先に膿が溜まりだし、それも強い臭いを発します。
自分では口臭に気づかないことも多いため、周りの人を知らぬ内に不快にさせてしまう可能性があります。見た目にも歯が黒く欠けたりしているはずなので、社会的な信用問題にも関わってきます。

歯を残す場合

ひどい虫歯の場合、歯髄という神経や血管が流れている内部組織にまで虫歯菌の感染が広がっている可能性があります。歯髄にまで広がっている虫歯は、根管治療という歯の根の治療を行うことで、歯を抜かずに残すことができます。
根管治療は、感染した歯髄をすべて取り除いてから薬剤を詰めていきます。かなり歯を削る必要があるので、修復にはクラウンという被せ物が使用されます。クラウンは歯根部分を補強するコアという土台部分と義歯の部分で構成されています。保険内で使用できる素材は下記の通りです。
小臼歯までは白い義歯をつけることができますが、大臼歯の場合には金属アレルギーの場合を除いて銀歯になってしまいます。

保険内のクラウンの素材

コア メタルコア、レジンコア、ファイバーコア
義歯 前歯(切歯、犬歯)・・・硬質レジンジャケット冠、硬質レジン前装冠
奥歯(小臼歯、大臼歯)・・・銀歯、ハイブリッドセラミックCAD/CAM冠(大臼歯は金属アレルギーに限る)

歯を残せるのは根に穴が空いていない場合

根管治療によって歯を残すことができるのは、比較的歯質が残っている場合に限られます。保険内でクラウンの治療を行う場合、ある程度歯茎から出ている歯冠部分(フェルール)が必要です。フェルールがない状態でクラウンを被せてしまうと、負担に耐えられずに被せ物が外れてしまったり歯根破折を起こしたりしてしまいます。従って、根にまで穴が空いてしまっているような場合には、歯を残すことができません。
フェルールがない場合、保険外の治療であれば、エクストルージョンやクラウンレングスニングといったフェルールを得るための治療が可能ですが、保険内の治療では対応していないため、やむを得ず抜歯となってしまうこともあります。

抜歯してしまう場合

虫歯で歯茎から出ている部分の歯がほとんどなくなり、根っこの部分しか残っていない状態(残根)にまでなると、保険内での治療の場合抜歯となってしまいます。また歯周病にもなっていて、歯の動揺が大きい場合や、歯根が割れてしまっている場合にも抜歯となる可能性が高くなります。
抜歯後の保険内での修復方法には、ブリッジ、部分入れ歯、総入れ歯の3つがあります。

ブリッジ

抜歯した歯の本数が少なく、両隣の歯が残っている場合には、ブリッジという方法を用いることができます。ブリッジは、隣の健康な歯を土台にして、橋渡しのように連結した被せ物をする方法です。土台として形を整えなくてはならないので、健康な歯を削る必要があります。
保険のブリッジには、下記のように適用できる範囲と状態、使える素材が限られています。

歯の範囲 3番(犬歯)含む、連続した2本以内の欠損
3番(犬歯)含まない、連続した4本以内の欠損
4番以降は連続した2本以内の欠損
歯の状態 前後の歯が土台として機能すること
一番奥の歯が欠損している場合は、前2本が問題ないこと
素材 1~3番までは白いレジン、4番以降は金属になる

部分入れ歯

ブリッジが適用できない一番奥歯の欠損や、連続した欠損を修復する際には、部分入れ歯を用いることができます。部分入れ歯は、床という人工の歯茎付きの義歯を歯茎に被せて補綴する方法です。隣の歯にクラスプというバネをひっかけて固定します。クラスプを引っ掛ける歯は、段差が出ないように少しだけ削る必要があります。
部分入れ歯は広い症例で適用が可能ですが、歯がない部分の顎の骨が徐々に痩せていってしまうので、定期的に作り変えなければなりません。
保険の場合、床と義歯の素材はレジン、クラスプの素材は金属に限られます。クラスプが金属なので目立ってしまう、健康な歯を変色させてしまう、構造上レジン床を厚くせざるをえないため違和感が出やすいなどの問題があります。
また保険で作成した部分入れ歯や総入れ歯は、作成から6ヶ月間は同じものを作れないというルールがあります。紛失した場合や壊してしまった場合には、自費で作成しなければなりません。

総入れ歯

残っている歯が一本もない場合には、総入れ歯を入れることになります。保険内での総入れ歯は、口内の粘膜の表面張力を利用して、入れ歯全体を吸着するように固定します。使用できる素材は、床・義歯ともにレジンのみです。
デメリットは部分入れ歯と同じく、レジン床が厚いために異物感があったりしゃべりにくかったりする点です。ただし補綴物の仕上がりによって使い心地は大きく変わってきます。

まとめ

保険内でもひどい虫歯の治療は可能ですが、できる方法も限られてくるため、審美性や機能面でやや我慢が必要になることもあります。審美性や使い心地など、高い要望を叶えることができるのは、大抵保険適用外の治療となってしまいます。その代わり保険内であれば、一回あたりの治療費は3,000~5,000円前後なので、経済的な負担は少なくて済みます。
症状が進むほど、治療にかかる時間も費用も身体的な負担も大きくなってきます。勇気を出してできるだけ早く歯科医院へ行きましょう。
次回は保険適用外の治療法について紹介します。