ひどい虫歯も治る?高額だけどすごい!歯を残す治療法【自費診療編】 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月4日

保険外で治療を行った場合、保険内の治療内容と比較するとかなりバリエーションが広がります。ひどい虫歯の治療においてもいえることで、例えば保険では残せなかった歯を残せるようになったりします。また歯を修復する補綴物の選択肢が増えることで、より自然の歯に近い見た目や機能を取り戻すことができるようになります。その代わり全額自費負担なので、使う素材によっては2桁万円~3桁万円になってしまいます。
保険適用外の治療で、ひどい虫歯の治療にはどのような方法が存在するのか、歯を残す場合と、抜歯となってしまった場合に分けてそれぞれ紹介します。

歯を残す場合

保険外の治療でも、歯を残す場合には感染歯髄を取り除く根管治療が行われます。基本的な治療内容は変わりませんが、一回あたりの診療時間が長くなる傾向にあります。また、医院によってはラバーダムでの防湿措置や、マイクロスコープやレーザーなどの最新設備を使用して治療を行うこともあります。ただし保険内でもラバーダム、マイクロスコープ、レーザーを使用する医院もありますので、保険外診療特有のものではありません。
保険外の診療で大きく違いが出るのは、歯を残せるケースが増えるということと、補綴物のバリエーションが増えるということです。

保険外のクラウン

歯根しか残っていなくても、エクストルージョン(歯根挺出)という方法で歯根を引っ張り出したり、クラウンレングスニング(歯冠長延長術)という方法で歯茎の高さを下げたりして、フェルール(歯茎から出ている歯冠部分)を獲得しクラウンを被せるようにすることが可能です。
保険外でクラウンに使用できる素材は下記の通りです。保険外でのコアは、日本で保険適用されていない海外製のファイバーコアや、ゴールドコアがあります。
義歯に使用される素材ですが、金属にセラミックを被せたメタルボンドクラウン、ジルコニアにセラミックを被せたジルコニアセラミッククラウン、ジルコニアクラウンについては、どの歯にも適用可能ですが、オールセラミッククラウンは強度も問題で前歯にのみ、ゴールドクラウンは審美性の問題で奥歯にのみ使用されるのが一般的です。

保険外のクラウンの素材

コア 海外製のファイバーコア、ゴールドコア
義歯 前歯(切歯、犬歯)・・・メタルボンド、ジルコニアセラミック、オールセラミック、ジルコニア
奥歯(小臼歯、大臼歯)・・・メタルボンド、ジルコニアセラミック、ジルコニア、ゴールド

意図的再植術

虫歯が深く、歯の根しか残っていない場合や、歯の根の先に膿が溜まってしまっている場合には、わざと一度抜歯して感染部位を除去してから再植する方法があります。通常では抜歯となってしまうような症例でも、意図的再植を行えば歯を残してクラウンなどの補綴物を被せることが可能になることもあります。いわば抜歯の前の最終手段ともいえる方法です。
どこの歯科医院でも取り扱っている方法でないため、治療を受けたい場合には症例数の多い歯科医院を探す必要があります。

抜歯してしまう場合

やむを得なく抜歯となってしまった場合、保険外の治療では審美性にも機能性にも優れた治療方法が可能です。

保険外のブリッジ

保険適用外のブリッジは適用範囲に縛りはありません。土台となる歯が1本でもあればどんな長さのブリッジでも作ることができます。ただし極端な長さのブリッジは、強度も劣りますし土台となる歯への負担が大きくなりすぎてしまうため、そうそう作られることはありません。
保険外での素材は下記のようなラインナップになります。クラウンと同様の素材になります。

保険外のブリッジの条件や素材

歯の範囲・状態 1歯以上残っていれば何本でも可能
素材 前歯・・・メタルボンド、ジルコニアセラミック、オールセラミック、ジルコニア
奥歯・・・メタルボンド、ジルコニアセラミック、ジルコニア、ゴールド

部分入れ歯

部分入れ歯を保険外で作成すると、より質の良い素材を選択できるだけでなく、残った歯に負担が少ない方法での固定が可能になります。

金属床義歯
床部分に金属を使った金属床義歯は、薄い作りのため装着の違和感が少ない入れ歯です。金属の熱伝導率により、食べ物の冷たさや熱さを自然に感じることができます。白金加金、チタン、コバルトクロムといった素材が選択可能です。

目立たないクラスプ
部分入れ歯の最も目立つ部分である金属のバネ(クラスプ)を、白いプラスチック製のものに変えて目立たなくしたものが、ホワイトクラスプデンチャーです。色調を歯の色に合わせることができるので、ほぼ天然の歯と同化します。
ノンクラスプデンチャーは、クラスプではなく柔らかいプラスチック素材で隣接歯の歯茎を覆うように固定する入れ歯です。歯茎と同じ色の素材なので、見た目も自然で目立ちません。金属アレルギーの場合にも適応可能です。

アタッチメントを使用した入れ歯
また、残存歯に特殊なアタッチメントを取り付けて入れ歯を固定する方法もあります。クラスプを使用しない代わりに、アタッチメントを取り付ける歯を削る必要があります。しかしアタッチメントを使用した入れ歯は、安定性も高く取り外しも可能なので衛生的に使用できます。 歯根に金属のバーを取り付けてクリップで入れ歯を固定するバーアタッチメントデンチャーや、磁石のアタッチメントを使用したマグネットデンチャー、金属のはめ込み式の内冠と外冠を使用したテレスコープデンチャーがあります。テレスコープデンチャーについては『若い人にもおすすめ!30代からの部分・総入れ歯「テレスコープデンチャー」』を御覧ください。

総入れ歯

保険外の総入れ歯は、金属の床を使用した金属床義歯がメジャーです。また歯茎に触れる部分をシリコン素材で覆ったシリコンデンチャー(コンフォートデンチャー)という種類もあります。
残存歯がない場合でもインプラントを併用することで、マグネットデンチャーやバーアタッチメントデンチャーを取り付けることが可能です。インプラントといっても、数本入れるだけで広範囲をカバーすることができるため、身体的にも経済的にも負担が少なくて済みます。 ただし虫歯だけでなく歯周病も原因で歯を失っている場合には、インプラントを入れる前に骨の再生術が必要となります。

インプラント

歯を失ってしまった部分に直接人工歯根(フィクスチャー)を埋め込んで、土台部分(アバットメント)と義歯を取り付ける方法です。歯肉を切り開いたり骨を削ったりするため侵襲性が高い方法ですが、術後安定すれば自然な噛みごたえを得ることができます。
一回目の手術でフィクスチャーを完全に埋め込み、傷が塞がってから再び切開してアバットメントと義歯部分を取り付ける二回法と、フィクスチャーを少し歯肉から出すことで切開を一回だけに留めた一回法があります。
一回法は患者への負担も少なく短期間で済む方法ですが、骨の症状によっては出来ない場合にもあります。個々の骨の状態を見た上で、どちらの方法が良いかが判断されます。
また、抜歯した当日にインプラントを入れてしまう抜歯即時埋入という方法もあります。一度の手術で、自然治癒力を利用してインプラントを定着させるため、短い期間で手術を終えることができます。ただしどこの歯科医院でも扱っている術式ではないこと、骨の量が十分にある場合に限られるということに注意が必要です。

歯牙移植

歯牙移植は、抜けてしまった部分に健康な別の歯を移植する方法です。基本的には奥歯が抜けてしまった際に、自分の親知らずを移植することが多くなります。歯牙移植によって補修された歯には歯根膜が形成されるため、通常の歯と同様に使うことができます。
ただし歯根膜の状態が良くない歯や、根の形が複雑な歯は、移植には向いていません。また失った歯に歯周病を患っていた場合にもすぐには移植はできません。歯周病の病状が安定しかつ骨の状態が良好である必要があります。

まとめ

ひどい虫歯でも、保険外の自費診療であれば多くのリカバリー方法があります。保険内では残せなかった歯でも残せるようになりますし、残念ながら抜歯となってしまった場合でも、人工歯を入れたり歯牙移植をしたりすることで、より天然歯に近い形にまで機能を回復することができます。
ただし専門性が高く難しい治療であればあるほど、扱っている歯科医院も限られてきてしまうため、治療を受けたいと思ってもすぐには受けられないのが実際のところです。治療機会が限られてくることは、保険外診療のデメリットでもあります。仮に希望の治療法を扱っている歯科医院に巡り会えたとしても、口内の状況によっては手術の適応外となる可能性もあります。
またどんなに素晴らしい手術を受けたとしても、その後のメンテナンスを怠れば、すぐにまた悪い状態に戻ってしまいます。長期的に通える歯科医院であることが理想です。 まずはかかりつけの歯科医師に、希望の治療法が可能なのかどうかを相談してみましょう。その上で自分に最も適した方法を検討し、必要があれば別の歯科医院への紹介をしてもらいましょう。