妊娠すると歯周病にかかりやすくなる!赤ちゃんへの影響と対策 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月10日

妊娠中は、誰でも虫歯や歯周病になるリスクが高くなるため、歯科医院に行かなければならないケースも増えてきます。しかし麻酔やレントゲンなどが、胎児へ悪い影響を与えるのではないかと心配するあまり、歯科医院への通院が遠のきがちになっていることも多いのではないでしょうか。
実は、母親の虫歯や歯周病は生まれてくる子どもへ悪い影響を及ぼすことをご存知でしょうか。特に歯周病にかかっている妊婦は、かかっていない妊婦よりも、早産や低体重児出産となるリスクが5~7倍も高くなることがわかっています。
妊娠中こそ歯科医院に行かなければならないのです。今回は、歯周病を始めとした妊娠中に起こりやすい口腔トラブルと、その対策について紹介します。

妊娠中に起こりやすいお口のトラブル

妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、様々な口腔トラブルが起きやすい状態になっています。また、つわりも口内環境を悪化させる一因となります。胃酸の逆流などの影響により口内が酸性に傾きやすく、気分の悪さからブラッシングも丁寧にできなくなってしまうこともあるため、口内が不衛生な状態が続いてしまうのです。
妊婦に起こりやすいトラブルとして、歯周病、虫歯、妊娠性エプーリスが挙げられます。

歯周病(妊娠性歯肉炎)

女性は一生のうちに三度、歯周病にかかりやすくなる時期が訪れます。一度目は初潮、二度目は妊娠、三度目は閉経です。どの時期も女性ホルモンの分泌が大きく関わっています。女性は男性よりも歯周病になるリスクが高いのです。
特に妊娠中は、妊娠性歯肉炎という妊婦特有の歯周病にかかりやすくなります。妊娠するとエストロゲンという女性ホルモンが増加し、これが歯周病菌を増殖させ、歯肉に炎症を起こしやすくします。
妊娠後期には、プロゲステロンという炎症を起こす物質(プロスタグランジン)を刺激するホルモンが急増するため、少しのプラークでも歯肉が腫れてしまうようになります。
歯周病になると、歯磨きの時に血が出たり、見た目にも歯茎が赤く腫れてきたりします。虫歯とは違い痛みを伴わないため、知らぬ間に悪化させてしまいがちです。
さらに心配なことに、歯周病は胎児にも悪い影響を及ぼします。歯周病の妊婦は、低体重児出産や早産となるリスクが非常に高くなることがわかっています。
歯周病の炎症を起こすプロスタグランジンは、子宮を収縮させる作用があり、早産を引き起こしやすくします。また歯周病菌が体内の器官に感染することで、胎児の成長に影響を及ぼし、早産や低体重児出産に繋がるとも考えられています。 妊婦と歯周病には密接な関係があり、母子の健康に大きな影響を及ぼすのです。

虫歯

妊娠中は口内環境が悪くなるため、虫歯のリスクも高まります。自浄作用のある唾液の成分も変わるため、歯を溶かす脱灰を起こしやすい状態になります。
虫歯は妊娠中というよりも、産後子どもに影響を及ぼします。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯菌はいません。しかし、大人との食器の共有や食べ物の口移しによって、虫歯菌が感染してしまいます。
特に乳歯が生え始める1歳半~3歳前後は、感染の窓と呼ばれ、子どもが最も虫歯菌に感染しやすい時期になります。この時期に虫歯にならなければ、その後も虫歯になりにくい口内環境を維持できると言われています。
産後は育児のために虫歯治療の時間が取れないこともあります。虫歯の治療は出産前に済ませておきたいところです。

妊娠性エプーリス

女性ホルモンの影響により歯肉に良性のポリープができることがあります。妊娠性エプーリスといい、産後には小さくなり自然に消滅することがほとんどです。
歯間からの出血や腫れ、痛みを伴います。
悪化するとどんどんと腫れも大きくなり、食事にも支障をきたすようになってしまいます。歯科医院でプラークや歯石の除去を行うことで症状を抑えることができますが、大きくなりすぎた場合には外科的な手術を行い除去することもあります。

妊娠中口腔トラブルにならないための対策

妊娠初期は、つわりにより口腔ケアが難しくなる時期です。歯磨きの方法を工夫したり、食事のタイミングに気をつけたりすることで、虫歯や歯周病になりにくい環境にすることができます。

歯磨きができない時の対策

つわりで歯ブラシを口に入れただけでも気分が悪くなってしまうことがあります。嘔吐反応が強くなっている際には、子供用の歯ブラシや、ワンタフトブラシという歯ブラシのヘッドが小さい物を使用することで、歯磨きの際の異物感を軽減することができます。また味覚も敏感になるため、歯磨き粉なしで磨くことも気持ち悪さの防止になります。
何をしても気分が悪くなってしまう場合には、口腔洗浄液や水でゆすぐだけでも多少効果はあります。ただし調子の良い時を見計らって、必ずブラッシングをしましょう。

間食を控える

安定期を迎えると食欲も出てきて、食べても食べてもお腹が空くようになることがあります。頻繁におやつなどの間食をしてしまうと、口内が常に酸性に傾いた状態になるため、すぐに虫歯ができてしまいます。特に糖分を多く含んだお菓子の食べ過ぎには注意が必要です。
間食は体重管理の妨げにもなります。一回一回の食事で満腹感を得るためにもよく噛んで食べましょう。また、食事の間隔を空けるためにも、甘いものは食後のデザートとして食べると良いでしょう。

キシリトールガムを食べる

天然の代用甘味料であるキシリトールには、虫歯菌の代謝を阻害する働きがあるため、食べても虫歯の原因になりません。またキシリトール入りのガムを食べることで、唾液分泌が促されるため、口内の環境を整えることができます。歯磨きの代わりにはなりませんので、ガムを食べた後には別途ブラッシングが必要です。 砂糖と比べるとカロリーも4割低いため、間食の代わりにもなります。ただし食べすぎるとお腹がゆるくなりますので、用法用量を守って食べましょう。 虫歯にならない糖についてはこちらもご覧下さい。「甘党必見!虫歯にならない糖がある」

定期的に歯科医院に通う

定期的に歯科医院に通い、口内のメンテナンスをしましょう。歯のクリーニングにより自分では取り除くことの出来ない汚れを落とすことができます。ブラッシングの指導を受けることで、磨き残しのない歯磨き方法を身につけることもできます。 また虫歯や歯周病の早期発見により、妊娠中でも受けられる簡単な治療で済ませることができます。悪化すると、出産後や授乳後まで治療を受けられないような大きな手術が必要になってくるケースもあります。 妊娠中に受けられる治療、受けられない治療については、「妊娠中は歯医者で治療を受けられる?受けても良い治療と注意するべき治療」を参照下さい。