審美歯科と歯医者の違いとは?保険は使える? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月23日

審美歯科は、歯科診療の一分野です。しかし審美専門を掲げている歯科といえば、何となく他の歯医者とは違う美容サロンのような雰囲気がありませんか?
審美歯科と一般的な歯医者には、どのような違いがあるのでしょうか。審美歯科で行っている診療内容や、歯医者との違い、保険適用はされるのかどうかについて、まとめてみました。

審美歯科とは

審美の「美しさの追求」という言葉の意味の通り、審美歯科とは、歯や口元を美しくすることに重点をおいた診療分野です。 審美歯科学を専門に扱う日本歯科審美学会の定義によると、歯科審美学とは「顎口腔系における形態美・色彩美・機能美の調和を図り、人々の幸福に貢献する歯科医療のための教育および学習に関する学問体系」であるとしています。
歯を白くしたい、歯茎の色をきれいにしたい、歯の形や歯並びを整えたい、しっかり噛めるようになりたい、などといった人々の審美的な要望に応えることができます。
審美歯科の分野は多岐にわたり、他の歯科領域とも深く関わってきます。具体的には次のような診療があります。

ホワイトニング

歯そのものを白くする分野です。歯の汚れを落とすクリーニングや、薬剤で歯を漂白するオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングなどがあります。また、歯茎のホワイトニングであるガムピーリングというものもあります。
クリーニングやホワイトニングの施術を担当するのは、歯科医師や歯科医師の指導を受けた歯科衛生士のみです。いわゆるセルフホワイトニングと呼ばれるものは、歯科医師や歯科衛生士による施術ではなく、サロンに通って自分で行う歯のクリーニングです。医療施設ではなく、ビューティーサロンの一種となります。

審美補綴

人工の被せ物や詰め物をして、歯を白くしたり形を整えたりする分野です。セラミッククラウンやラミネートベニアのように、削った歯に人工物を詰めたり被せたりする方法もあれば、ダイレクトボンディング法のように歯を削らずに人工の材料を歯に直接盛ってきれいにする方法もあります。
ホワイトニングの範疇にされることも多いですが、歯に白いコーティングをして審美性を高めるホワイトコートという施術もあります。
人工物を使った補綴は、通常の虫歯治療でも行われています。虫歯で歯を大きく削ってしまっても、インレーやクラウンを入れることで、見た目の回復だけでなく、歯の機能も回復することができます。

歯周病治療

歯周病の治療も、歯茎の審美性の回復という観点で審美歯科に分類されることがあります。プラーク除去などの歯のクリーニングだけを扱っているところもあれば、退縮した歯肉を外科的に回復する歯周外科手術まで行っている医院もあります。歯肉の外科的な手術は、口腔外科や美容外科とも関わってきます。

矯正歯科

矯正歯科は、歯を動かしたり骨の調整を行ったりして歯並びを整える診療です。出っ歯や受け口、歯列の凸凹は、矯正によって治療していきます。また、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせといった歯の機能性の回復も目的としています。
基本的には、ワイヤーやマウスピースの矯正器具を使って歯を少しずつ動かしていきます。さらに矯正期間短縮のために、インプラントを固定源として歯を動かすインプラント矯正や、骨を切って歯を動かしやすくする骨切矯正術を併用することもあります。 骨格から直していく必要のある外科的な矯正は、外科矯正(サージェリーファースト)ともよばれます。歪みが大きく、顎変形症などの疾患名がついた場合には、矯正の治療も保険が適用されます。
矯正歯科は、歯科で標榜できる科目※としても認められており、矯正専門の歯科医院も多く存在します。

※歯科の標榜科目について
審美歯科は歯科の診療科目の一つですが、実は法律上、歯科の標榜科目(外部に表示広告する診療科名)としては認められていません。歯科で標榜してもよい診療科目は、歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科の4つと、これらを組み合わせた診療科目に限られているのです。
例えば、小児矯正歯科はOKですが、審美歯科やインプラント科といった標榜をしている歯科医院は違法になってしまうのです。よくみかける〇〇インプラントセンターも、看板には必ず別の標榜科がついているはずです。
ただしホームページや院内の掲示で掲げることについては問題ありません。

審美歯科と一般的な歯医者の違い

審美歯科は歯医者という大きなカテゴリの中の一つの診療分野です。審美専門の歯科医師免許があるわけではなく、一般歯科や小児歯科、口腔外科と同じ免許を持つ歯科医師が、審美歯科の診療を行っています。
では、審美歯科と一般的な歯医者は何が違うのでしょうか。
一般的に歯医者というと、痛い歯の治療や取れた詰め物の修復など、歯の機能回復を目的とした診療を中心に行っています。 もちろん審美歯科でも虫歯治療などの一般的な歯科診療を扱っていますが、(扱っていないところもあります)その違いは、仕上がりをより美しくすることに力を入れているという点です。
例えば虫歯の治療一つとっても、より精密な補綴物の作成をすることで、天然の歯と遜色ない、むしろより美しい見た目にすることができます。そして精密な補綴物は二次カリエスのリスクも減らすため、機能面での維持にも貢献します。

審美歯科の保険適用について

審美歯科で行っている診療内容は、基本的に保険は適用されません。疾患の治療や機能性の回復を目的とした診療は保険適用、審美性を高めることのみを目的とした診療は、保険適用外となります。
ただし審美歯科の中でも、疾患の治療や機能性の回復を目的とした診療もありますので、そのケースに限っては保険が適用されます。例外なく保険外の診療、条件によって保険適用となる診療、大抵は保険適用となる診療に分けて説明します。

例外なく保険適用外の診療

審美性の回復を目的としているホワイトニングは保険対象外です。また、セラミックなど保険適用でない素材を使った審美補綴もすべて保険適用外となります。
また、診療を受ける審美歯科自体が保険医療機関でない場合には、診療内容関係なくすべて自費診療となります。

条件によって保険適用になる診療

矯正歯科は基本的には保険外の診療ですが、顎変形症などの疾患の治療目的であれば保険適用となります。また、保険適用の診療が受けられるのは、国の指定自立支援医療機関や顎口腔機能診断施設に限られます。

多くのケースで保険適用になる診療

歯周病治療は、歯周病という疾患に対する治療なので、基本的な歯石除去から歯周外科手術まで一通りの診療が保険適用となります。ただし、保険医療機関でない歯科医院での診療や、先進医療のエムドゲインを使った再生療法、国に認められていない薬剤をつかった治療などは、保険適用外となります。

まとめ

一般的な歯医者では機能面の回復に重点を置いており、審美歯科ではさらに一歩踏み込んで、歯や口元に美しさを与えることに力を入れているといえます。
もちろん一般的な歯医者といっても、根管治療に力を入れている歯科医院や予防歯科に力を入れている歯科医院など、様々です。審美歯科を掲げていなくても、非常に精度の高い補綴物を作ったり、丁寧なホワイトニングを行ったりしている歯科医院もあります。あくまで、その歯科医院が何に力をいれているのかの違いであり、そこに優劣があるわけではありません。
自分をもっときれいに見せたい、美的なセンスのある歯科医師に見てほしい、というような場合には、審美歯科へ行くことをおすすめします。見た目が良くなるだけではなく、歯がツルツルになったり歯並びがよくなることで、虫歯などのトラブルが起きにくくすることもできますよ。