PMTCとは結局どういうもの?保険適用されるの?気になる費用について | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月26日

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)というと、名称のイメージだけで何となく歯のクリーニングのすごい版だと想像してしまうのは私だけでしょうか。
歯科医院によっては、歯石除去だといっていたり、ステイン除去だといっていたりで、結局はどういうものだかわからない!という方も多いのではないでしょうか。
実はPMTCは予防歯科の基本中の基本の処置であり、歯石除去や歯面研磨とは別のものなのです。PMTCの本来の定義や一般的な処置の流れ、そして気になる費用について紹介します。

PMTCとは

PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningを略したもので、プロが行う機械を使った歯のクリーニングのことをいいます。PMTCはスウェーデン発祥の予防歯科的処置であり、歯周病や虫歯の予防のために行われます。

PMTCの定義

提唱者のアクセルソン博士は、PMTCの内容を「プラークの選択的除去」と定義付けています。歯の全面を清掃するのではなく、プラークのついている部位のみを清掃していく処置であるとしています。歯を全面的に研磨する歯面研磨※とは異なるものです。
PTMCでは、セルフケアでは取り除きづらく、歯周病や虫歯になるリスクが高い部位のプラーク除去を重点的に行なっていきます。特に歯肉縁上だけでなく歯肉縁下1~3mmまでを清掃範囲としており、さらに深い歯周ポケットのプラーク除去については、広義のPMTCとして区別されています。
PMTCとは、定義上では「プロによるリスク部位のプラーク除去」という、実は非常にシンプルな処置であることがわかります。

※歯面研磨とは
歯面研磨とは、審美性の回復を目的とした処置です。歯を全体的に研磨して、表面に付着したステインを除去し、凸凹した部分を滑らかにしていきます。
PMTCが病原性のあるプラークを取り除く治療的な処置であるのに対して、歯面研磨は病原性のないステインを取り除く審美的な処置であると区別されています。

誰が行うのか

国家資格を持った歯科医師や歯科衛生士によって行われます。どちからといえば、予防歯科の専門家である歯科衛生士が行うことが多いようです。歯科助手が行うことはありません。

どのようなことを行うのか

PMTCとは「選択的プラークの除去」であり、それだけで独立して行われるものではありません。
実際に歯科医院では、歯石除去→歯磨き指導→歯面清掃(PMTC)→フッ素塗布などと、一連の予防プログラムの中の一つとして行われています。
ただしその歯科医院で行われている予防プログラム全体をPMTCとして指していることも多く、本来は別物である歯石除去や歯面研磨もPMTCとして行っている場合もあります。歯科医院によってPMTCに対しての考え方が異なり、内容も異なってくる点で注意が必要です。
また、予防プログラムも患者ごとに立てられるものなので、毎回必ず同じ処置が行われるわけでもありません。例えば、歯石が溜まっていれば歯石除去を先に行ってからPMTCに入る必要がありますし、逆に歯石が少なければそのままPMTCに入ることもあります。患者によって、必要な処置も通院の頻度も変わってくるのです。
PMTCは一般的には次のような流れで行われます。実際には、事前に歯石除去が行われたりもします。

PMTCの基本の流れ

1.染色液を使ったプラークの染め出し
プラークに反応する染色液を歯に塗布し、プラークの付着具合を調べます。歯磨きの弱点を知ることができるため、このときに歯磨き指導が合わせて行われることもあります。

2.フッ素入り研磨剤の塗布
虫歯予防に効果のあるフッ素が入ったペースト状の研磨剤を、歯間や歯面に塗布していきます。

3.歯間清掃
まずはプラークが残りやすい歯間から清掃していきます。電動の歯科器具などを使って、歯間のプラークを除去していきます。

4.歯面清掃
続いて、歯間以外の歯面の清掃を行っていきます。部位の形に合わせた複数の歯科器具を使用して、プラークを除去していきます。

5.残った研磨剤の除去
歯肉溝(歯周ポケット)や歯間に残ってしまった研磨剤を綺麗に洗い流します。

6.フッ素の塗布
最後にフッ素の塗布を行うこともあります。

PMTCの費用

前述の通り、定義上のPMTCは単独で行われていることはなく、歯科医院ごとに様々な処置を組み合わせて行われています。そのため費用についても、保険内の診療の中で行っている場合もあれば、保険適用外の独自の値段設定をしていることもあります。
大きく保険内と保険外のケースに分けて説明しますが、すべての歯科医院に当てはまるわけではないため、参考程度に御覧ください。

保険内で行っている場合

保険診療で行うPMTCは、純粋な予防処置としてではなく、歯周病治療の一環として行われます。保険内ではPMTCではなく、機械的歯面清掃処置という名前で呼ばれます。
機械的歯面清掃処置は、一連の歯周病の治療の流れの中で行われますので、必ず歯周基本検査やレントゲン撮影などが伴います。また一度では済ますことができず、数回の通院が必要となることが多いでしょう。
機械的歯面清掃処置自体は、3割負担で200円程度の費用となります。単独で請求はできず、歯科疾患管理(治療計画の立案料)や歯科衛生実地指導(歯磨き指導など)に付随して請求されます。合わせて800円程です。
歯周基本治療として歯石除去(スケーリング)も合わせて行えば、200~500円程度プラスされます。
これらに初診料や検査料を加えると2,500円程度、レントゲン費用を加えると大体3,000~3,500円程となります。さらに国の施設基準を満たし届出を行っている歯科医院については、大体2割程高くなります。

保険内でのPMTC(歯周疾患治療)の概算(3割負担)

初診料 約700円
歯科疾患管理 300~330円
歯科衛生実地指導 240円
機械的歯面清掃処置 約200円
歯周検査料 150~600円
レントゲン料 約1,000円
歯周基本治療料
(スケーリングのみ)
200~500円
合計 3,000~3,500円

保険外で行っている場合

一般的には、PMTCというと保険外の診療で行っているものを指します。保険のルールがありませんので、純粋な予防診療として、歯周病や虫歯がなくても診療を受けることができます。
歯石除去や歯面研磨、フッ素塗布を含めて3,000円~5,000円程のところが多いでしょう。時間をかけてじっくりとやっている場合には、1万円を超えることもあります。

まとめ

PMTCは、本来は歯科医師や歯科衛生士によるリスク部位のプラーク除去、という狭義の定義がありましたが、最近では歯科医院独自の予防プログラムとして、かなり広義な意味で使われています。誤解を恐れず言えば、定義上のPMTCは必要な人だけが受ける補習授業のようなものですが、広義のPMTCでは予備校のカリスマ授業のように扱われていることもしばしばあります。
また、保険内で行われる場合には、歯周病の治療として行われているため、ルール上、医学管理費や検査費など様々な費用が同時にかかってきます。一方で保険外の場合には、歯科医院によって自由に価格設定がされていますが、保険のルールの縛りもないため付随してくる医学管理費などがかからず、意外と保険内での費用と変わらない、ということもあります。
歯科医院によって内容も様々なPMTCですが、施術者の腕によっても効果が大きく変わってきます。PMTCに限ったことではありませんが、信頼できる歯科医院で提供している診療を受けて下さいね。