歯の本数は普通何本なの?26本、28本、32本?先天性欠如歯や過剰歯の原因 | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年10月30日

通常、人間の顔には目が2つ、鼻と口が1つずつあるはずで、人によって数にばらつきがでることはほぼないのではないでしょうか。しかし、歯の場合はどうでしょうか。大人であれば、本来親知らずを含めて32本あるはずですが、32本すべて生えそろっている人は少数なのではないでしょうか。
もちろん虫歯や歯周病などで歯を失うことは珍しいことではありません。親知らずも抜歯してしまう人がほとんどなので、親知らずを除いた28本を永久歯の基準としてすることもあります。
しかし最近では、虫歯や歯周病といった後天的な理由ではなく、生まれつき歯の本数が足りない先天性欠如の人が増えています。生えそろう歯の本数も、28本未満であることも珍しくありません。
この記事では、生まれつき歯が生えてこない、先天性欠如歯について紹介しています。関連して過剰歯についても触れています。人よりも歯の本数が少ない、という人は是非御覧ください。

正しい歯の本数とは

結局のところ、正しい歯の本数は何本なのでしょうか。まずは教科書的な本数を紹介します。

子どもの歯の本数は20本

乳歯の本数は20本です。生後6ヶ月頃から2年程かけて、上下左右に5種類ずつ、計20本の歯が生えてきます。中央から、乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯という名前が付けられています。
大体6歳頃から6年程かけて永久歯へと生え変わっていきます。

大人の歯の本数は32本

永久歯の本数は、親知らず含めて32本です。上下左右に8種類の歯が対象に生えてきます。中央から、中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯(親知らず)という名前がつけられています。

現在歯数の平均は28.8本

永久歯は11~13歳頃に中切歯~第二大臼歯までの28本が生えそろいます。その後しばらく間が空いて20歳前後に、親知らずである第三大臼歯が一番奥に生えてきます。
しかし親知らずは正常に生えてこない厄介者です。曲がって生えたり、歯肉に埋まったままとなったりするために、虫歯や智歯周囲炎などのトラブルを起こして抜歯となることが多くなります。
さらに若い人では生えてすら来ない人もいますので、最終的に32本生えそろうことは珍しく、実際のデータ上でも、顎の成長を終えた25~29歳の人の平均現在歯数は28.8本となっています。(平成28年度歯科疾患実態調査より)
永久歯32本が生え揃わない原因は、現代人の食生活の変化にあります。食品の加工技術の発達により、柔らかくて食べやすいものがたくさん増えました。あまり噛まなくても食べられるようになり、顎を使わなくなった結果、顎が退化して歯の生えるスペースがなくなってしまったのです。
今後も人間の顎の退化は進むと考えられており、未来の日本人は、顎の細い逆三角形の顔になると予想されていたりもします。

歯が足りない!先天性欠如歯の原因

若い人に親知らずが生えてこないことが多いように、生まれつき乳歯や永久歯の本数が足りない先天性欠如の人が増えています。何らかの理由により、歯の素である歯胚が作られず、歯が生えてこなくなってしまうのです。
先天性欠如が起こりやすいのは、側切歯、第二小臼歯、第三大臼歯(親知らず)など、同種の中でより後方に生える歯です。歯の本数が足りないと、すきっ歯などの不正咬合を起こしやすくなってしまいます。
歯の本数が1~2本足りないケースもあれば、全身疾患の影響により1本も生えてこないケースもあります。人により考えられる理由は様々ですが、一般的には次のような因果関係があると考えられています。

顎の退化

顎の退化により歯の生えるスペースが狭くなり、生えてこないケースです。このケースでは成長に合った形で歯が生えているために、噛合せに異常が出ることが少なく、治療の必要がないこともあります。
歯の先天性欠如は男性よりも女性の方が多い傾向にあり、現在歯数のデータでは、男性が平均29.0本、女性が平均28.6本と、確かに女性の方が歯の本数が少ないことがわかります。関係があるかはわかりませんが、女性の方が柔らかいものを好んで食べるイメージがありますよね。

遺伝

歯の先天性欠如は、兄弟姉妹など同じ血の繋がりで共通して見られることが多く、遺伝も関係していると考えられています。親子で遺伝することもあれば、隔世遺伝することもあります。また、ダウン症などの遺伝性疾患に伴う場合もあります。

妊娠期の栄養不足

歯が作られる時期に母体の栄養が足りていないと、先天性欠如となる可能性が高くなります。
歯の形成はかなり初期から行われており、乳歯の歯胚が作られるのは妊娠6週目あたりからです。妊娠が判明するのも4~6週目あたりですから、妊娠に気づいたときにはすでに歯胚が作られているということもあります。
永久歯の歯胚についても妊娠3ヶ月目から生後9ヶ月にかけて作られますので、妊娠中にバランスの取れた食事を取れていないと、将来子どもの歯がきちんと生えてこなくなってしまう可能性がでてきてしまうのです。
歯は新陳代謝しませんので、後からいくら栄養をとっても意味がありません。歯に限らず他のあらゆる器官にもいえることですが、子どもの歯の健康は、妊娠期のお母さんの栄養にかかっているのです。

妊娠期の病気

妊娠中の母体に感染した梅毒や麻疹などのウイルスが、血液などを通して胎児にも感染してしまうことがあります。いわゆる胎児病というものにかかってしまうことで、歯胚の発生にも影響を及ぼします。生後すぐや7~8歳の青年期に症状があらわれ、多数歯の先天的欠損や形成不全を起こしてしまいます。

外傷

乳幼児期に顔に外傷を受けることで永久歯の発生に影響を及ぼすこともあります。永久歯の歯胚は妊娠3ヶ月から生後9ヶ月にかけて作られ、その後も歯茎の中で成長し続けています。生後間もない時期に、転ぶなどして口内に外傷を受けると、歯胚の発生や成長に影響を及ぼし、永久歯が生えてこなかったり、生え方に異常が見られたりすることがあります。

全身疾患の関連症状

足りない本数が1~2本ではなく多数歯にわたる場合には、外胚葉異形成症、色素失調症など、全身疾患に伴う症状として現れることが多くなります。

歯が多い!過剰歯の原因

歯が人よりも多く生えてきてしまう過剰歯は、先天性欠如歯ほどではないですが、30人に1人ほどとしばしば見られる症状です。女性よりも男性に多いといわれ、好発部位は上顎の前歯部や大臼歯、下顎の小臼歯部です。
過剰歯の原因についてはっきりとはわかっていませんが、歯胚が分裂や過形成を起こし発生するものと考えられています。その原因因子については不明です。また、唇顎口蓋裂に伴って上顎の側切歯に過剰歯が現れることもあれば、鎖骨頭蓋異骨症などの全身疾患の関連症状として現れることもあります。

悪さをしなければ問題ない

歯の先天性欠如は子どもの10人に1人は見られる症状であり、多くのケースで経過観察となります。ちなみに筆者も下の側切歯が1本生えてきていませんが、噛合せなど何の問題もなく使えています。若干叢生気味なので、おそらく生えるスペースがなかったパターンだと考えられます。何度も歯科医院には通っていますが、特に何も指摘されません。
先天性欠如で、すきっ歯などの不正咬合を起こしている場合には、矯正や歯牙移植を行い、歯列調整していく必要があります。また欠如の本数が多い場合には、乳歯を抜かずにそのまま使わなければならなかったり、顎の成長が終わるころにインプラント治療をしたりして、歯を補っていかなければなりません。
なお、欠損が6本以上であれば矯正が保険適用となり、先天性の疾患により顎骨の3分の1以上が連続して欠損していればインプラントが保険適用となります。
過剰歯についても、審美性や機能に問題がなければ治療の必要はありませんが、他の歯に悪い影響を与えるようであれば、抜歯をして治療していきます。
歯の本数が人と違うからといって必ずしも異常だと心配をする必要はありません。欠損が多い場合や何らかの問題が生じた場合にのみ、治療を行えば大丈夫です。その問題も、幼少時から歯科医院に通うことで最小限に抑えることができます。かかりつけの歯科医院を作り、定期的に診てもらうことが大切です。