部分矯正のメリットとデメリット。短期間で歯を治せるってほんと? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2017年11月14日

曲がっている前歯を直したい、すきっ歯を直したいなど、ちょっとした歯並びの悩みを解決することができるのが、部分矯正です。部分矯正とは、歯列全体を治すのではなく歯列の部分的な不良を治す矯正のことをいいます。
部分矯正は審美的な要素が強く、最近ではプチ整形ならぬプチ矯正という言葉もあるようです。通常の矯正よりも患者への負担が少なく、気軽に挑戦できるイメージがありますが、デメリットなどはないのでしょうか?
今回は、そんな部分矯正のメリットとデメリットについて紹介します。

部分矯正とは

部分矯正とは、目立つ前歯だけの矯正など、部分的な箇所に限った矯正のことをいいます。部分矯正に使われる方法として次の3つがあります。

ワイヤーでの部分矯正

ワイヤーを使用しての部分矯正です。全体矯正とは異なり、一部の歯にだけ固定式のブラケットを取り付けます。歯を動かす方法は通常のワイヤー矯正と変わらず、ワイヤーの調整や交換を繰り返して少しずつ歯を動かしていきます。
目標の形にまで動いたら、リテーナーという保定装置を取り付けて、歯の後戻りを防ぎます。リテーナーには、取り外し式の透明なマウスピースタイプや、歯の裏側にワイヤーを接着する固定タイプがあります。
表側にワイヤーをつける表側矯正と裏側につける裏側矯正、どちらでも部分矯正が可能です。

マウスピースでの部分矯正

アライナーと呼ばれる透明のマウスピースを使用した部分矯正です。定期的にアライナーを交換することで段階的に歯を動かしていきますが、部分矯正の場合には、全体矯正よりも少ない回数の交換で終えることができます。
ただしマウスピースは取り外しなので、患者がマウスピース着用をサボってしまうと、矯正期間が長期化してしまいます。計画通りに進めるには、患者の協力が不可欠となります。
マウスピース矯正が終わった後は、ワイヤー矯正と同じようにリテーナーをして後戻りを防ぐ必要があります。矯正に使うマウスピースと同じようなリテーナーや、金属製のワイヤーなど、矯正に適した形のリテーナーが用いられます。
なお、マウスピースでの矯正であれば、同時にホームホワイトニングを行うことも可能です。

補綴治療による部分矯正

歯を動かさずに、歯を削って人工歯を被せることで、歯の形や向きを治していく方法です。足りない部分を人工歯で補う治療を補綴治療といい、これを利用した矯正を補綴矯正と呼びます。
歯の表面だけを削って薄いセラミックを貼りつけるラミネートベニアや、全体を小さく削って人工歯を被せるクラウンなどがあります。
最短2回の通院で終えることができ、最も手っ取り早くできる部分矯正です。

部分矯正の3つのメリット

部分矯正のメリットは身体的にも経済的にも患者の負担が少なくて済むことです。

不快感や痛みが少ない

歯を動かす矯正は、人によって痛みが出ることがありますが、部分矯正では、歯にかかる力も少なくなりますので、痛みや不快感も軽減されます。また、歯を削る補綴矯正も麻酔をかけて行えば全く痛みを感じずに治療が可能です。

費用が安い

部分矯正では使用する器具のコストも低く、通院の回数も少なくなるため、治療にかかる費用が安くなります。全体の矯正では100万以上かかってしまうところを、部分矯正であれば50万円以下でできることがほとんどです。

治療期間が短い

全体を動かす矯正では数年かかることもありますが、部分矯正は多くの場合で数ヶ月以内に終えることができます。補綴矯正であれば2回の通院で終えることができます。

部分矯正の4つのデメリット

部分矯正は、機能面の回復よりも、審美的な回復を重視した治療なので、治療をすることで機能面に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

抜歯や歯を削ってスペースを作ることも

歯を動かすスペースがない場合には、抜歯したり歯の横幅を少し削ったりしてスペースを作る必要があります。歯が凸凹している叢生という歯並びの場合には、歯のスペースを作らなければならないケースが多くなります。

適用できる症例が限られる

歯は上下の歯列全体で噛む力を分散しています。部分矯正によって一部だけ動かすことで、全体のバランスが崩れてしまう恐れもあるため、適応される症例は限られてきます。
例えば上下の噛み合わせに問題があるような場合には、全体の歯列を調整しなければならないため、部分矯正は向いていません。

治療の難度が高い

部分矯正は、全体のバランスを考慮して行わなければならないため、矯正の専門的な知識と技術が必要です。部分矯正の症例を多く持つ矯正専門医がいる歯科医院で治療を受けることをおすすめします。

二次カリエスのリスクが高まる(補綴矯正)

補綴矯正に限ったデメリットですが、一度でも削った歯は二次カリエスになるリスクが高まります。補綴物の作りが精密で、患者自身のブラッシング技術が優れていれば、ある程度のトラブルを防ぐことはできますが、経年による素材の劣化は避けられません。

リテーナーは半永久的に

補綴矯正でなく、歯を動かす方法で矯正をした歯は、どうしても後戻りしてしまいます。特に矯正を終えたばかりの歯は動きやすく不安定な状態です。部分矯正の場合も、短時間で目標の形にはなるものの、矯正器具を外した瞬間から少しずつ元の歯並びに戻ろうと動き出してしまいます。
そこで、矯正後も怠ってはいけないのが後戻りを防ぐリテーナーです。歯や歯茎の状態が安定するまで、少なくとも1年はかかるといわれています。その期間中は、リテーナーを矯正器具と同じように常時、または取り外し式のものであれば食事や歯磨き以外のときは常に付けておかなければなりません。
全体矯正でも部分矯正でも関係なく、綺麗なままの歯並びを保つには、半永久的にリテーナーをつける必要があります。常時は大変なので、例えばマウスピース型の取り外し式のリテーナーであれば、夜寝ている間だけつけるということを習慣づけることもできます。
実は部分矯正において最も長い付き合いになるのがリテーナーです。必ず医師の指示に従い、矯正が終わったあともリテーナーの着用を怠らないようにしましょう。