災害時の歯磨きはどうすればいい?水や歯ブラシがなくてもできるの? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2019年5月24日

2019年3月11日で東日本大震災から8年が経過しました。災害時は故障や安全確認のために水道が止まってしまい、水が使えたとしても量が限られてしまうので、お風呂に入れず、体や髪を洗えない日々が続き、体を清潔に保つことが難しくなってしまいます。長い期間不衛生なままでは、臭いや不快感もありますし、感染症など病気になる可能性も高まります。そしてきれいにできないのは体だけでなく、歯も同じです。東日本大震災の時は歯ブラシなどが不足し、水も少量しか使えなかったため歯磨きができない人が多かったようです。歯が不衛生な状態は、歯の健康だけでなく全身の健康にも関わります。歯磨きができないことで思わぬ病気になってしまうかもしれません。今回は、災害時の歯磨きの重要性や、歯磨きができないとなってしまうかもしれない病気、水を使えなくてもできる歯磨きの仕方についてご紹介します。

歯磨きができない状態が続くと危険!

歯磨きができない状態が続いてしまうのは危険です。災害時は命を守ることが最重要であるため、衛生面は後回しになってしまいがちです。ですが、ただでさえ食料が限られ栄養が不足している上に不衛生な状態が続くと、抵抗力がかなり落ちてしまい、病気にかかりやすくなってしまいます。そして歯磨きができない状態も同じことが言えます。歯磨きは歯の汚れを落とすだけでなく、口の中に入ってしまった細菌やウイルスを洗い流す効果もあります。歯磨きができないと思わぬ病気になってしまうかもしれません。体や髪を洗うことと同じように、歯磨きも健康を保つ重要な役割を担っているのです。

歯磨きができないとどんな病気になるの?

歯磨きができない状態が続くと汚れや細菌が蓄積し、虫歯や歯周病になってしまいます。そして、歯磨きができないとなってしまう病気は歯に関するものだけではありません。

インフルエンザ

歯磨きができないとインフルエンザになる可能性が高いというのはご存知でしょうか?口内は汚れたままだと細菌が増殖するのと同時に、プロテアーゼという酵素も増殖します。プロテアーゼが多いと、インフルエンザウイルスを体内に取り込みやすくしてしまいます。つまり口内が汚れたままでいると、インフルエンザにかかりやすくなってしまうのです。

糖尿病

歯を磨けないことで歯周病になり、歯周病が原因で他の病気を併発することもあります。特に歯周病になっている人は糖尿病が悪化しやすいことがわかっています。糖尿病になると血糖値が高くなり、血管が弱くなってしまいます。歯茎には血管が密集しているため、弱くなった血管が炎症を起こし、歯茎や歯そのものに悪影響を及ぼします。歯茎に炎症があると血糖値をコントロールするインスリンというホルモンが正常に機能しなくなります。インスリンが機能しないと血糖値が下がらないため、糖尿病もひどくなってしまいます。このように歯周病と糖尿病は密接に関わっているため、同時並行で悪化してしまう可能性があります。

誤嚥性肺炎

高齢者がなりやすい誤嚥性肺炎も、歯磨きができないことが原因となっている可能性があります。歯磨きができないままだと細菌が増え、誤嚥のリスクが高まります。誤嚥により肺に細菌が入ることで肺炎を起こしてしまうのです。そして、入れ歯も同様に汚れている状態が続くことも誤嚥性肺炎を引き起こす原因になるので注意が必要です。

その他にも、歯がきれいに保てないと心筋梗塞、狭心症になるリスクが高まるとも言われています。

防災セットに歯のケア用品を入れておこう

歯磨きができない状態が続くと様々な病気になる可能性があります。東日本大震災以降、防災に関する意識は高まっており防災セットを常備する人も増えたようです。防災セットを常備しているのであれば、今一度どのような物が入っているのか、そして歯のケア用品も入っているかどうかを確認してみてください。歯ブラシは家族の人数分入っていますか?歯ブラシは共用してしまうと、細菌やウイルスが移ってしまうかもしれないので、必ず人数分の歯ブラシを入れておきましょう。また、水が使えない時のために液体ハミガキや洗口液を入れておくとよいでしょう。歯ブラシがなくても、少量を口に含んで吐き出すことで細菌やウイルスを洗い流せます。そして、歯ブラシが使えなくなったときのために拭いて歯をきれいにできるもの(ハンカチやガーゼなど)を入れておくと、いざという時に便利です。

歯ブラシがない時はどうすればいいの?

災害時、歯ブラシが手に入らない場合は以下のような方法で歯磨きの代用ができます。

ガムを噛む

歯ブラシがない時は、キシリトールが配合されているガムや、歯磨きガムを噛みましょう。ガムを噛むことで唾液が多く出て、多く分泌されるほど口内の細菌を洗い流してくれます。また、キシリトールには虫歯菌が活発になるのを抑える力もあります。ガムの中には、トクホの認定を受けたものもあります。トクホは、保健目的として摂取することで効果が期待できると国から認定された食品です。初期虫歯対策や歯の健康を保つトクホのガムを噛むことで一時的に歯磨きの代わりにすることができます。

水で口内をゆすぐ

災害時は水道が止まり、水が不足するためゆすぐことも難しいかと思いますが、ゆすぐだけでも口内の細菌やウイルスを洗い流すことができます。少量の水を含んで、口内全体に水が行き渡るように口をゆすぎましょう。1回のゆすぎで済ませるのではなく、2回程度にわけてゆすぎましょう。

液体ハミガキ、洗口液で口内をゆすぐ

液体ハミガキや洗口液は使用後口を水でゆすぐ必要がないため、水道が止まっていても使用できます。ほとんどの洗口液には、殺菌成分や口臭予防の成分も含まれているため、口内をゆすぐだけでも清潔にできます。

ハンカチやガーゼなどを使って指で磨く

歯ブラシや液体ハミガキ、洗口液などがない場合は、ハンカチやガーゼが歯ブラシの代わりになります。ハンカチやガーゼを指に巻き付けて、歯の一本一本を撫でるように磨きましょう。

まとめ

災害時は緊急事態のため、歯のケアに意識が行き届かないことが多いです。また、「多少歯を磨かなくても大丈夫」と思いがちですが、歯磨きができないことによって口内が不衛生になり、思わぬ病気にかかってしまうかもしれません。いざという時のために、防災セットの中には歯ブラシや液体ハミガキ、洗口液を入れておきましょう。