動物も歯磨きをしないと虫歯や歯周病になる? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2019年7月10日

最近動物園に行きましたか?お子さんがいらっしゃるご家庭なら行く機会もありますが、大人になるともう何年も行っていないという人が多いようです。ですが大人になってから動物園に行くと、子どもの時とはまた違う視点で動物を見ることができます。もしかしたら可愛い動物を見ることで癒やされるかもしれませんし、意外な発見があったりするかもしれません。そして動物園に行く時は「ご飯タイム」を狙ってみてください。元気よくご飯を食べる姿が見られるので子どもだけでなく大人も楽しめるはずです。動物園によってはご飯を与える時間をweb上で公開しているので確認してみてくださいね。しかし動物園で動物たちが食事をしている場面は見られても、歯を磨いているところを見たことがある人はほぼいないのではないでしょうか。もちろん動物は人のように自分で歯を磨く事はありません。磨くとしても飼育員さんが歯を磨きます。ですがそもそも動物は歯磨きが必要なのでしょうか?人と同じ様に動物も虫歯になったりするのでしょうか?今回の記事では、動物の歯の構造や、歯磨きは必要なのか、そして動物は虫歯になるのかについてご紹介します。

犬や猫の歯の構造は人とほぼ同じ

人の歯は一番外側がエナメル質で、その内側に象牙質があり、一番内側の歯の中央部分に歯の神経があります。そして犬や猫の歯もほぼ同じ作りで、同じように乳歯のあとに永久歯が生えます。歯の本数は人の場合、永久歯は親知らずも含めて32本ですが、犬の永久歯は約42本、猫の永久歯は約30本となっています。ちなみに歯が何度生え変わるかは動物によって違いがあり、一生で何度も歯が生え変わる動物もいれば、一度歯が生えてきたらそのままという動物もいます。別記事で紹介しているので是非御覧ください。(サメやワニの歯は無限に生え変わる!いろんな動物の歯の不思議

野生の動物は歯磨きがいらない?

野生の動物は歯磨きをする必要がありません。なぜなら虫歯や歯周病になるリスクがとても低いからです。

野生の動物が虫歯にならない理由

野生の草食動物は木の実や草を食べ、また肉食動物は他の動物を狩ってその肉を食べますが、これらの食べ物には糖が入っていないか、入っていたとしてもごく少量です。糖が口内に入ると虫歯菌が活発になり歯を溶かし始めてしまいますが、野生の動物は普段食べている物に糖がほとんど入っていないおかげで、虫歯になる可能性がとても低いのです。

野生の動物が歯周病にならない理由

歯周病は歯垢が溜まることによって細菌が繁殖し、歯茎に炎症が起こる病気です。歯垢の元は主に「食べかす」で、動物も人と同じ様に食事をすると歯に食べかすが溜まります。しかし野生の動物は歯周病になることがほぼないようです。歯周病にならない理由は2つあります。まず1つ目は、野生の動物は木の実や草、生肉など硬いものを食べることが多いからです。柔らかい食べ物は水分量が多く、口の中に入れて噛み砕く時に唾液と混ざって粘性が増すため、食べかすが歯に付きやすいのですが、硬い食べ物は水分量が少なく、噛み砕いても硬さを保ったままのことが多いので、食べかすが歯につきにくいのです。また食べかすがついたとしても、硬い食べ物が細かく噛み砕かれることによって歯磨き粉の粒子のような働きをして食べかすを落とすため、自然と歯垢の溜まりにくい口内になっているのです。そして歯周病にならないもう1つの理由は、咀嚼する回数が少ないからです。野生の動物はいわゆる早食いをする動物が多いです。なぜなら早く食べ終わらなければ他の動物に自分の食べ物を取られてしまったり、ゆっくり食べているとその隙を狙って他の動物に襲われる可能性があるからです。そのためほとんど噛まず、飲むように食事をする動物もいます。動物の本能である早食いは歯に食べかすがつきにくく、歯垢が溜まりにくい食べ方なのです。

ペットや動物園にいる動物は虫歯になりやすい?

野生の動物が歯の病気になりにくい一方で、動物園の動物や、犬や猫などのペットとして飼われている動物は虫歯、または歯周病になることがあります。

動物園の動物は虫歯になる?

動物園の動物は野生の動物と環境や食事が異なるため、虫歯になることがあります。

・動物園の動物は長生きだから虫歯になる?
野生の動物に比べて、動物園の動物は長生きします。動物園の動物たちは人の飼育下にいるため、食事も用意されますし、病気になったら獣医が診察します。また動物園内なら他の動物に襲われることもありません。野生の動物とは違い安全な環境でしっかり食事も取れるため、長生きする動物がたくさんいるのです。しかし、長生きすればするほど食事のために歯を使う回数を積み重ねるため、歯がすり減って耐久性が低くなって割れてしまい、割れた箇所から虫歯になってしまうこともあるようです。

・動物園の動物は食事が原因で虫歯になる?
動物園の動物は餌やおやつに果物を与えられることがあります。野生の動物も果物を食べることはありますが、頻度は動物園の動物と比べて少ないです。果物の中には糖が入っており、糖が口内に入ることで虫歯菌は活発になり、歯を溶かし始めます。動物園の動物は果物が原因で虫歯になってしまうかもしれないので、飼育員さんは果物を与えすぎないように量を調節しています。

ペットの犬や猫は虫歯や歯周病になる?

日本は約3~4割の家庭がペットを飼育しています。中でも特に犬や猫を飼っている家庭が多いのですが、犬や猫は虫歯や歯周病になりやすいと言われています。

・ペットの犬や猫はペットフードが原因で虫歯や歯周病になる?
ペットとして飼われている犬や猫が虫歯や歯周病になる原因は「食事」にあります。野生の動物は硬い食べ物を食べることがほとんどですが、ペットの犬や猫はペットフードを食べます。ペットフードは柔らかいものが多く、ドライフードといわれる水分量が少なく乾燥したタイプでも、口に入れると唾液と交わって柔らかくなります。柔らかい食べ物は食べかすが歯に付きやすく、食べかすがついたままでいると約8時間で歯垢に変わってしまいます。歯垢が溜まってしまうと犬や猫でも人間と同じ様に虫歯や歯周病になりやすいので注意が必要です。対策として歯磨き効果のあるおやつを与えたり、飼い主が歯磨きをしてあげましょう。歯磨きの頻度は毎日がおすすめですが、最低でも1週間に1度は行うようにしてくださいね。

・ペットに人の食べ物を与えると虫歯や歯周病になる?
つい人の食べ物をペットに与えてしまうこともありますよね。しかし人の食べ物には糖がたくさん入っています。お米やパンなどの炭水化物には糖が含まれていますし、味付けの調味料の中に砂糖が入っていることもあります。人の食べ物はペットフードと比べて味が濃いので喜んで食べるペットが多いようですが、糖が入っている食べ物は虫歯や歯周病になりやすく、栄養も偏りやすくなるのでなるべくあげないようにしましょう。

歯磨きが苦手な犬や猫には「口を触られること」に慣れてもらおう

虫歯や歯周病予防のためにも歯磨きをしてあげたいけど、歯磨きを嫌がる上に口にも触らせてくれない・・・という犬や猫は多いです。健康のためにと無理やり歯磨きをしようとすると、噛み付いてしまったり、警戒されて二度と口を触らせてくれないということもあるようです。そこで口を触られるのが苦手な犬や猫には、まず口を触られることに慣れてもらいましょう。初めに口をやさしく触り、噛み付いたり嫌がり始める前に触るのをやめて、おやつをあげます。これを数回行うと「口に触られるとおやつをくれる」と覚えるため、口を触わられることに慣れてきます。慣れてきたら、口を開けずに歯や歯茎に指で触ってみて、触ったあとにはまたおやつをあげましょう。これを繰り返すことで、口だけでなく歯や歯茎を触っても嫌がらないようになります。歯や歯茎に触ることができたら、指にガーゼやハンカチを巻きつけるか、歯磨き用の手袋を使って磨いてあげましょう。もし嫌がり始めたら途中でも辞めるようにしましょう。無理に続けてしまうと歯磨きが嫌いになってしまうかもしれません。ガーゼや歯磨き用の手袋で歯を磨くことに慣れたら、ペット用の歯ブラシを使って磨いてみるのもおすすめです。そして磨いてる最中や磨いたあとはしっかり褒めてあげましょう。

まとめ

野生の動物は生活環境や食生活から虫歯や歯周病になることはほとんどありません。ですがペットとして飼われている動物は飼い主が気をつけないと虫歯や歯周病になってしまうかもしれません。動物病院によっては歯の歯石取り(スケーリング)や、歯磨き指導をしてくれるところもあるので積極的に利用しましょう。人も動物も、歯がなければ美味しく食事ができません。美味しく食事をすることは心身の健康と長生きに繋がります。ペットと一緒に長生きするために、人も動物もオーラルケアを重視し、虫歯や歯周病を予防しましょう。