歯並びは遺伝しない?悪くなる原因って? | 歯医者の選び方 | 歯医者がおすすめする歯科医院
2019年7月31日

自分の顔や体で親と似ていると感じるパーツはありますか?私の場合は「髪」「目」「骨格」が似ていると感じます。髪は遺伝の影響を強く受けるパーツで、親が「くせっ毛」の場合、子供もくせっ毛を受け継ぐ可能性が高いようです。ちなみに日本人の髪はもともと太く、くせが出やすい毛質と言われています。そして髪だけでなく、歯も親から子供へ遺伝します。特に歯並びは子供自身があまり気にしなくても我が子の歯並びがどうなるのか気になる親は多いのではないでしょうか。今回の記事では歯並びは遺伝することがあるのか、そして子供の歯並びが悪くなる原因について紹介します。

歯並びは遺伝する?

自分の歯並びがあまり良くないと子供も歯並びが悪くなるのでは、と考える親は多いようです。しかし歯並びは遺伝だけが原因ではありません。遺伝の影響も多少受けますが、くせや生活環境など、遺伝の他にも様々な要因が複合して歯並びが決まります。遺伝だけのせいで子供の歯並びが悪いとは一概に言えないのです。

優性遺伝と劣性遺伝

遺伝に関する言葉に「優性遺伝」と「劣性遺伝」があります。親から子供へ遺伝する確率が高い特性を「優性遺伝」と言い、反対に遺伝する確率が低い特性を「劣性遺伝」と言います。例えば髪の毛の場合、くせっ毛は遺伝する確率が高いので「優性遺伝」です。反対に直毛は遺伝する確率が低い「劣性遺伝」です。また目の色も遺伝の影響を受けます。黒っぽい目は遺伝する確率が高いので、「優性遺伝」で、色素の薄い茶色っぽい目は遺伝しにくいので「劣性遺伝」です。ちなみに、優劣という言葉を使っているので誤解されやすいのですが、遺伝的に優れている、劣っているという意味ではありません。

歯はどんなところが遺伝するの?

では、歯はどんなところに遺伝の影響を受けるのでしょうか。

歯の大きさ、歯の形

歯の大きさや形は、遺伝の影響を強く受けます。特に歯の大きさは遺伝の影響力が強く、大きい歯が優性遺伝で、小さい歯が劣性遺伝です。そのため歯が大きい父親と歯が小さい母親から生まれてきた子供の歯は、大きくなる可能性が高いです。

顎の大きさ、受け口

顎の大きさも遺伝の影響を強く受けます。顎が大きいほうが優性遺伝なので、顎が大きい父親と、顎が小さい母親から生まれてきた子供は、顎が大きくなる可能性が高いです。また両親のどちらかが上顎よりも下顎のほうが出ている「受け口」の場合、子供も受け口になる可能性が高いと言われています。

歯並びは遺伝すると思われている理由

歯並び自体は遺伝しないので、親の歯並びが悪く、その遺伝を受け継いだ結果子供も歯並びが悪くなってしまった、ということはありません。ですが歯や顎の大きさは遺伝しやすく、歯並びにも影響します。例えば、父親の歯が大きい遺伝を子供が受け継いだけれど、両親ともに顎が小さく、子供も顎が小さい場合には、歯が生えるためのスペースが足りず歯が重なって生えてくることがあるので、結果として遺伝の影響で歯並びが悪くなってしまうことがあります。また親から大きな顎の遺伝を受け継いだけれど、歯の大きさは小さい子供の場合、歯と歯の間に隙間ができてしまうので、いわゆる「すきっ歯」になる可能性もあります。親から歯や顎の大きさを受け継いだ結果、子供の歯並びが悪くなる可能性があるため、歯並びは遺伝すると思われているのです。

子供の歯並びが悪くなる原因とは

歯並びは遺伝だけではなく、幼児期のくせや生活環境も強く影響すると言われています。以下では、子供の歯並びが悪くなってしまうくせや生活環境を紹介します。

指しゃぶり

子供の歯並びに悪影響を与える可能性が一番高いのは指しゃぶりです。歯は外圧が掛かり続けると少しずつ動いてしまいます。指しゃぶりは歯を指で押し続けている状態になるため、歯並びにも影響するのです。0~3歳の指しゃぶりは、歯並びへの影響はほとんどないのですが、4歳以降になっても指しゃぶりをしていると、歯が正常でない方向へ動いてしまったり、前歯が大きく出てしまういわゆる「出っ歯」になってしまう可能性があります。しかし指しゃぶりは子供にとって安心感のある行為なので、無理に辞めさせようとするのはあまりおすすめできません。親から指しゃぶりを叱られたりすることでよりストレスをためてしまい、ますます辞められなくなることもあるようです。指しゃぶりを辞めさせたい場合は、指しゃぶりをし始めたらおもちゃなど他のもので興味を引いたり、指にキャラクターの絆創膏を貼ったりと、自然に辞められる環境を作りましょう。

舌を噛む、舌の位置がおかしい

歯で舌を噛むくせがあったり、舌の位置が正常なところに収まっていないと歯並びが悪くなりやすいと言われています。特に舌を前歯で噛む行為は、指しゃぶりが終わった子供にくせとして表れることがあります。また舌は前歯の後ろにあるくぼみに舌先が付いているのが正常な位置ですが、舌が他の場所にある場合は舌が歯を押してしまうので、歯並びに悪影響を与えているかもしれません。特に舌を前歯で噛むくせは、無意識にやっている場合もあれば子供が親の気を引こうとしてやっていることもあるようです。叱りつけて無理やりくせを辞めさせようとはせずに、まずは舌を噛んでいるとどんな悪影響があるのか、舌の位置はどこにあるのが正しいのか説明して、正しい位置に舌を収める習慣をつけるように訓練しましょう。

柔らかいものばかり食べる、よく噛まないで飲み込む

顎の発達と歯並びには深い関わりがあります。幼児期から柔らかい物を食べる頻度が高かったり、あまり噛まずに飲み込むくせがあると顎が成長しにくく、歯が生えてくるためのスペースが足りなくなることがあります。スペースが足りないまま歯が生えてきてしまうと、重なり合って生えてくる確率が高くなり、乱杭歯(らんくいば)というでこぼこな歯が並びになりやすいです。たくさん噛むことは顎の成長を促すだけでなく、脳の働きを良くしたり、唾液が多く分泌されることによって食べ過ぎを防ぐ効果もあります。食べ物を1度口に含んだら、30回以上噛むように習慣づけるのがおすすめです。

口呼吸をしている

口呼吸は歯並びに悪影響を及ぼします。口を開けたままにしていると、口周りの筋肉が衰えてしまうのです。歯並びは顎や舌だけでなく、口周りの筋肉からも影響を受けます。口呼吸のせいで口周りの筋肉が衰えて、歯を支える筋肉のバランスが悪くなり、前歯が出てきてしまったり、受け口になる可能性が高くなります。子供が口呼吸をするのはくせの可能性もありますが、鼻や口周りの疾患が原因になっていることもあります。気になる場合は歯科もしくは耳鼻咽喉科で相談しましょう。

まとめ

歯並び自体は遺伝するものではありませんが、歯や顎の大きさなど、歯並びが悪くなる特性は遺伝で受け継ぐ可能性は高いです。ですが単に遺伝だけでなく、幼児期のくせのほうが歯並びを悪くしてしまう原因になりやすいと言われています。子供の指しゃぶりや舌を噛むなどのくせは、ほとんどが無意識なのでなかなかすぐには直らず、親がくせを叱りつけてしまうと子供はストレスをためてしまうので、余計に直らなくなってしまうかもしれません。くせを直したほうがいい理由をしっかりと説明して、くせになっているもの以外に興味を持つようにおもちゃなどで気を引いてみましょう。また柔らかいものばかり食べているなど、生活環境も歯並びに関わります。りんごやごぼうなど、硬めの食材を少しだけ大きめに切って、よく噛む習慣をつけましょう。食べ物をよく噛むことは良い歯並びを保つだけでなく、消化の促進や脳に良い刺激が行くようになります。子供だけでなく大人にとっても良いことばかりなので、子供と食事をするときは一緒にたくさん噛む練習をしてみてはいかがでしょうか。