診断と説明を大切に、患者さんにとって長期的に最適な医療をご提供されている白井先生。日本歯周病学会と日本歯科保存学会の専門医資格も取得されており、幅広い治療に精通されています。そんな先生に、医院の特徴や今後についてなどインタビューさせていただきました。
歯学博士
日本歯周病学会 専門医
日本歯科保存学会 専門医
先生が歯科医師を志したきっかけは？
私が高校生の頃、虫歯ができてしまい、家の近くの歯科医院に行きました。その際、先生がとても親身になって治療をしてくれたことがきっかけで、歯科医師という職業に興味を持ちました。その時は歯科医師がどのような職業かよく知りませんでしたが、痛みに対してすごく配慮してもらった印象が強く、最終的に私もそんな歯科医師になりたいと思い志すことにしました。
さっぽろ駅前歯科クリニックの特徴を教えてください。
当院は札幌駅から徒歩1分のビジネス街にあるため、様々な主訴の患者さんが来院されています。痒い所に手が届くような歯科医院を目指しており、どんな主訴であっても対応できるよう、幅広い診療科目と様々な治療オプションに対応できるところが当院の特徴です。セカンドオピニオンで来院される患者さんも多くいらっしゃいます。
私は日本歯周病学会と日本歯科保存学会の専門医資格を取得しています。ただ、歯周病の専門医だからといって歯周病治療だけに特化しているわけではありません。
歯周病は包括的に治療をしなければ改善しません。専門医資格を取得するには、歯周病の知識だけでなく、補綴、外科、全身疾患など、総合的に歯周病というものを捉えなければなりません。
そういう意味で、歯周病の専門医であることは包括的に治療ができ、患者さんの様々なニーズにお応えできる根拠のひとつであり、当院の強みとして掲げています。
これらの資格は「歯を残すこと」を前提に考え取得したものでもありますが、当院では歯を残すことを第一にしているわけではありません。
歯を抜きたくないという患者さんは当然ながら多いです。ただ、その歯を無理に残すことで他の歯も悪くなってしまうことがあるので、戦略的に抜かなければならないケースもあります。そのため、なぜ抜かなければならないのかその理由を丁寧に説明することを大切にしています。
よほどの痛みがある場合を除き、初回は治療を行わず、お話と診断だけで終わることもあります。
私は大学病院で10年以上診療や教育に携わっていたのですが、その頃から治療以上に診断を重要視してきました。どのような主訴で来られた患者さんに対しても適切な診断を行い、その診断結果を踏まえて、次回来院時に治療方針やオプションを提示しています。色々な治療方法がありますので、それぞれのメリット・デメリットも説明し、オーダーメイドの治療をご提供させていただきます。
また、患者さんが欲しい情報と私たちが提示したい情報は必ずしも一致しないと考えています。なので、最初の10分ほどで患者さんが求めていそうな情報を見極め、まずはそこを端的に説明するようにしています。歯科医院に来るきっかけの多くは、「全体的に治したい」ではなく「1箇所気になるところがある」だと思いますので、初診時に主訴を置き去りにして他の説明をすることはしません。
説明する際には資料の提示も重要だと考えているので、レントゲン写真や歯の模型を使って、現在のお口の中の状態を視覚的にもわかりやすく説明することを心がけています。
今後の歯科業界についてと先生の展望を教えてください。
デジタル社会の進展にともない、歯科業界でもデジタルが急速に普及しています。その影響で歯科技工士さんは減少傾向になり、他にも高齢化やなり手不足といったことも問題になっています。
デジタル歯科が主流になった際に、もし歯科技工士さんがいないなんてことになったら大問題です。私たち歯科医師の仕事は歯科技工士さんがいなければ成り立たない仕事なので、もっと能力を発揮できるような環境を整えていく必要があります。
「デジタルがあれば何でもできる」ではなく、「歯科技工士さんが関わるからこそ良いものができる」という方向へ導くことも重要だと考えています。
デジタルに置き換わらない部分をいかに大切に残していくかが、デジタル歯科が当たり前になった次に直面する課題だと思っています。
歯科業界は予防中心の流れも強まってきています。予防が大事だと謳っている歯科医院も増えてきていますが、予防が大事だと発信すべきは本来国がやるべきことです。
国が予防を推進するのであれば、歯科医師側もそれにきちんと対応できるようにならなければなりません。予防中心になることは間違いないので、「予防の知識」がより一層歯科医師には求められていくと思います。
歯科医師の役割は治療をすることですが、治療をしたら再治療が不要になるようにすることが重要です。
患者さんから「この歯は何年もちますか？」と聞かれることがありますが、私は「基本的に一生もつつもりで治療しています」とお伝えしています。
まだまだ治療を必要とする患者さんがたくさんいるので、保険診療であれ自費治療であれ、 “再治療の必要がないベストな治療をすること”が私の掲げている最大の目標です。
